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私の選ぶ10冊 SF編

いつの間にか前回記事から半月以上の日にちが経っていたことに、少し驚きました。
緊急事態宣言明けてからも、もう一月近く経つのですね。
私は日々バタバタと過ごしております。
が、書きますと言ってあまり時間が空くのも何なので、今回はSF編に行ってみたいと思います。
予想通り、ファンタジーと一緒にすると多過ぎてしまったので、SFのみです。

SFに手を出した最初の作品は、アイザック・アシモフ鋼鉄都市』だったか・・・。
無機質な白いカバーを覚えています。
SFを一番読んでいたのが中学生の頃なのですが、好きな作品はもう少し大人になってから読んだものが多いですね。

では、スタート!

フィリップ・K・ディックヴァリス
アンナ・カヴァン
ヴェリエ・ド・リラダン未来のイヴ
コリン・ウィルソン賢者の石
ヤン・ヴァイス迷宮1000
ロバート・A・ハインライン夏への扉
ジョージ・オーウェル1984
エリザベス・ハンド冬長のまつり
ブライアン・アダムス銀河ヒッチハイク・ガイド
ブライアン・オールディス地球の長い午後

ヴァリス』『聖なる侵入』の二冊は、私の神学的興味を呼び覚ました重要な書物です。
これに『ティモシー・アーチャーの転生』を加えた『ヴァリス三部作』が、ディック神学とも呼ばれる体系を作り出す、ディックの作品中でも毀誉褒貶の甚だしい作品郡です。
ところが私は、三部作のうちの『ティモシー・アーチャーの転生』を長いこと読めずにいて、ごく最近やっと読んだのですが、前二作を読んだ時のような興奮を覚えず仕舞いでした。
作品の質の為か、私の感性が変化した為か、或いはその両方が原因かも知れません。
サンリオSF文庫の、藤野一友の表紙も素晴らしいです。

』。
これはSFという概念を超えた作品かもしれません。
カフカ的な幻想小説と言って良い気もします。
アルビノの少女は、カヴァンの『愛の渇き』に登場するガーダと共に、ある種の少女性のイコンとして私を捕らえ続け、そのイメージを映した真っ白な人形を、何度か私は作っています。
こちらもサンリオSF文庫で持っています。

ピュグマリオニスト必携の書である、『未来のイヴ』。
押井守監督の『イノセンス』でその存在を知った方も多いかもしれませんね。
ハダリーとアリシアの対比は、何となくローデンバック死都ブリュージュ』の亡き妻とジャーヌを思い起こさせます。
私が持っているのは岩波文庫版。渡辺一夫による訳が格調高い。

賢者の石』はコリン・ウィルソンによる、何とクトゥルフ神話ものの小説。
もちろんオカルト小説でもありますので、『ヴァリス』同様、私が読んではまったことは、言うまでもありません。
この小説の設定を元にした舞台作品を執筆したことも。

迷宮1000』。記憶を亡くした探偵が1000階建ての建物の一角で目覚めるという、デスゲームものの走りのような小説。
迷宮好きの私には、胸が躍る内容でした。
しかしあのラストはうーん・・・。

言わずと知れた古典名作SF『夏への扉』。
アーサー・C・クラーク幼年期の終わり』と共に、内容をほとんど覚えていないのですが、とにかく猫が可愛かった、というか、ハヤカワ文庫のこの小説の表紙に描かれた猫が、実家で飼っていた猫に瓜二つなのです。
読了感爽やかな物語だったように記憶しています。
いつかの夏にまた読んでみたい。

次はディストピア小説の名作『1984』。
これは、とても印象深い小説だったので、何度か読み直しています。
1984』の世界には、いつ現実世界が移行してもおかしくないのではないかというリアル感があります。
ディストピア小説といえば、これまた印象的だったのが、スタンリー・キューブリック時計仕掛けのオレンジ』。
高校の教室で読んでいて、表紙を見た男子に「すげえ本読んでるな」と言われたという思い出があります。
主人公たちの使うスラングは面白かったけど、内容が酷すぎて決して好きにはなれませんでした。

冬長のまつり』は、ある漫画家さんが好きな小説として挙げていたのが読むきっかけとなりました。
解説にある「テクノ・ゴシック」という造語がぴったりで、古くからある題材を、未来的に料理しなおしたといった趣の作品。
作者エリザベス・ハンドの知名度がどの程度のものなのか分かりませんが、ジェンダーレスのこの時代においては再評価されてもよいのではないかと思います。

銀河ヒッチハイク・ガイド』は、スラップスティックSFの名(迷)作です。
壮大なテーマをめちゃくちゃに展開していて大好き。
宇宙の果てのレストラン』『宇宙クリケット大戦争』との三部作になっています。無茶なことに、映画化もされていたりします。
ちなみにここに挙げた本たちは、ほぼ全て手元にあるのですが、新潮文庫から出ていたこの三部作のみ、時々遊びに行っていた渋谷の雑貨屋のスタッフさんに貸したままになってしまいました。
そのお店はずっと前に無くなってしまいました。ああ、無念。

J・G・バラードレイ・ブラッドベリも当然、10冊に入れたかったのですが、長編で何を読んだっけ、と言うことが思い出せないのですよね。
そこで最後の一冊は、オールディスの『地球の長い午後』を選んでみました。
ツッコミどころは多々ありますが、変わった植物たちが蔓延るユートピア、というのもなかなか魅力的な気がします。
地球人みんなにアミガサタケが寄生すればいいのにな。

次はファンタジー編の予定ですが、幻想文学との違いは何だろう。
というか幻想文学まで入れたら10編じゃ収まらないのではないかしら。
もしかしたら、ジャンル分けが変わるかもしれません。

それでは、また!

画像は夢の島熱帯植物園

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