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太陽満喫陽を浴びるピーポー

太陽とだいぶ遠距離でシカト決め込まれてて、久しぶりに会った気分。胸キュンすら感じる晴れの日。天気の話は退屈だって言うけど、私は昔から晴れが好きすぎて、湿気の多い雨の日は大嫌いだった事もあり、天気はかなり重要である。

郷に入っては郷に従え精神で薄暗いベルリンの冬を迎えるのも2回目。今年は雪が降る日も多くけっこーワクワクして過ごしている。気まぐれに太陽が雲の隙間からチラッと覗く時もあるけど、日照時間も短く、一日中気温もあまり変動がない。ドイツ=哲学のイメージがあるのも大納得な日々である。

そんな中での青空ピーカンは踊るほど嬉しい。川沿い〜Tiergartenまでの散歩もいつもと違う時間に思える。目をつむり手のひらをかざす人、日の差した道の右側だけに集中して歩く人達、ベンチであらゆる色を纏って目を瞑っているファンキー婆さん、(晴れに喜びながらクローゼットのありとあらゆる色を手にとって意気揚々と外に出たのかなと思うと微笑ましい)。川の鳥たちも心なしか楽しそうにしている。普段、数えるほどしか人とすれ違わない森でも、今日は人が多かった。

芝生に寝転ぶ人も多く、陽の当たる場所でふと急に裸足で歩きたいと思い、靴と靴下を脱いで歩いてみた。ひんやりした芝生の柔らかい感触と土の湿った感じ、枝やドングリがあちこちに落ちていてすごく楽しい。陽のあたってない場所に足を踏み入れると、こんなにも違うかと言うくらい地面は冷たく、脱毛の照射後1分ほど保冷剤を急所に当てられるあの地獄の時間を思い出させた。早足で陽のあたっているゾーンへ歩いたが、普段肉球むき出しで歩いている犬や猫は冷たくないのかと不思議に思った。

12時、陽もかなり低くさっきまで真っ青だった空には雲が集まり始めていた。陽が出ているうちにじっと浴びておこうと思い、座りやすそうな木の根元を探していたところ、集まった落ち葉に埋もれ、大の字で幸せそうに寝ている人を見かけ、一瞬木の妖精かと思ったが、ここまで漕いできたであろうチャリが傍に止めてあるのを見て人間だと分かった。その人の近くでしばらくじっとしていたら、次第に太陽は雲の向こうへ隠れてしまった。太陽が隠れるのは本当に一瞬で、そのあとには曇った世界が残る。ボーナスタイム終了〜と足の裏を払って靴下と靴を履き直し、木の妖精の人はどうしてるか振り返って見てみたら、そこまで高くない枝の上に座り、片膝を立ててリンゴを齧っていた。今でも思うがやっぱり妖精だったのかもしれない。