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ヨーロッパ文化遺産の日は無料で“大人の社会見学”① (パリ節約自炊生活番外編)

9月第3週の土日は“ヨーロッパ文化遺産の日”で、ヨーロッパ中の様々な文化遺産や美術館が無料になったり、イベントが開催されます。「普段は入れない」と「無料」の2文字に惹かれて、日曜に合計7つの行政機関を弾丸で巡ってきました。普段はお堅い、融通の効かないイメージの行政機関ですが、入ってみると大歓迎。内部は豪華絢爛で演出はとってもお茶目。フランスの素敵な一面を見ることができ、第充実な大人の社会見学になりました。

◆ヨーロッパ文化遺産の日とは?

“ヨーロッパ文化遺産の日”は1984年にフランスから始まりヨーロッパ全体に拡大して行った催しのため、受け入れる施設スタッフはどこも気合がみなぎっています。正直、フランスに来てから初めてこんなに満面の笑顔のフランス人を見た…というくらい超絶歓迎ムードです。

しかも、元老院や国民議会の議場や、各省庁の大臣部屋まで大公開です。普段見られない施設内を見学できるだけでなく、パネル展示あり、職人さんのパフォーマンスあり、お絵かきコーナーあり、出店ありと、雰囲気は完全に文化祭!無料が申し訳ない程に見所満載でした。

そして驚くのがその建物の美しさ…私が巡ったのは議会と省庁ばかりでしたが、全て完全に“お城”です。舞踏会用の広間が会議室だったり、貴婦人の寝室が執務室でパソコンが置いてあったり…もう想像を絶する労働環境です。写真満載で紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください♪

◆パリ市庁舎(Hôtel de Ville)

パリの市行政機関が集まる、いわゆる「市役所」ですが、内外装共に豪華絢爛、外にはロダンの彫刻が普通に設置されています。パリコミューンで消失し19世紀後半に建て直されたのでパリでは比較的新しい建物ですが、そう感じないほど美しい部屋の連続でした。

入っていきなりこの広間。ブースが出ていて、シャンデリアのライトの展示や、鉄の装飾具の展示や、大理石のブロックをハンマーで叩いてみようブース等、楽しく職人さんの技が学べるコーナーになっています。

中世の救護の様子を再現した劇。横の展示スペースには、麻酔の無い時代の手術にでも使ったのか拘束具のようなものが…

大広間!絢爛豪華。もう一度言いますね、市役所です…

図書館。ポッター感満載でフクロウが飛んできそうですね…

パリ市議会の議場。議員さんの写真入り席次表が張ってあり、とても親しみやすく感じました。

パリ市長の執務室も全公開。子どもと写った写真やパンダの置物など、日頃のデスクの様子がそのままに見学できて、とてもほっこりします。

◆フランス銀行(Banque de France)

続いてはフランス銀行。フランスの中央銀行であり、日本で言うと「日銀」です。中央銀行という高尚なイメージと堅牢な外観から、中もお堅い雰囲気を想像しながら入りましたが、一点とても明るい、とてもオープンな印象でした。

入ってすぐのエントランス。求人…こんなところでフランスの中央銀行のリクルーティングしてますね。求む国家公務員♪

子どもお絵かきコーナーでは「自分のお札を描いてみよう!」をやっています。思い思いのユーロ紙幣が出来上がって楽しそうです。

ナポレオン時代の紙幣のレプリカや、デザイン原画も展示されています。

紙幣印刷機。これはレプリカですが、奥には鍵のかかった実際の印刷場がありました。

見学コース中盤の中庭。何箇所か顔出しパネルが置かれていています。観光地みたいで楽しいですね。

「さぁ、あの重厚な金庫にこの魔法の鍵を刺すんだ、勇者よっ!」的な、完全にディズニーランドのソレの用なイベントまでやっています。楽しい中央銀行。

仏銀総裁(日本で言うと黒田さん)のお部屋。さすが総裁、机の上は片付いています。

総裁部屋から続く広間。絢爛豪華!もう一度言いますね、ここはフランスの中央銀行です…

◆司法省(Ministère de la Justice)

続きまして司法省、日本で言うと法務省です。高級ブランドが集まることで有名なヴァンドーム広場に面しており、右側の建物はココシャネルも逗留していたことで有名な5つ星ホテル「オテル・リッツ・パリ」です。

司法省はパネルの展示がメインで、歴史や現在の取り組みについて知ることができます。

もう一度言いますね、ここは司法省です…隣は5つ星ホテル「オテル・リッツ・パリ」です。リッツより良い席なのでは…というか司法省で会食ってどんな状況?

司法省長官の執務室兼応接室。このロココ様式の美しい室内装飾に突如現れるPCとプリンターが不思議な感じです。デスク左側には、フランス共和国のマーク入り便箋と封筒が。さすが長官デスク。

◆会計院(Cour des comptes)

続いてはフランス会計院、日本で言うと会計監査院ですが、財務裁判所の機能も兼ねているフランス行政機関の中でも権威ある機関で、3代前のシラク大統領も会計院出身だそうです。

会計院長官室。書類山積み、ペン立てに大量のペン、ペットボトル2本…忙しいお仕事なのでしょうね…

財務裁判の法廷。手前の(可愛らしい)服は、由緒ある厳格な会計監査院の制服のようです。長官室でもマイ制服が衣紋掛けに掛けてありました。

とても知的な雰囲気漂う図書館。貴重で重厚な本が保管されています。

由緒ある厳格な会計院では、本もグッツも販売中です。

由緒なる厳格な会計院では、SNSのお友達絶賛募集中です。「イイね」してね!(このコラされてる人、21世紀になってiPhone持たされるとは夢にも思ってなかったでしょうね…)

ここで午前終了。まざまざと歴史的文化資産の蓄積の違いを感じさせられますね。第二弾では、午後に巡った元老院(上院)、国防省、国民議会(下院)を巡りますので、第二弾もお楽しみに♪



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