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乳がんになった自分のことを、伝えたい

大阪でヨガ講師をしているsaoriさんの口から出た印象的な言葉だった。

「乳がんになった自分を、友人みんなに伝えたかった」...

saoriさんがそう思えたのが、治療がひと段落した、昨年2020年秋、治療のためにお休みしていたヨガレッスンを再開した頃、自然な流れでだったという。

私もやっていることだが、病気になると、snsで別アカウントを作成し、病気の記録用として、同じ病気の人と情報をシェアをしたり、やりとりをする人が多い印象、やはり友人全員に乳がんになったことを話すのは、とても勇気がいることだ。

saoriさんの場合は、今まで使っていたインスタのアカウントに、自分が乳がんになったことを自ら、自らの言葉で発信をした。

実際に、saoriさんの乳がんになった報告がきっかけに、数名の友人たちは、乳がん検診の大切さを知り、病院へ出向いていた。saoriさんの言葉が、友人の気持ちを動かしたのだ。

そんな勇気のいる報告を友人にするsaoriさんなので、とても積極的な人なのかと思いきや、元々は自分の気持ちを前に出すことが苦手だったという。

20代はアパレルの仕事に就き、歳を重ねるごとに、責任のある仕事も任されるようになり、40人ほどをまとめるマネージャ職に、自分はあまりマネージャ職に向いていないと、悩みながら、仕事を続けていた。

自分の気持ちは後回しにして、周りに合わせて仕事をすることは、とてもストレスなことだとわかっていたが、自分のストレスを我慢すればと、仕事に追われる日々が続いた20代だったとsaoriさんは、当時を振り返った。

そんな中、30代に入り転機が訪れた。
様々な偶然が重なり、ストレスを抱えていたアパレルの仕事をやめ、昔から憧れていた海外オーストラリアで時間を過ごすことができた。
異国の地ならではのオープンな雰囲気を感じ、現地の語学学校に通い、趣味のサーフィンを楽しみ、saoriさんは自分らしさを取り戻し、居心地の良い現地での生活は思いっきり楽しむことができた。

そんな中、現在のsaoriさんの源、ヨガに出会うことになる。

ヨガの魅力に惹きつけられ、自分もヨガ講師になりたいと、彼女に心が大きく動いた瞬間だった。ヨガをイチから勉強したいと思ったsaoriさんは、日本に帰国し、ヨガインストラクターの資格を取得、ヨガを教わる立場から、教える立場になったsaoriさん。

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その後、結婚・出産を経て、子育てしながら、ヨガ講師として活躍を続けていた矢先に、乳がんが発覚した。

乳がんの診断結果後、saoriさんの中では「やっぱり」というのが第一声だった。実は、数年前から左胸に良性のしこりがあるということを言われていて、数年前からsaoriさんの左胸には何かがあったのだ。乳がん発覚までの半年ぐらいの間に、そのしこりは急激に大きくなり、結果的に、4つものしこりができていたという、やはりAYA世代の乳がんは本当に怖いと感じる。

その後、抗がん剤治療半年、手術、化学療法治療終了、
現在はホルモン治療を続けながら、ヨガ講師として活躍するsaoriさん。

自身の乳がんを経て、現在は乳がんサバイバーの方へのレッスンも行っている。ヨガレッスン後、乳がんサバイバーのコミュニティも開催している。

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メンバーの中には乳がんになり、昔のように体が動かせない人もいる。メンバーそれぞれの身体へ寄り添うヨガ、そして、心の寄り添いも欠かさない、コミュニティでは、治療のつらかったことを吐き出す場所、女性ならではの悩みや楽しみをシェアできる場所、乳がんになったsaoriさんならではの寄り添うヨガレッスンとなっている。

インスタからのご縁で、今回お話を伺うことができました。インスタ写真では、”クールヨガ女子”という印象でしたが、zoomからは、とても可愛らしいsaoriさんのチャーミングな一面も見せてくれました。


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今回は、自身の乳がん経験を生かし、寄り添うヨガレッスンをしているsaoriさんのお話でした。

saoriさんのお話を聞いていて、とても相手を思う気持ちが強い女性だなと感じました。
自身の乳がんの経験が、誰かのためになるのであればと、包み隠さず友人へ伝えたsaoriさん。その誰かのためにという強い気持ちが、saoriさんの精神にあり、ヨガを通じて、そしてコミュニティを通じて、多くのガンサバイバーを助けてくれることになるのだろうと、saoriさんのお話を聞いて、強く感じました。誰かのためにって、本当に素敵なことですね。ワタシも誰かのためにと思いながら、日々この活動ができたらと思います。

最後まで、読んで頂き、ありがとうございました。

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