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叩き染め 冬から春

ベルリンはまだ寒い、寒いけど既に春である。
冬と違うのは外に出れば川沿いに黄色い花が咲き、木の枝先にはピンクの花びらが咲いては雨で散っていく。
冬の間はどこを探せど剥き出しの木の枝と水分の少ない葉ばかりだったが、今は新芽の黄緑色が水々しく柔らかく枝を彩っている。

道に散ったピンクの花びらを拾い集めた、600枚数えたところで腰が痛くなってやめた。
600枚でも、小さな花びらは集めたら一握りにしかならない。
これが全部100ユーロ札だったらいいのにな、と思った。
地面に座って花びらを拾い集めている私の横を、子供が立ち止まって眺めていた。
散歩中のカップルも眺めていた。

立ち止まってしばらくして離れていった、なんだか自分自身が花になったような気分になった。

なぜこんなに道の植物に気を配っているのかというと、
季節に寄り添って変化する自然の形に興味を持ちそれらを布に叩き染めしているからである。

真冬の2月、パフォーマンスイベントに出演した際は植物が少ないので花だけでなくセロリやベリー、フルーツも用いて叩き染めをする工程を行った。



撮影 


色んな縁を経て作品として形にする機会を頂いている、
パフォーマンス、染物作品、絵画作品、
さまざまな形で自然と、その振動や震え、見えない心、そういうものを可視化をしていきたい。