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離婚した私の結論


しょっちゅう話しかけてきた同僚が席を移動し、遠い島になったのでだいぶ静かになった。今日はやらなくてはいけないことを全部済ませ、職場でのやり取りで心に引っかかることも特になく、平穏な精神状態で帰宅している。私は精神疾患があり、また、すぐに心が揺れてしまうたちなので、こんな風に穏やかなのは珍しく、ありがたいと思う。思えば昨夜はよく眠れたから、精神的にもうまくリフレッシュできたのかもしれない。本当に良いことだ。今日もよく眠れるといいな。

私が動揺するのは、人との関わりの中だから、比較的仕事が暇な日は人との関わりが少ないからストレスが少ない。でも今日は割と忙しかったのに、動揺することがなかった。これはもしかしたら職場におけるコミュニケーション力がすこし上達したのかもしれない!ま、たまたまだと思うけれど。

私はああ言えばこう言うコミュニケーションができなくて、例えば口喧嘩ができない。喧嘩って瞬時の閃きというか、ウィットというか、臨機応変な対応力が求められる場面の一つだと思う。それがなかなか難しい。面接も苦手意識があるからよくよく準備する。とりあえず紙に書いてまとめておかないと落ち着かない。同じ理由で電話は苦手で、メールのほうが嬉しい。臨機応変。瞬時の判断。そういうものからもっとも遠い存在、それが私である。今SUITSというニューヨークの法律事務所が舞台の弁護士ドラマを観ているんだけれど、それこそ臨機応変が求められる場面ばかりである。もちろんドラマには台本があるんだけれど、法廷なんて特に瞬間瞬間のコミュニケーションの連続で、思ってもいないことがたくさん起きて、それに対して、適宜対処しなくてはいけない。弁護士というのは大変な仕事だと思う。

でも、突き詰めたら、「瞬間瞬間のコミュニケーションの連続で、思ってもいないことがたくさん起きて、それに対して、適宜対処しなくてはいけない。」のはいつだってそうだ。例えば結婚相手との関係でも、コミュニケーションを取って調整、相手の反応に応じて調整、結果を見て調整、調整、調整であるのだと思う。それが上手にできる人は、きっとパートナーと関係性が上手く保てるのかもしれない。

ちなみに私は離婚経験者である。4年前に別れた。7年くらいの結婚期間だったが、結婚相手との間に信頼関係を築けなかった。この"事実"は、私に大きな衝撃を与えた。自分は毎日、7年間も(同棲期間含めたら9年かも)顔を見合わせて生活してきた相手と、信頼関係を持てなかったんだ。向こうのせいでもあると思うけど、当然私のせいでもある。結婚生活中、ほとんど喧嘩らしき喧嘩がなかったこと。お互い穏やかな性格だという理由だけではない。たぶん、考え、性格の違いで違和感があっても、ぶつかり合うのが怖くて、いや、面倒くさくて、我慢していた。なぜなら我慢するほうがずっと楽だから。でも今はそれがいけなかったと思う。もしも将来、ずっと一緒に居たい人ができたら、私は面倒くさがらずに、意見を戦わせないといけないと思っていて、皮肉なことに、それが面倒で、結婚したくないと思っている。別に全員が結婚しなくてはいけないなんていうルールがないから、私は結婚しない。これが離婚を経て行き着いた結論である。

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