【短編】だれかの指先で決まる人生

はぁ…

また、ため息をついてしまった。
もう何度目だろう。
朝からもやもやと晴れない気分が、口からこぼれ落ちてしまう。

うまく騙されたもんだな。

私が、だ。
うっかり甘いことばを信じて、またしても、こうして痛い目にあっている。

ちょっとした痛い目ではない。
甘いことばに騙されて、人生を棒に振ってしまったのだ。

バカバカしいな。

他人の指先で私の人生は、あっさり、うっかり転がされて、決められてしまったのだ。

はぁ…

ため息がもうひとつ。


これはフィクションで、実際のできごとではありません。

ありがとうございます! 短編集の制作に使わせていただきます!