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プッシャーの はびこるエリアで かくれんぼ

雪で遊びたい!という思いが届いたのか友達親子と午後から遊ぼうと連絡が来た。

歩いて10分の場所にある駅のアジアン売店で待ち合わせとなったが、アジアン売店がどこかよく分からなかったのでとりあえず早めに家を出た。ケータイのチャージをしていないので外でネットが使えなくwi-fiもない。連絡も取れないが行けばなんとかなると思い、駅周辺で15分くらい迷った。自分はいつもこうやって待ち合わせに遅刻する。

ピンクのピクミンが中華系売店の前に立っていたのを見つけて無事合流した。鮮やかなピンクのウェアと先の尖った帽子を被った友達(4歳)が短い足で歩く姿はどう見てもピクミンで可愛い。

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3人で歩いて5分ほどの公園に向かうと、なだらかな斜面をソリや板で滑る人で賑わっていた。ソリを持っていない我々は代わりに段ボールで挑んでみたものの、やはり接地面が硬く先が反っていないと下降していかないようであった。

人が集まる場所からさらに奥に進み、誰にも踏まれていない雪のエリアにたどり着いた。

小さい方の友達が雪の表面に背中から倒れ、大の字になり手足をスライドさせていて、何やってんの?って聞いたら、アンヘル。と返された。アンヘルって何?と聞いたらスペイン語で天使、ドイツ語でエンゲル、英語でエンジェル、日本語で天使。手足を広げた跡を天使の羽と裾に見立てるらしい。私も天使になる〜と寝転がり跡をつけたら大天使、もはや女神のような跡がついた。子供と大人の体のバランスの違いを感じた。

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しばらく歩きまわると公園の端でVerstecken(かくれんぼ)がしたいと言うことになり、3人で交代してかくれんぼをした。よりにもよってと言うのか、ちょうどそのエリアはプッシャーがあちこちで待機している場所で、そんなエリアで木の陰に隠れていると、通りすがりの人にも物凄く怪しい目で見られ、そのせいですぐに見つかってしまった。

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プッシャー達は開けっぴろげで特に怪しい雰囲気もなく危なくもないが、どう見てもプッシャーはプッシャーである。

散々歩き回り、寒さのせいで手足もかじかんできたタイミングで、公園から出てカフェへ向かった。雪遊びの後の暖かいホットチョコレートを飲み、カナダでの冬はとにかく甘いホットチョコレートを飲んだなぁと懐かしくなった後、近くの公園へ向かった。雪の日の4歳児はまだまだ無敵である。

先ほどまでいた木と雪だけの公園と違い遊具が遊んでくれと鎮座する空間は、雪の積もる非日常も相まってユートピアのように見えた。

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普段ヨガや筋トレ、ジョギングで年齢よりは若い肉体でいる自負があっても、子供と相対するとまざまざと自分が大人である現実を突きつけられる。子供の頃は散々遊べたアスレチックも今では登ることもできず、むしろ子供が落ちて頭を打たないか不安で、常に地面近くでスタンバイをして子供と共に移動する、これも諸行無常である。

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そもそも履いてる靴が雪に対応していない。

日も暮れはじめバイバイをした。帰りにスーパーでチョコレートのブロックを買い、家に帰ってそれを砕いてから牛乳に溶かしもう一度、今度は1人でホットチョコレートを飲んだ。その日は久しぶりに落ちるように眠れた。