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職務経歴書に書ける仕事をしていますか?_トーキョー奮闘自営生活

前回の「時間単価」の話に続き、会社員の時はあまり意識していなかったけどフリーランスになってから意識するようになった仕事の考え方についてご紹介したいと思います。

フローな仕事、ストックな仕事

それは仕事を「フローな仕事」と「ストックな仕事」に分けて考えることです。念のためにざっくり説明すると、フローは一定期間に流れた量、ストックは一定期間に貯蓄された量のことを表す経済学の用語です。ストックが増えた分=フローとなります。

この考え方はとても便利で、これを仕事に応用すると、ストックな仕事は「目に見える仕事」、フローな仕事はストックな仕事に繋がる「目に見えない仕事」と言い換える事ができると思います。例えると、ストックな仕事は、営業であれば契約成立、マーケティングであればCMやキャンペーン、IT部門ならローンチしたシステム、経営戦略・財務・IRなら統合報告書などが挙げられます。一方フローな仕事は、会議調整や会議出席、社内資料作成、OJTや部下のフォローなどが挙げられます。

「目に見えない」フローな仕事がなければ、「目に見える」ストックな仕事は為し得ません。日々の調整や会議や資料や部下のフォローがあって初めて「目に見える」ストックな仕事を成し遂げることができるのは、誰もが経験を通じて分かっていることだと思います。この二つはどちらが優れているというものではなく、繋がっていてどちらも重要な仕事です。

ストックな仕事に繋がるフローな仕事

では何が違うのでしょうか。この2つの仕事の違いを一言で言うと「職務経歴書に書けるかどうか」だと思います。「目に見える」ストックな仕事しか職務経歴書に書くことはできませんが、「目に見えない」フローな仕事の積み重ねで初めてストックな仕事が成し遂げられるのです。

ですが、フローな仕事とストックな仕事、この二つの違いを意識して日々働いている人は少ないのではないでしょうか。それは、会社員として働いていると、ストックな仕事とフローな仕事がとてもシームレスで分かち難いものだからだと思います。会社の人事評価では、定量評価だけでなく定性評価で過程(フローな仕事)も評価されたり、360度評価で人間関係(フローな仕事)も評価される傾向があり、どの仕事がストックなのかフローなのか、意識しなくても結果として昇給・昇格する傾向があるからだと思います。そして、フローな仕事は関係が密接でなければ評価が難しい仕事であるとも言えます。

フリーランスで評価されるのはストックな仕事

フリーランスは複数の案件やプロジェクトを短期間で繰り返していくため常に自己紹介をする必要があり、その際に重要なのが「職務経歴書」です。面接をした経験がある方はわかると思いますが、30分〜1時間の面接で得られる情報は限られているため、採用する段階では職務経歴書に書かれている候補者が築き上げてきた結果(ストックな仕事)が重要な役割を果たします。

実は外資系企業も似たようなところがあり、「CV(職務経歴書)を良くする」「これまで経験していない業務を行うことでCVを強化する」という会話が良く出てきます。転職回数が多く、転職でキャリアアップを目指す外資系企業だからこそ、フリーランスと同様にストックな仕事を重要視しているのだと思います。

階段を登るフローな仕事、ジャンプするストックな仕事

「目に見えない」フローな仕事は階段を登るための仕事、「目に見える」ストックな仕事はジャンプするための仕事、であるとも言えると思います。一つの会社で長期間キャリアを積み重ねていく場合には、階段を登るように仕事を積み重ねる方が(ハレーションを起こさずに)出世していけるでしょう。しかし、会社員でもフリーランスでも、キャリアをジャンプしたければストックな仕事が重要になってきます。

私自身フリーランスになった当初は、職務経歴書がうまく書けずに何回も書き直しました。それは、会社員自体の仕事をフローとストックに分けて考えていなかったため、何を職務経歴書に書くべきなのか、何が目に見える(対外的に評価される)仕事なのか、自分の中で分離できていなかったからだと、今では思います。会社員でもフリーランスでも、自分が今している仕事はフローな仕事か、ストックに繋がる仕事なのかを意識する事が、これからの働き方では重要だと思います。

最後に、このnoteは完全に趣味で書いていますが、noteもストックな仕事に近いと思いますし、実際仕事として活用している方もいらっしゃいます。noteはとても書きやすいですし、こういうところからストックな仕事を初めて見るもの良いかなと思います。





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