なんで真珠は水に弱いの？

海中に生息する貝の中でできる真珠(パール)。
にもかかわらず、水に弱いと知っていましたか？

先日、ジュエリーショップに行き、店員の方に
「真珠の指輪は手を洗うときには外すことをお勧めします。」と言われてびっくり。
(((購入目的で行ったのではありませんが（笑）)))

真珠のアクセサリーを持っている方は、購入されたときや説明書に、真珠を水で洗うのは避けるようにと説明があるかと思います。指輪なら手を洗うときには外すようにとも。

真珠って水の中でできるじゃん。なんで弱いの？？

簡単にいうと（結論）

貝の内部で作られるから外の水に適応する必要がない。
また、貝殻ほどの強度はなく、外の水に直接当たると傷つきやすい性質でできているから。

貝殻と真珠では、形成過程や構造が違う。
貝殻とは異なる真珠の特性により、外部の水との相互作用に対する適応が不十分であり、水に弱いとされる。

真珠の生まれ方

真珠は、貝の中で形成されます。
異物（例：砂粒や寄生虫など）が貝の体内に侵入すると、貝はその異物を排除しようとします。

しかし、異物が貝の柔らかい組織に入り込むと、貝はそれを守ろうとして周囲に真珠袋と呼ばれる薄い層を形成します。
真珠袋は薄いカルシウムカーボネートと有機物で覆われています。

貝はこの過程を繰り返し、真珠層を厚くしていきます。
時間が経つにつれて真珠が形成され、外側にキラキラとした光沢を持つ美しい宝石となります。

水に弱い理由

①貝の内部での形成

真珠は貝の内部で形成されますが、その過程で貝のマントル組織によって生成されます。
しかし、このプロセス中に外部の水が直接関与することはありません。
真珠は貝の内部で独自の環境で成長するため、外部の水に適応する必要がありません。

②貝殻と真珠の違い

貝殻は外部からの刺激や影響から貝を守るための堅固な構造を持っています。
貝殻の主な目的は外部からの刺激や捕食者から貝の体を保護することです。通常、貝殻は密閉されており、外部から水が直接侵入することはありません。

ただし、貝殻には水分が存在します。貝は水を浄化し、酸素を摂取するために貝殻内に水を保持します。
しかし、この水は貝殻の内部に閉じ込められており、通常は外部の水とは分離されています。

一方、真珠は貝殻とは異なり、内部で形成されるため、その保護機能は限られています。
外部の水との直接的な接触に対する真珠の防御機構は貝殻よりも劣ります。

③外部環境への適応不足

貝は海の中で生息しており、その生活には外部の水との接触が不可避です。しかし、真珠は貝の内部で形成されるため、外部の水との接触に適応する必要がありません。
そのため、真珠は外部の水との相互作用に対する適応が不十分であり、水に弱いとされるのです。

真珠の性質

①内部構造の影響

真珠はカルシウムカーボネートや有機物などの層で構成されています。
水はこれらの成分に影響を与え、真珠の表面を変化させる可能性があります。
水中での長期間の浸漬は、真珠の表面を鈍らせたり、光沢を失わせたりすることがあります。

②デリケートな表面

真珠の表面は微細な凹凸があり、これが美しさを生み出す一因です。
しかし、水中ではこれらの表面が傷つきやすくなります。
特に、塩素の含まれるプールや海水中に長時間浸かると、真珠の表面に損傷が生じる可能性があります。

③酸化や変色のリスク

真珠は有機物質から構成されており、水との相互作用によって酸化しやすくなります。
特に、硬水や塩水などの特定の水質は、真珠を変色させたり、表面に薄い膜を形成させたりする可能性があります。

適切な取り扱い方法

着用時の注意

真珠は化粧品や香水、髪のスプレーなどの化学物質に敏感です。
化粧品や香水を使用する際は、まずこれらの製品をつけてから真珠のアクセサリーを着用することをおすすめします。
また、真珠のアクセサリーを身につける前に、汗や油分を拭き取ることも重要です。

保管方法

真珠は乾燥した環境を好みます。
保管する際は、真珠のアクセサリーをジュエリーボックスや柔らかい布で包み、湿気の少ない場所に保管しましょう。
また、他の宝石や金属と一緒に保管すると、傷がつく可能性があるので注意が必要です。

定期的なお手入れ

真珠は油分や汗、化粧品などが付着すると、光沢を失ってしまいます。
定期的に柔らかい布で優しく拭き取るか、専用の真珠クロスで磨くことをおすすめします。
ただし、真珠は傷つきやすいので、強くこすらないように注意しましょう。

着脱時の注意

真珠のネックレスやブレスレットを着脱する際は、一つずつ丁寧に扱いましょう。引っかける力が強すぎると、真珠が傷つく可能性があります。

おわりに

水中生物の貝から作られる真珠が水に弱いなんて不思議ですね。
自然界から作られる、神秘的なジュエリーの一つ、真珠。
せっかくの輝きを、美しさを、保つために特性を知って、お手入れしていくのが大事ですね。

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