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イギリスのコロナ事情:ロックダウンの最終段階の緩和は7/19まで延期へ。時間を稼いでワクチン接種を急ぐ💉【全文無料】

本日、ジョンソン首相による発表があり、「最短で6月21日」とされていたイングランドの最終段階の緩和は4週間延期になりました😌

これは大方の予想通り。と言うのも、感染力の強いデルタ株(旧称インド株)の影響で、イギリスではここ1週間ほどで感染者が急増しているから。まあ、大幅なロックダウン緩和を実施したばかりなのでその点は織り込み済みなのですが…。実際の問題はそれにつれて入院患者の微増が見られることなんです。

つまり「ワクチンの効果」と「変異株の広まり具合」を比べると、今は後者の方が勝ってしまっている状態なんですね。この状態のままあらゆる業種を再開させると収拾がつかなくなるのは目に見えています。だから、7月19日まで延期をすることになったというわけ。

延期をするメリットはいくつかあります。まずはワクチン接種を進められること。現在、18歳以上の大人の79%が1回目を接種済みですが、7月19日までに最大89%まで伸びる可能性があります。同様に2回接種済みの大人は今は57%ですが、7月19日までに最大76%に達する見込み。

デルタ株に対してはあいにく1回のみの接種では効果が弱く…。9割以上の確率(アストラゼネカ製で92%、ファイザー製で96%)でデルタ株による入院を防げる2回接種済みの人をどれだけ増やせるかがカギに。わたしも先日の記事に書いた通り、6月11日に2回目の接種を終えたため、6月25日ごろからは高い確率で抗体が備わることになります✨

もう1つの大きなメリットは、今後数週間のデータの推移を追うことで、ワクチンの効果をより詳しく評価できるという点。イスラエルなどはイギリスよりもワクチン接種が進んでいるものの、国の規模やワクチンの種類といったさまざまな点で相違があるためそのまま参考にはできません。国ごとに入院者数と社会的・経済的な影響の繊細なバランスを取ることが必要です。

上記の通りほとんどの部分は延期になったのですが、6月21日から結婚式のゲスト数の上限が廃止されます!6月21日までは招待客は30人以下ですが、それ以降は自由に。ただし、ソーシャルディスタンスを守ることが条件となるため、会場によって何人が参加できるかは変わりそう。

わたしのイングランド人の友達カップルも、昨年の今ごろに結婚予定だったのがコロナの影響で延び延びに…。こういうカップルはイギリス中、いや世界中にたくさんいるんでしょうね💦

以上が本日のジョンソン首相による発表のダイジェストですが、他にもイギリスのコロナ関連の最新ニュースをいくつか。

従来のコロナ感染の症状には「咳」「発熱」「味覚や嗅覚の喪失」などが挙げられていましたが、デルタ株に感染した場合はどうやら「頭痛」「鼻水」が一般的な症状であるよう。ますます風邪と紛らわしくなりました(笑)。

イギリスでは少し前から、2回のワクチン接種を終えた人を対象として、秋~冬に免疫を強化するための「ブースター」と呼ばれる追加ワクチンの接種が検討されていました。そのための治験がいよいよケンブリッジでスタート。

7つのワクチン(英アストラゼネカ、米ファイザー、米モデルナ、米ノババックス、仏ヴァルネヴァ、米J&J、独キュアバック)のうち、どれがブースターとして最も効果があるかを測定します💉

治験にはワクチン2回を接種済みの30歳以上の人たちが参加。参加者らは、「とても光栄。ワクチンの長期的に見た恩恵は大きい」「(高齢のため)私ができることは少ないが研究をサポートしたい」「皆が結果として恩恵を受けてくれれば」などと述べ、イギリス人らしい社会への献身と科学への信頼感にあふれています。

感染者増が暗雲の兆しになっているとはいえ、イギリスでは先月からほとんどの活動が楽しめるようになり、このシーズンならではの気候の良さも手伝って街や人々の雰囲気がとても明るいです。

ただし、一部には制限も残っています。たとえば先日開幕したEuro 2020(サッカーの大会)。普段ならパブなどで大人数で観戦する人が多いのですが、今はパブの屋内で一緒に観戦できるのは6名または2世帯まで。屋外で集まるのは30人まで。応援するチームがゴールを決めて盛り上がったときに友達をハグして良いかは、「個人の判断」に任されているといった具合。

現実的にはこのあたりの細かいルールは厳しくは取り締まられていないものの、おおっぴらな違反は通報案件になります。まあ、パンデミック中なので仕方がないですよね。今はパブで友達と飲みながらサッカーが観られるだけでも大感謝!といったところでしょうか🍻😄⚽

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