ゆりの菜櫻

ボーイズラブ小説家。 日常の何でもないことをつらつらと。  O型だけど初見はA型。生存…

ゆりの菜櫻

ボーイズラブ小説家。 日常の何でもないことをつらつらと。  O型だけど初見はA型。生存地はTwitter Twitter https://twitter.com/yurino_nao HP http://dydye.vivian.jp/top.html.htm

最近の記事

お義兄さんは若頭 正月変・・じゃない正月編

お義兄さんは若頭 ~正月編~                   ゆりの菜櫻 「瑞貴、お前は数の子とウィンナー、どちらが好きだ?」  義父と母、そして長兄が新年の挨拶回りに出掛けてしまい、瑞貴が雅弘と二人っきりでおせちを食べていると、雅弘がいきなりそんなことを尋ねてきた。  折りしも、目の前には母お手製の数の子がある。瑞貴は子供の頃から数の子が大好きであった。 「数の子かな。母さん、よく元旦、仕事が休めないときがあったんだけど、おせちだけは、仕事が忙しくても作ってくれていて

    • 修復師は愛される(若きフォーブの恋人より)

      修復師は愛される             ゆりの菜櫻  最初におかしいと思ったのは先週の金曜日だった。  あれ?  凛はいつもの通り、作業場で絵画の確認をしていた。  この夏から、祖父の遺業を継ぎ、ここ、ロンドン郊外にあるマッケンジー侯爵家のマナーハウスで、侯爵所有の絵画の修復作業の仕事に取り掛かっている。  凛と現侯爵のアンドリューの祖父らがちょっとした悪戯をしたために、その尻拭いをしながらの修復作業だ。  そんな凛が異常に気付いたのは、夕方に差し掛かってか

      • 摩天楼にまどろむ獅子 ~摩天楼に眠る獅子より~

        「摩天楼にまどろむ獅子」               ゆりの菜櫻  ハリーファが泊まっているホテルは、ウィンブルドンの祝賀会が行われているホテルと同様、ロンドンでも一、二を争う老舗であった。  クリスは昨夜、ここで騙されるようにして、ハリーファに抱かれ、さらに今朝になっても彼のいいようにされていた。  今は既に夕方で、壁一面がガラス張りのスイートルームの寝室には、明るい日差しが降り注いでいる。  六月のロンドンの夕方は、まだまだ昼も盛りの明るさだ。  そんな中、

        • ゴールデン・デイズ ~絶対零度の挑発より~

          ゴールデン・デイズ  ~絶対零度の挑発より~                      ゆりの菜櫻  久々に戻ってきたサラディナ公国は、9月も半ばに入り、辺りは冬の気配を帯び始めていた。  夏から、短い秋を経て、長い冬に入るサラディナは、ジャケットを着ている加賀谷(かがたに)でも、少し寒いと感じるくらい気温が低い。  冬に入る前の僅かな秋を彩るかのように、サラディナの街頭に並ぶ街路樹は、見事に紅葉しており、黄金に輝いていた。  加賀谷は、空港から乗ったタクシーの車窓か

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          恐ろしの官能小説家 ~「愛しの官能小説家」より~                ゆりの菜櫻

          恐ろしの官能小説家       ~「愛しの官能小説家」より~                ゆりの菜櫻  思わず幸久の手から文庫本が滑り落ちる。  本は音を立てて、絨毯の上に落ちた。表紙には元先輩検事であり、様々な誤解を経て、現在は恋人でもある藤沢弘信のペンネーム、藤沢ヒロの名前がでかでかと記されてある。  落とした本は、藤沢の大ヒットシリーズ、『爆乳(ばくにゅう)、もっと乳(ちち)ください』、通称『ばくちち』の最新刊だ。 「ふ……ふ、ふふふ……藤沢さ……ん……藤

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          天照大神様の生まれた場所に行ってきたら、奇跡的な事件が起こった件

          最近、わたくし、民俗学関連の授業を受けております。そこで中津川から通っていらっしゃる方と親しくしてもらっているのですが! その方が『恵那神社』という神社を紹介してくれました。 そういうことで、はい。このたび、ご縁があって、岐阜県中津川市にある『恵那神社』へ行って参りました! 恵那神社って? 諸説ありますが、ここは天照大神様が生まれたとされる場所で、祀っている神様の主祭神は、イザナギノミコト、イザナミノミコトになります。 あと木曽義仲が戦勝祈願を行ったそうで、太刀銘貞綱が

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          田舎からポテチ愛を叫ぶ

           私は田舎に住んでます。多少、謙遜は入ってますが、まあ、東京とアマゾンの奥地とどちらが近いと言えば、一応東京に近い田舎です。 あ、こちら は、私が軽井沢へ行った時の写真で、こんなおしゃれなところではありません。あくまでも東京かアマゾンの奥地かっていったら、東京寄りってことで。  都会と田舎、どう違うかって、コンビニよりもスーパーのほうが多いこと。東京へ行くと、平安京の藤原氏のように、石を投げればコンビニに当たりますが、田舎ではそうはいかない。コンビニを探す前に、私の場合

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          それはタイムトラベラーになる機械

          ジムへ行く。 ジムへ行くと、ランニングマシーンがずらりと並んでいる。 ジムでも人気のマシーンで、うちのような田舎のジムだと、『待ち』が生じるため、1回25分までという制限が設けられる。マシーンが25分経つと自動的にストップするので、インチキはなし。故に揉め事もなし。むしろ新鮮★テヘツ 25分以上使いたい人は、空いているマシーンに25分ごと乗り換えることになる。 ずっと走っていたい人には、面倒かもしれないが、私みたいにランニングマシーンだけでなく、他のマシーンも使いたい

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