砂の城～夫婦の絆
私達夫婦は立派な砂の城を築いた
その時はすごく立派にみえた
あんまり立派なお城だったから修繕なんて
必要無いと思っていた
でもそれはいくら立派でも
所詮は砂で出来ていた
本当は毎日 毎日少しずつ砂を足して
修繕しなければならなかった
最初はきっと小さな小さな亀裂だった
それは日に日に大きくなって
もう目にみえる程になっていたのに
私達は気づかなかった
私達は海があまりにも美しかったから
毎日 毎日 海ばかりを眺めていた
気がついた時…
その城はただの砂地に戻っていた
それはあっという間に崩れ去り
いつ無くなったのか すら分からなかった
そして
何も無くなった
ただの砂地に立ち尽くす二人
優しい夕陽が二人を照らすけれども
修復どころか、そこには何も無くなっていた
もう涙どころか言葉すら出なかった…
やっと出た言葉は
「もう帰ろうか…」だった
そうして、二人は無言で去っていった
《おしまい》
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仏教/お釈迦様より～
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