見出し画像

スウェーデン留学記 #3 〜研究員として編〜

これが本当はメインですよね笑

理学療法士だった自分がなぜスウェーデンに?そして何をした?をまとめました

なぜスウェーデン?

新卒で入職した大学病院で、先輩に誘われるがままに整形外科の股関節班に入りました

そこの教授がスウェーデン留学の経験者でした。もともと私はどんな理由でもいいからいつか海外に行きたいと思っており、それを知った股関節班の教授が「スウェーデン行くか?」と突然聞いてきたので、私は「はい!」と、訳もわからず即答

スウェーデンの教授と繋げてくれて、晴れてスウェーデンにいくことに!

行く前の準備

教授が紹介してくれたスウェーデン、ルンド大学のH教授が来日。講演と懇親会が開かれ、挨拶しました。カーネルサンダースのような風貌と優しさにホッとしました笑。ルンドではそのH教授が留学をマネジメントしてくれ、住むところや見学に行く病院の手配などをしてくれました

祝日は家族で過ごすことが多いスウェーデン。私がかわいそうなのでよく誘ってくれました笑

英語でCV(履歴書のようなもの)を作成し、ルンド大学病院でお世話になるM教授(疫学のプロ)とskype面談。彼はスウェーデン人なのにネイティブばりの英語を話し、さらにスキンヘッドで恐縮するも、とても優しい方でホッとしました笑。面談では、ルンドでどんな研究をするか、あとは趣味とかの話をしてほとんどアイスブレイキングのような感じでした

研究員としてのビザを取得するため、スウェーデン大使館に連絡をしました。これがなかなか大変だった気が…。H教授の「受け入れます」みたいなサインが必要だったり、ワークライフバランスを重視するスウェーデンでは返事がなかなか来ないという噂通り、大使館からの返事が遅くてソワソワした記憶があります…留学を考えている方は早く準備しよう笑

病院見学

・日本との違いを感じたリハビリ

ルンド大学病院(超急性期、オペ後入院2〜3日)、マルメ大学病院(亜急性期、ルンド大学から転院してくる)、人工関節に特化した手術をする病院(こちらも2〜3日で退院)、回復期病院の見学をしました

ルンド大学病院

画像1

小児病棟

画像2

スウェーデンは性格的に自立心が強いことや、家から病院が遠いため病院にあまり行かず、地域の医者や訪問リハビリを利用することが多いそうです

そのため手術後も甘えることなく自力で動き、早く退院する

外来も、マッサージのようなものはせず、評価と指導がメインで患者さんの体にはほとんど触らない、というのが日本とかなり違うなぁと印象的でした

患者さんが理学療法士に甘えることなく自力で治していこう!という気持ちで、主体性を持つことがすごく大事なことだと目覚め、自分の治療や今後の患者さんとの付き合い方の目指すところになりました

・日本との違いを感じたスケジュール

スウェーデンではFika(フィーカ)というお茶の時間を大事にしており、10時と14時頃に、15分ほど皆で休憩室に集まってお茶します。「社交の場だから大事なのよ」だそうです

基本的に残業なし、祝日の前日は「患者さんも来ないわよ」と言って昼に帰ってしまったり、5週間のバケーションがあるので、夏の間は病棟を半分閉めて緊急手術以外は受け入れないなど、徹底したワークライフバランスを見てしまいました

・臨床家も業務内に研究する時間めっちゃある

ルンドは研究もとても活発で、英語論文もバンバン出しています。患者さんは一日数人しかいないし、みんな英語ペラペラだし、残業ゼロだし、研究活動もしやすいだろうなぁと思いました

研究活動

・日本との違いを感じる研究室

ルンド大学病院の整形外科の疫学教室にひと席もらいました。疫学者のM教授、PhD(博士課程)の統計学者のAに指導してもらいました

働き方は超フレックスで、いつ来てもいいしいつ帰ってもいいよって感じで、最初の方はとりあえずひたすら似たような論文検索してまとめてました

M教授もいきなり「子供のお迎え行くから帰る」といなくなったり、「明日から1週間いないからね」と言って、メールを送っても自動返信で”今は休暇中だから、帰ってきたら返事するね”と送られてきたり、こちらもワークライフバランスは徹底されていました

・研究内容

スウェーデンではIDといういわゆるマイナンバー的なものがあり、そのIDにはいつ生まれで、いつ何の病気になって、何の手術をして、というのがコード化されており、そのIDが手に入れば国民の病気やリスクのこと、なんでも統計して結果が出てしまうわけです。ちなみに両親のこと、学歴、などなどとにかく個人情報が紐付けされています

それを利用して英語論文を作成し、日本に帰ってからも何度もやりとりしながらなんとかThe Journal of Rheumatologyに投稿されました

あんなに二人が指導してくれて、自分が書いたことって残ってんのかっていうレベルだったのにLead Author(私の名前が一番前に載る形)にしてくれて、感謝してもしきれない!!日本から深々と土下座しました…

スウェーデンに送り出してくれた日本の教授にはとても褒められました(嬉

・博士の学位をとるパーティーがすごい

博士課程をとるために卒業研究発表会があるのですが、1人の学生のために何時間も時間が設けられていて、オーディエンスも何十人もいました

発表後に教授と1時間以上も英語でdiscussion、その後審議という名のFikaの時間があり、晴れて「学位授与です!」となります

夜はDissertation partyという、まるで結婚式の披露宴ばりのパーティーがありました

画像3

博士の学位をとった、その1人のためのパーティーで、家族、親族、友達が集まり、小さい頃からのスライドショーが流れ、友人のスピーチやプレゼントを渡す時間があったり、博士課程を修了するということの価値が高い…!と、日本の大学院のイメージとはかけ離れていました

画像4

最後は意外とダンスパーティーに!

スウェーデン人はシャイですが、音楽が好きで、ペアダンスが好きっていう一面もあります

画像5

ちなみに

大学院生は留学生も多いので、みんな英語でやりとりしていました。病院も、研究室も、みんな綺麗(顔の話w)で優しくてワークライフバランスが良くて、働き方も含めてスウェーデンええなぁ!と思いました


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?