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ことばが変わればテンションも変わる

英語を話すと性格が変わる人がいる。ふだんは物静かなのに、英語を話すといきなりオープンな感じになる人。ちょっとアメリカに旅行しただけで、肩を組んだ写真を撮り始めたり、仕事で英語の電話がかかってきた途端に声のボリュームがやたら大きくなったり。

そういう人に対しては、ちょっと冷ややかな視線が向けられることが多いように思う。かぶれやがって、とか、カッコつけやがって、とか。

だけど、何を隠そう私も人格が変わってしまう人のひとりだ。

だって。言語自体がフレンドリーなんだもの。

知らない人に話しかけるとき、「すみません」と発声するのにはちょっとした勇気とちょっとした体力がいる。だけどそれが「ハイ」で済んでしまう。圧倒的に楽だから、人に話しかける気持ちのハードルが急に下がる。

英語だけじゃない。スペイン語文化圏のキューバに行ったときは、「オラ!」だった。なんかもう、声を出さざるを得ないのだ。自然とお腹から声出す感じになる。下を向いてぼそぼそ言おうとしても、言えない。(91年生まれの私の頭には、ドレミファドーナッツのソラオがずっと脳裏にちらちらしていた。ジャンボ!おら、ソラオ!)

きっと人間って根っこのところはすごく単純で、言葉もその土地の気温や気候、日照時間なんかにものすごく左右されてるんだろう。

私は言語学のプロでもなんでもないからあくまで感覚だけど、寒い場所の言葉はなるべく口を開けずに発音できるようにできてるし、暑い国の言葉は陽気な発音であることが多い(きっと音楽もどこか似たような関係だと思う。ロシアのバレエ音楽とか、カリブのレゲエとか)。

◯◯人だから陽気だ、なんて決め付けるのはよくないし正しくない。でも、その国の言葉にキャラクターを感じながら吸収していくと、はじめは無機質なカタカナに見えていた外国語に対して、うっすら人格が透けて見えるから面白い。

それでは、ちゃお!

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