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声というメロディーがなくても。 ー 「エール!」


こんにちは。

先週みなとみらいで開催していたフランス映画祭、みなさんは参加されましたか? わたしは、オープニング作品の「セラヴィ!」と最終日の「CUSTODY」を鑑賞しました。

そちらの感想はまた後日書こうと思っているのですが、今日は私がフランス映画にハマったきっかけになった作品を紹介しようと思います。


フランスのとある家族を描いた、あたたかい物語「エール!( La famille Bélier )」

この家族は、仲良しで、よくいる普通の家族にみえるのですが、実はみんな耳が聞こえず、喋ることができません。

主人公ポーラは、唯一耳が聞こえて、声を発することができる存在。彼女は家族にとって、希望そのものなのです。

正直言ってしまうと、この映画、ラストシーンしか覚えていません。

それだけ、ラストが感動的な作品だったということです。ポーラは「コーラス」の授業で歌の才能を見出され、最後はコンクールに出場するのですが、そのシーンが、本当に鳥肌ものなのです。

耳の聞こえない家族に、自分の歌で想いを伝える。普通に考えたら、そんなことは不可能だと思います。しかし、彼女の声が家族全員に聞こえるのです。彼女は手話を使いながら、家族と分かり合えなかったこと、伝えたい言葉を届けるために歌います。


わたしたちは普段、「声」という手段を使って、人と対話しています。

もし、その声がなくなったら?

コミュニケーションは全く取れないでしょうか。


これは、異文化コミュニケーションとも似たところがあるかもしれませんが、表情とジェスチャーだけで通じ合うことだって不可能ではありません。強い想いを持って伝えれば、どんな障壁があったとしても伝わるということを、外国で生活していた時に感じました。

この物語は、声自体が聞こえなくても「心の声」は伝わるんだということを思い出させてくれました。

「言葉」という便利な道具があっても、日常でコミュニケーションが取れないこともよくあります。言葉が邪魔になってしまう時も、時にはあるのかもしれません。

声というメロディーがなくても、「心の声」は絶対に届く。

声を持たない人たちを描いたこの作品が、大切なことに気づかせてくれました。

映画好きのみなさんには、絶対に観てもらいたい作品です。


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