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コンテンツ制作は、モノではなく「体験」の提供

こんにちは。Yuriです。
企業から業務委託を受けて、主にコンテンツ制作の業務をしています。

今日はコンテンツ制作者として重要な、顧客視点のお話です。

本であっても、映画やゲーム、Web上の記事や動画などであっても、コンテンツはお客さんが見るものです。

モノを提供しているように見えて、本質的には「体験」を提供しています。

今日は、体験が素晴らしいと思ったとある絵本についてご紹介します。

『からすのパンやさん』

我が家には5歳の息子(次男)がいますが、彼は絵本が大好きなんですよね。中でも最近のお気に入りは、かこさとしさんの名著『からすのパンやさん』です。

ロングヒットの名著なので、目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。


『からすのパンやさん』表紙

かこさとしさんがどのような意図をもってこの絵本の制作をされたのかは詳しく知らないのですが、私はこの絵本はただただ読み聞かせるだけではなく、「親子で対話しながら読む」「親子で会話する」というすごく尊い体験を提供してくれています。

例えばこのページ。

「どの子がオモチちゃんなの?」「この白がオモチちゃん?」など、からすの赤ちゃんの名前が、どの絵の赤ちゃんを指すのか、という対話が生まれやすい構造になっています。

最初は質問していた次男ですが、最近は「この白いのがオモチちゃんで、黄色がレモンちゃんで、、、」と自ら説明しています。

あるいは、こちらのページ。

パン好きにはたまらないかわいらしいページなんですが、これはもうどう考えても「指さしながら話す」ような体験を想定していますよね。

息子は

「ぼくはキリンパンと、りんごパンと、それからピアノパンにする!」
「お母さんはどのパンにする?」

など、とうれしそうです。
こどもが幼児時代しか味わえないであろう、素晴らしい体験を提供してくれているわけです。こどもにとってもそうですが、親にとっても尊い時間。

もちろん、かこさとしさんがどこまで厳密にこうした体験を想定していたかはわかりませんし、お子さんによってはまったく反応ない、あるいは異なる反応をすることだってあると思います。(長男は黙って聞いているタイプでしたので、あまりしゃべらなかったなw)

それでも、絵本ってただモノやお話を提供しているのではなく、「読み聞かせて、対話して」という「体験」を提供しているのです。

では、自分の作るコンテンツが提供している価値とは?

コンテンツ制作をするときには、作り始める前に「目的」「使い方」を想像、想定して言語化するようにしています。

しかし!制作がはじまり、締め切りに追われると、こうした視点をやや忘れがちです。視野狭窄になってしまうというか、作り手視点に集中しすぎて受け取り側の気持ちが抜けがちというか、、、

文章であれ、動画であれ、教材コンテンツであれ、使い方を想像して、そこにはお客さんのどんな体験があるのかを想像して作る。

『からすのパンやさん』を息子と読みながら、モノではなく体験を提供する価値について改めて考えたので、記事にさせていただきました。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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