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「コミュニケーション」ってなんだ?

人を採用する時は、必ず「求人票」を作る。これは思っている以上に作成するのが難しい作業だ。何故なら、多くの場合、「人が足らないすぐ雇いたい。だけど、どんな人が欲しいか」が、実はよく分かっていないからだ。

もちろん、専門性が高ければ高いほど、必要な経験、資格、知識は明白だ。しかし、ソフトスキルと言われる「求めている人物像」は厄介な項目だ。この項目の具体性により、応募数が左右される。それは、人物像の条件は、”応募者側の主観的判断によるもの”が大きい。例えば、「〇〇が好きな人/興味がある人」の、その”好き”や”興味”の度合いは、だいぶ人による。「最近インスタでみて、ちょっと興味あるかも」から、”その道のプロも知らない裏情報を持ったヲタク”も、「好き/興味がある」という条件クリアになってしまう。それに、事前に調べれ応募書類上ではいくらでも表現できる。

個人的に採用の仕事をしていて、「コミュニケーション力がある人」が一番困る条件だ。最近は「コミュ障」という言葉があり、コミュニケーション力をないことを自虐的に言う人もいるが、一般的に「あなたはコミュニケーション力は高いですか?」と聞かれ、「いえ、低いです」という応募者はほぼ皆無だ。どんな仕事でも、人と関わらずに済む仕事はない。たとえ、朝から晩までパソコンや機械に向かい、人とほとんど話さないで済む職業でも、仕事の初めや終わりは、他人との関わることは避けられないし、もし何かしらの問題が起きて、自分一人で対処できない時は、誰を呼ぶしかない。

では、コミュニケーション力がある人が欲しい時、どうしたらいいのか。

「コミュニケーション」を日本語で説明するなら、なんと表現するか

ウィキベテアや広辞苑に掲載されている言葉の定義ではない。もし、「コミュニケーション」という外来語を知らない人がいたら、その人になんと説明するだろうか。それをまず考えてみることを薦めたい。

例えば、ある人は「物怖じしないで、誰とでも積極的に話しかけられること」というだろう。別の人は「困っている人がいたら、すぐに優しく声をかけ、その人の聞いてあげられること」かもしれない。または「色々な考えを持っている人の間に入って、スムーズに物事が決定できるように動いてくれること」もありうる。

こうすると、その仕事に求められる「コミュニケーションスキル」が何かだんだん輪郭を帯びて見てくる。仮に求人票に具体的にその表現を使って書かなくて、面接内で、これまでの経験を語ってもらえば、その人を採用した時、自分と一緒に働いているイメージが持てるか、否かで、自然と合否が導き出されるだろう。

便利な言葉だが、実に曖昧な言葉。これにより、「自分が何を人に期待しているのか」が、見えてくるキーワードでもある。

追記:chyoizmoさんのイラストを使わせていただきました。ありがとうございました。


「人生経験の引き出し」がいっぱいあります。何か悩み解決のヒントになる話が提供できるかもしれません。