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会社員・フリーランス・経営者の違いは「何を売るか」_株式会社monamie 創業記

多様な働き方や生き方が選べる今、会社員、フリーランス、そして経営者と、様々な生き方の選択肢が身近なものになってきたと感じています。かく言う私も、何も疑うことのないまま就職活動をして大学卒業後には会社員として働き始め、当たり前のように最初の会社で10年以上勤め上げた後、このnoteでも綴っている通り結婚してパリ生活を始めるにあたり退社し、帰国後はフリーランスとして5年程活動、そして最近、マーケティングやブランディングの伴走支援を行う会社を創業し、経営者としての生き方を始めました。このnoteでは、会社員・フリーランス・経営者という3つの生き方を経て感じた違いについて綴りたいと思います。

会社員の売物は「時間」

私が大手コンビニエンスストアチェーンを運営する会社に就職し、会社員として働き始めた2005年当時、ワークライフバランスという言葉は存在せず、今より幾分緩やかに働いていたように記憶しています。新入社員、そして店長時代は「勉強」という名目でサービス残業をすることも(ほぼ毎日)あり、冗談で同期と「今月の時給250円だわww」と話したものです。
その後、スーパーバイザーとしてフランチャイズ加盟店8〜10店舗を担当することになると、さらに時間の感覚が緩やかになります。毎朝8時に更新される営業数値を確認し担当店舗に連絡した後、会議や資料の準備をして店舗巡回開始。夜勤のFCオーナーさんとのアポイントメントは22時から始まることもあり、終業がてっぺんを超え(死語…)、翌朝また8時勤務開始。そんな生活を送っていました。
本社勤務になってからは幾分時間の感覚は戻ってきたものの、マーケティング部署は撮影やイベント対応が休日や夜間に及ぶことも多く、新木場のスタジオで午後から始まった撮影が終わったら朝日が見えていた…なんてこともありました。

尚、現在では働き方改革も進み、しっかりと時間管理された中で皆さん働かれていると伺っています。令和の現代においては不適切な表現もありますが、昔語りとしてご容赦ください。

令和の時代になり、ワークライフバランスが重要視され労務管理が厳格化したとしても、会社員として働く上で最も重要な提供価値は「時間」ではないでしょうか。長時間働くという意味だけでなく、何かトラブルが起こった時、他の方が急遽お休みになった時、絶対に必要な「時間」を提供できるのは会社員だけです。

また、フリーランスは予め契約で人月単価や時間単価が決まっているのに対し、会社員が昇格・昇給するということは、時間を売っている会社員として時間単価(給与÷時間)が上がっていく事だということもできます。ネガティブな意味ではなく、会社員という人的リソースの最大の売物は「時間」だと言えます。

フリーランスの売物は「技能」

ITエンジニアやデザイナーだけでなく、人事、PR、マーケティング、営業に至るまで、あらゆるフリーランスは専門職です。何かしらの専門性を持った即戦力人材として、その「技能」を売ることになります。

パリから帰国しフリーランスとしての生きていくか悩んでいる時、あるセミナーに参加しました。フリーランスの営業代行として活躍されている方のお話を伺う会だったのですが、会社員として「時間を売る」経験しかしたことのなかった私は、営業のフリーランスというイメージが沸かず「営業代行で食べていけるの?」というのが率直な気持ちでした。しかし、実際にお話をお伺いし、営業は一つの技能であり、極めれば汎用性を高めどの企業でも活用でき、即戦力として売っていける「技能」であると思い知りました。このセミナーも後押しとなり、マーケティングの専門職として独立し、フリーランスとして活動していくことに決めたのでした。

2回の出産も挟みながら、5年間フリーランスとして、様々な会社さんのご支援をさせていただきました。ライドシェアのSaaS企業、経営者支援のコンサルティング企業、ブランディング支援企業、学術支援を行う企業、オンラインバンキングの企業、そして社会事業を行う企業。全く異なる業種・業態の企業でも業務支援できたのは、私が自分自身の持つマーケティングの技能をアップデートしながら、徐々に汎用性を高めていったからだと、今振り返ると思います。どの業種・業態の企業でも、汎用性の高いスキルを持つ即戦力人材、それがフリーランスであり、売物はその「技能」であるという事ができます。

経営者の売物は「夢」

私が起業を志したきっかけは、2023年から携わっている神戸市の女性起業家支援事業を通じて、多くの女性起業家・女性経営者に出会ったことでした。創業して間もない、もしくはこれから創業を目指す女性起業家にお会いする中で、彼女達の共通点に気がつきました。起業前の職業や個人のスキル、起業の背景、家族の状況や状況や問題意識などは人それぞれです。ただ、唯一共通しているのは、ご自身とその事業が目指す「夢」や、成し遂げたときの未来を熱く、キラキラと語ってくださる事でした。

もちろん更に事業が成長して資金調達段階なれば、緻密な事業計画と実行能力を投資家から問われます。それでも、どれだけ大きな「夢」を語る事ができるかで資金調達の額も大きく変わるということは、成功した起業家を見れば一目瞭然です。

事業を進めていく上で必要な技術も時間も、事後的に仲間や社員から集める事ができます。でも、「夢」を描き、語ることだけは、経営者にしかできません。逆に夢を語れなければ、仲間も資金も集める事はできないでしょう。そういう意味で、経営者の売物はまさに「夢」であると言えます。

そして私も、これまで自分が培ってきたマーケティングやブランディングという土壌を使って、経営者の皆様の夢の実現をご支援したい。たくさんの素敵な夢を持つ経営者に、素敵な事業を成功していただく事で、世の中をもっと良くしたい。そんな私なりの「夢」を抱いて起業することにしました。



株式会社monamieは、創業期から成長期の経営者の皆様のマーケティング、ブランディング課題に伴走支援いたします。マーケティングを担ってくれる仲間がいない…という経営者の皆様、ぜひお気軽にお問合せください。

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