退職理由を聞くのは、余計なお世話!?

「ここの会社の退職理由って、どんな風に答えたらいいですか?」。転職を希望している若手の人に、面接アドバイスを求められた時のこと。その方は、30歳前後だったが、転職を4回ほどしていた。日本の市場で言うと、転職回数が多く、一般的には不利だと言われてしまう。近年は、転職回数制限を求人票に書いてある企業を見かけなくなったが、書類審査の時点で、”3回以上転職しているは不合格”、もしくは、”年齢に対して○回以上はNG”と、内々の条件を設定しているところがほとんどだ。

自らも転職回数が多く、採用業務をしている私からすれば、

”転職回数が多い=すぐやめる”というのは、単なる偏見

でしかないと思う。誰だって、内定をもらったら、「この企業で一生懸命働こう、貢献しよう」と志を高く持ち、辞めることなんて考えない。特に年齢が上がっての転職の場合、「御社が人生、最後の企業だと思って働きたい」という口にするが多い。

会社を辞めるのは、”結果論”でしかない。

それは、”結婚して離婚した”、”付き合って別れた”と同様、その事情、理由があり、千差万別。”気に入らないことがあったもう辞める!”と、即思うのではなく、悩んで悩んで悩んだ末、自分の身を守るため、”退職”という結論に至るケースの方が圧倒的に多い。それも、小さな疑問や疑念、不信が、だんだんと雪だるまのように大きくなる。そういうほどは、生真面目の極みだ。最近は、「面接のときに聞いていた働き方/業務内容と、入社してからの齟齬が大きかった」という話をちょいちょい聞く。私も同様の経験がある。企業側の方が、圧倒的に情報が多い企業側が、悪い話、状況を隠して内定を出すことはある。「話/条件が違う!」と、候補者/入社者が怒って当然だが、力の差で、個人が責められてしまう。組織/企業という大きな力に、個人はこんなにも無力なのか、なんとも、なんとも悲しい。。。

そもそも、会社を辞める/辞めないは、その人の人生の決断。それを”面接”という状況で、初めて会った赤の他人に、「ここの会社はどうして辞めたんですか?」と、ネチネチと言われなくてはならないのか。

転職の多い方へ。組織に所属していることにあぐらをかかず、自ら考え、行動、決断した、変化を起こした自分を自分が悪いと思わないでください。悲観しないでください。もっともっと褒めてください。

人を採用をする方へ。あなたの会社に応募したその行動、その人の背景を読み取ってください。見える事実がすべてではなく、まだ見えてない事実を掘り起こすのが面接です。

「人生経験の引き出し」がいっぱいあります。何か悩み解決のヒントになる話が提供できるかもしれません。