イギリスのコロナ事情:「ウイルスとの共存」は楽ではない⁉それでも突き進むイングランド👊【全文無料】
「Living with Covid」を掲げてほぼすべての規制撤廃を達成したイングランド。現在は以下のような状況です。
上記の通り、ずっと続けてきたラテラルフロー検査キットの無料配布が3月末に終了しました。例外として、患者と接する医療従事者の人や、介護施設で生活する人々などは引き続き無料で利用ができます。
一般の人が検査を受けたいときはどうするかと言うと、薬局で検査キットを約2ポンド(約320円)で購入することになりました。まあ、紅茶1杯より安いので妥当なお値段かと😌
ところで、今まで公に認められていた新型コロナウイルスの症状は「発熱」「咳」「嗅覚・味覚の喪失」の3つだったのですが、あらたに次の9つの症状が追加されました。「息苦しさ」「だるさ」「体の痛み」「頭痛」「喉の痛み」「鼻水・鼻づまり」「食欲の低下」「下痢」「吐き気」。
新しく追加された症状は、他の病気で起こる頻度が非常に高いため(とくに頭痛などは本当に一般的な症状ですからね~💦)、今までは公式には認めていなかったのです。
それを踏まえて、イギリスで新型コロナの症状が出て、市販の検査薬でも陽性だった場合…。
休息と水分をしっかり摂り、パラセタモールやイブプロフェンといった市販の解熱鎮痛剤を使うという対処を基本として、NHSのウェブサイトでは、悪化した場合に「かかりつけ医に相談するか、111に電話して相談する症状の目安」「A&E(救急病院)に行くか、999に電話して救急車を要請する症状の目安」が記載されています。
また、高リスクグループの人は重症化防止のために経口薬「モルヌピラビル」の処方が受けられる場合も。これ、かなり効果あるようですね。
それに加えて、高リスクグループの人たちは4回目のワクチン接種を受けることが可能。ワクチンもなんだかんだ言われていますが、接種後数か月間は感染もしづらいし、重症化予防には大きな効果があるようです。
…と、このようにできる対策は実行しているわけですが、基本的に人々はフリーダムな生活を送り続けています。さらに気候が良くなってきたこともあり、過去のロックダウンで溜まった鬱憤を晴らすがごとく、大勢で集まって過ごしたりあちこちに旅行する人たちが急増中。
そのような交流の多さとオミクロンBA.2の高い感染力があわさって、現在の感染率は控えめに言ってエライことに🤣3月26日に終わる週にイギリスで新型コロナに感染していたと思われる人は490万人。これは13人に1人であり、2020年4月末に統計を取り始めて最高の割合。人ごみで周囲を見渡せば、数人はコロナの人がいるという感じですよね。
入院数や死亡者数も増加中。イングランドの一部地域では病院のベッドがほぼ満床となり、緊急治療を受けられる人の優先順位を決めるという厳しい事態に陥っているところも💦
ただし、全国的に見ると、今年1月の時点ではコロナ病棟での入院者数のうち56%が「コロナが原因での入院」だったのですが(つまり他の理由で入院していてたまたまコロナが見つかった人を除く)、3月末にはこの数字が44%まで下がっているなど、ポジティブな兆候もあります。
それでも、このペースで感染者が増加する場合や、あまり考えたくないですが強毒化した変異株が流行を始めた場合に、医療現場が持ちこたえられるかどうかはわかりません😅
そういう「うっすらとした危機感」は誰の中にもあるのでしょう。また、2年間ずっと海外にいる家族に会っていない人や、単純にひさびさに海外でホリデーを楽しみたいという人たちが、先週末から始まったイースター休暇に空港に詰めかけています。
…そして、ええ。イギリスの空港は軒並み大混雑。マンチェスター空港はとりわけパンク状態となり、フライトに乗れない人が続出。「管理における失態」として空港の責任者が辞任するという騒動に発展しました。
旅行の混乱に拍車をかけているのが、ブリティッシュ・エアウェイズやイージージェットの大量の欠航です。4月4日だけでもイギリスで120本のフライトがスタッフ不足のためにキャンセルになり、しかもフライトの数時間前に通知を受け取った人もいたよう。
航空業界ではパンデミック中に離職・失職した人が極めて多かったため、そもそも人員がぎりぎりで運営中。そこに、現在の新型コロナによる病欠者の急増が重なりました。さらにイースターという大型休暇(日本でいえばゴールデンウィークのような…)のために利用者数がこれまでになく伸びたため、もはや対処が不能となったのです🛫💦
フライトはその後もじゃんじゃんキャンセルとなり、実はわたしが今月末(イースター休暇後)に予約していたヨーロッパ旅行のフライトも「欠航になりました」という通知が今日届きました。えーん🥲
航空業界や空港のこのような混乱は、今後2か月ほど続くと見ている専門家もいます。なお、イギリスとヨーロッパ大陸間を結ぶユーロトンネルでも同様の理由で多少の混乱が生じています。
したがって、近々イギリスがらみのご旅行をお考えの方は、念のため「イギリスから1日数本以上のフライトが飛んでいる旅先を選ぶ(※同日の振り替え便を押さえやすい)」「最悪の場合、フライトが1~2日前後しても良いように旅程を組む」ことをおすすめします。
まあ、それでも大半の方は旅行ができているので、過度な心配はなさらず、しかし現実的に備える点は備えるのが良いですね♪春・夏の海外旅行、わたしもまだ諦めませんよ~💓
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