見出し画像

両丹日日新聞連載12(2022年10月)

安全で安心できる美味しい野菜と加工品を

植田農園 植田 智美 (福知山市)
私は、福知山市十二で無農薬野菜と手作りみそや甘酒などの加工品を作っています。
植田農園は昔から専業農家で、主に水稲、稲の育苗販売、水稲受託作業が中心です。野菜は家庭菜園程度でしたが、地域の直売所で販売もしていたそうです。
私の実家は兼業農家でしたが私はあまり農業を知らずに結婚しました。
結婚してから少しずつ仕事に関わるようになり、稲の育苗も年数がたつごとに苗が子供のように愛おしくなり、今では寒くはないか、暑くはないか、水は足りているかと聞きながら作業をしています。
秋は稲刈り、籾摺、調整、出荷できるまで気が抜けませんが、おいしいお米が出来たとお客様からも喜ばれると嬉しい気持ちになります。
女性農業士さんにおいしいみその作り方を教えていただきました。始めのうちは家で食べる分だけのつもりが、糀のにおいや、米の花といわれるように小さな花がおいしいみそに仕上げてくれる様子はとても魅力的で、販売するまでになりました。糀は生きものでゆっくり発酵していきます。一年、三年、五年、と寝かせていても腐ったりはしません。たとえみそが真っ黒になっていても発酵が進んでいるだけで、味はより熟成された味となります。我が家では何年も寝かせたりはしませんが、一度失敗をして塩を入れすぎたことがあります。それを捨てるのはもったいないと思い、三年寝かせて開けてみました。黒くねっとりとして味も塩辛くなく、甘みとコク、旨味が出て、おいしくなっていたのには驚きました。稲と大豆は低農薬で栽培していますが、みそには添加物もなし、自家栽培の米と大豆、そしてミネラルたっぷりの赤穂の塩で作っています。工場のように大量生産はできませんが、一つひとつ丁寧に作ることができます。糀を作り、豆を炊き、塩を混ぜてできたみそをカメに入れて寝かせています。甘酒も糀から作り、米と混ぜてゆっくり発酵させると、とても甘い甘酒になります。我が家では飲むだけでなく、砂糖の代わりに煮物や菓子などにも使っています。
子供や孫に安全で安心できる野菜を食べさせてあげたいと思い、野菜も無農薬で作るようになりました。初めのうちは虫に、雑草に悩まされ、せっかくできたたくさんの野菜の売り先が見つからず捨てることになったこともありました。私は作ることが楽しく好きなのですが、販売・営業はとても苦手です。そんな時に小林ふぁ~むさんに出会い、フランチャイズのトマト作りを始めました。真っ赤に実ったトマトは少し甘酸っぱくて、暑い夏にぴったりの野菜です。おいしいジュースになって全国のお客様に飲んでもらえていると思うと、とてもうれしく、やりがいを感じます。
ジュース用のトマトと一緒に我が家用のトマトも作っています。大玉、中玉、ミニトマト、いろいろなトマトを作るのはとても楽しいです。トマトも、もちろん無農薬です。
稲の苗を育てるのと同じで、トマトや野菜も元気か、虫は大丈夫か、病気は出ていないかと毎日気持ちを込めると野菜たちはちゃんと答えてくれます。逆にうっかり忘れたり、大丈夫だろうと思っているとひどい目にあったりもします。
これからも家族のため、孫のために安心して食べてもらえる米や野菜。加工品を作っていきたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?