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「大丈夫だったよ」

年末の音を聞きに、久しぶりにイヤホンを外して街を歩きました。

大晦日のスーパーマーケット。
黒い雲みたいなモコモコの上着を着込んだ人々は少し浮き足立っていて、赤と白の大特価な垂れ幕がキラキラと天井を泳いでいます。大きな蟹や海老は堂々と積み上がり、みかんの山が今にも崩れ落ちそう。皆んなピザや蕎麦やお酒を抱えてお祭り騒ぎをすり抜けていきます。

「もう買うものは決まってるから。早くお家へ帰ろう!」

どこかのお父さんが叫ぶように子供にそう言い聞かせているのを聴いて、なんて幸せな言葉なのかしらと勝手に心があったまった、そんな騒がしいスーパーマーケットでした。

***

ところで、私は今年とてもいい年でした。

年の初め、「どこか遠くの騒がしさを見つめながら凪いだ一年にしたい」と小さな目標を決めていたのですが。

あのときは仕事が本格的にがらりと変わり、ついでに大切だった人とお別れをしたばかりで、それは随分と可哀想な始まりでした。

ところがすっとこどっこい。
怒涛のお仕事は凪いでる余裕もなく。怒ったり笑ったりのおもちゃ箱をひっくり返す日々。

また、ずっと忘れていた自分の好きだったものや音楽をぽろぽろ思い出してみたり、新しい趣味をわっせわっせと追いかけてみたり。
「凪いだ」とは正反対の騒がしい一年でした。

今年のはじめに立つ私に声をかけてあげたいです。

「大丈夫だったよ」

本当は不安だし解決したかったこともあるけれど。とにかく、私は元気で大丈夫だった!

それは成り行きで大丈夫を迎えたわけじゃなくて、何回もミスって掻き集めて大丈夫に成長していったということだから。

だから頑張ったねと、褒めたたえて!
今日はあったかいお蕎麦を沢山食べましょうね。

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