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甲子園の応援って不公平過ぎない?問題

ゆなです。

2023年8月23日。107年ぶりに慶應高校が甲子園で優勝しました。

おめでたいですね!私も一応慶應に縁あるうちの1人なので純粋にめでたいなぁと思います。

特にすごかったのは応援ですね。
選手の活躍よりも正直そっちの方が気になるレベルでした。

そんなわけでといいますか、X (Twitter) のトレンドはぶっちゃけ炎上気味でした。


トレンド6位 "応援のせい"。中身を見なくても燃えてるって分かるのがスゴイ

正直なところ甲子園の応援についてはここ数年細々と問題提起がなされてきたところではありますが、慶應義塾の大応援団のおかげで問題が表面化した感じがあります。

今日はそんな甲子園の応援問題について書いていきたいと思います。

はじめに注意ですが、"応援によって勝敗は変わりえる" というスタンスの記事です。
ご了承頂けない方は回れ右して頂いて、問題ない方だけお読み頂けますと幸いです。


応援まで含めて高校野球?

いきなり結論なんですが、高校野球って"応援まで含めて高校野球"なんでしょうか?

それはちょっと違くない??と思うのです。

応援を否定するわけではなく、"応援の力までフル活用して勝利を掴み取るのは違くないか???"という意味で。

そもそも出場校の距離によって応援にかかるお金が違い過ぎる

突然ですがあなたの高校は甲子園に出場したことがありますか?

ここで質問です。

アルプススタンドの応援席、あれって自腹 (学校負担アリ) と高野連負担、どっちだと思いますか?

応援に行く費用は"生徒の親御さんの自腹 (学校負担あり)"

みなさん正解できましたか?

答えはもちろん"生徒の親御さんの自腹 (学校負担あり)"です。

高野連がお金を出していなくてホッとした?方もいるかもしれませんね。あの応援団は、生徒の親御さんと、OB・OGの寄付によって成り立っています。

そう!北海道でも沖縄でも!鹿児島でも青森でも。
奈良でも兵庫でも大阪でも!

みーんな同じ条件、"自腹"で来ているのです。
※県によって微妙に違う可能性がありますが、大体どこも同じだと思います。

…んんんんん、え????????
待て待て待て。それって本当に同じ条件ですか???????

甲子園から距離がある学校が大応援団を維持するのは簡単なことではない

計算してみました。

例えば今回の決勝で敗れた仙台育英高校の場合、一度の往復のバス運賃が正規料金で一名あたり¥15,378〜22,132 ほどかかっていると思われます。
※寄付による補填でもう少し下がっていると思いたい、、

これは大型バスをチャーターして一台あたり45名乗せて走ったことを想定した値段です。
片道10時間16分。往復20時間32分かかります。移動だけで。

新幹線を使うと往復で¥37,940です。

宿泊費がかかる場合もあります。
試合のたびに往復しているのであれば、試合回数分その費用がかかります。

※私が長崎の高校にいたときは、都度長崎まで戻って甲子園に行ってを繰り返していました、、

それだけ応援するのは大変なのです。
全校応援したくても、金銭的・時間的に負担が大きく難しい。

受験生・就職活動中の3年生が応援に行くのは現実的ではありません。

大人たちも、会社を休んで応援に行くとして、仙台からだと数日休むことになる。それは現実的に難しい。

当たり前のことですが、甲子園から距離がある学校が大応援団を維持するのは簡単なことではありません。

【補足】関西の学校はどの程度の負担額か

それに対して関西の学校ならどうでしょう?

例えば甲子園常連校の大阪桐蔭高校で出してみると往復で一名当たり¥1,140~2,500。

先ほど出した仙台育英と比較すると、一人当たり応援にかかるコストは約13.5倍も異なります

つまり理論上は、仙台育英が応援にかけるコストを使って、大阪桐蔭ならば約13.5倍の人数で応援が可能です。

電車の名前が複雑ですね。

関西の学校との試合では、金銭力のない地方高校はいつも不利

これははっきりと申し上げたいことですが、関西の高校との試合の場合、金銭力のない地方高校はいつも不利です。

ただでさえ学校から動員できる人数に違いがあり、加えて関西に住む一般人の応援は地元関西に向きます。

以前母校が天理高校と試合をしたとき、今回の慶応対仙台育英と同じ状態で、満員の会場全体が天理を応援するために"わっしょい"していることがありました。

テレビを通しても分かる大歓声とアウェイ感。
本当に見ていて不快でした。


一生懸命努力を重ね、慣れない土地の会場で必死に戦っている球児。
地方からお金を出して応援しに来ている生徒・教員・保護者・OBOG。

配慮が足りなすぎる。トラウマになる人間がいても納得です。

今回の慶応の件に近いことは毎年起きています。
あまり大きな問題にならなかったのは、"弱い"と言われる学校の関係者が呟いたところで発信力がないからです。

観客の声援によって選手のメンタルは左右される

甲子園がプロの試合なのであれば、ぶっちゃけ声援の大きさによって勝敗が変わってしまう!なんて議論する必要はありません。
プロなので。

しかし甲子園は、"全国高等学校野球選手権記念大会"。
”高校生”の”部活”の全国大会です。

高校生の大会なんですよ????

理想論ではありますが、やはり高校生の大会である以上は"出来るだけ平等に行うべき"です。

生まれた地域、生まれた家、通える学校によって、後押ししてもらえる何かが変わるなんてあってはなりません。

今の甲子園は、本当にその理想に近いものでしょうか?

ヒール側に置かれた学校が100%の実力を発揮できると本気で思いますか?
”応援で不利な状況に置かれることを想定して、メンタルの強化に励め”ってなんかおかしいと思いませんか?

改善提案を2つ

文句ばかり言っても建設的ではないので、改善案を提示したいと思います。

【改善案1】地域・学校ごとに価格変動→遠い地域に分配

一つ目は"地域・学校ごとに入場チケットの価格を変動させ、その収益を遠い地域に分配し、応援にかかるコストを平らにする"という案です。

例えば今日の試合では5万円ほどの転売チケットを購入されて応援していた方もいらっしゃるそうなので、そんな感じで運営側が傾斜をつければ良いと思います。

そんなんで効果あるんか?と思うかもしれませんが、変動値段制で入場者数をコントロールすることが可能なのはUSJ・ディズニーランドが証明済みです。

毎年甲子園で行っているため、地域ごとにかかっているお金は既に出揃っており、集計可能だと思います。
出場時のノウハウは地方にはたまっているはずです。

そこに学校の人気による係数をかけて、全国で平らな値段を出そうという案です。

懸念は高野連の仕事が増えるでしょうか。
頑張れ高野連。

【改善案2】甲子園固定をやめて、地域を回っていく開催方式に変える

二つ目は"甲子園固定をやめて、地域を回っていく開催方式に変える"です。

他の競技と同じにする、という理解でOKです。

これが1番スマートかなと思います。数年単位で平均すれば全ての地域で同じくらいの負担になるイメージですね。

そもそも応援の話を脇においても、この方式をとる段階が来ていると考えます。

だって最近、暑すぎる。

球児たちが炎天下で頑張っている中、テレビ上にはずっと熱中症危険情報が出ていて、「屋外での活動は控えてください」って出てるのおかしくないですか?

ドーム球場がある地域を順繰り回っていく方が、選手にとっても観客にとっても、熱中症対策にもなり良いのではないでしょうか。

懸念は、、
"甲子園"って名前でなくなることでしょうか…。
(でも別に甲子園でやらない文化系の大会も甲子園名乗ってるので、甲子園じゃなくてよくない…?と個人的には思います。)

まとめ

いかがだったでしょうか?

応援は楽しいもの、選手の背中を押すものです。

ただやはり高校生は多感な時期です。片一方が金銭的な問題で不利な状況に置かれるというのはいかがなものか?と思います。

少しでも良い環境になれば幸いだなと願い、締めとさせていただきます。

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