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【世界で最も重要な国際映画祭の一つ】ロカルノ国際映画祭とは?日本人の受賞作品も

みなさんは、「映画祭」と聞いて、どの映画祭が思い浮かぶだろうか?

有名どころだと、この記事でも触れたカンヌ国際映画祭や、

この記事に出てきた映画音楽の巨匠・モリコーネ 氏も受賞したことのあるヴェネツィア国際映画祭

などが思いつくかもしれない。

筆者自身、実はこれまで「映画祭」というものに足を運んだことがなかったのだが、先日スイスの都市・ロカルノで、"ロカルノ国際映画祭"の会場を訪れることができたので、今回の記事で紹介していきたい。


映画祭とは?

そもそも、「映画祭」とは、どのようなイベントなのだろうか?

コトバンク などによると、

・多数の映画を一堂に集めて上映する催し
・上映の他に、作品の審査及び授与、映画に関するイベント (講演会やレセプションなど) も含む場合もある

と書いてある。主に映画関係者向けに公開される"上映"がメイン、そしてそれに付随したイベントが開催される場合もある、といった感じであろうか。

さらに調べてみると、
国際映画製作者連盟 (FIAPF) 公認の国際映画祭のうち、世界三大映画祭と言われるのは、

1. カンヌ国際映画祭
5月に開催。パルム・ドール賞 (同映画祭の最高賞)を受賞した日本の作品は『地獄門』、『影武者』、『楢山節考』、『うなぎ』、『万引き家族』
2. ベルリン国際映画祭
2月に開催。金熊賞 (同映画祭の最優秀作品賞)を受賞した日本映画は『武士道残酷物語』、『千と千尋の神隠し』。
3. ヴェネツィア国際映画祭
8月末から9月初旬に開催。金獅子賞 (同映画祭の最高賞)を受賞した日本映画は『羅生門』、『無法松の一生』、『HANA-BI』。

ここにモスクワ国際映画祭を加え、世界四大映画祭と言われることもある。


また、FIAPF公認の映画祭(Competitive Feature Film Festivals)で、長編・短編作品ともに扱う国際映画祭は、

ベルリン国際映画祭 (ドイツ)
カンヌ国際映画祭 (フランス)
カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭 (チェコ)
ロカルノ国際映画祭 (スイス) →今回記事で取り上げる
モントリオール世界映画祭 (カナダ)
ヴェネツィア国際映画祭 (イタリア)
ワルシャワ国際映画祭 (ポーランド)



FIAPF公認の映画祭(Competitive Feature Film Festivals)で、長編作品しか扱わない映画祭は、

マル・デル・プラタ国際映画祭 (アルゼンチン)
上海国際映画祭 (中国)
モスクワ国際映画祭 (ロシア) 
ドノスティア=サン・セバスティアン国際映画祭 (スペイン)
東京国際映画祭 (日本)
カイロ国際映画祭 (エジプト)
インド国際映画祭 (インド)

が挙げられる。


ここにまだまだ書ききれないほど、他にもたくさんの映画祭があったので、筆者自身大変驚いた。今回は、冒頭でも書いたように、スイスで開催される"ロカルノ国際映画祭"について取り上げる。

ロカルノ国際映画祭

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(公式ホームページより引用)

ロカルノ国際映画祭は、スイス南部に位置するティチーノ州の都市、ロカルノで開催される。ロカルノは、イタリア・ミラノから約2時間ほどの距離人口は約1万6000人で、公用語はイタリア語である。
アルプス山脈の麓にあり、マッジョーレ湖などの自然に囲まれたスイス国内でも代表的なリゾート地なのだそう。


実は、このロカルノ国際映画祭、スイスフランにもメイン会場のデザインが使用されるなど、スイス国内だけでもとても大きなイベントなのだ。この映画祭の特徴としては、後にも詳しく書いたが、やはり"世界最大を誇る収容人数" "メイン会場が屋外での開催"といったところだろうか。また、これも後ほど出てくるが、トレードマークの"金豹"も印象に残る。

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(中央上部にメイン会場"ピアッツァ・グランデ"の白いスクリーンが Wikipedia より)


以下、GALACOLLECTIONのサイトにロカルノ国際映画祭に関しての分かりやすい解説があったので、引用する。

"
ロカルノ映画祭の歴史は1946年に始まる。ヴェネチア国際映画祭やカンヌ国際映画祭などと並び、世界で最も歴史のある映画祭の一つであり、国際映画製作者連盟が公認するコンペティション形式の国際映画祭として、12部門で25の賞賞金の授与が行われている。
毎年8月上旬の会期中には、11日間で来場者16万人メディア1千人業界関係者3千人が世界中から集う。また、ロカルノ映画祭の代名詞でもある野外上映会ピアッツァ・グランデは、収容人数8千人の世界最大の上映会としても知られている。
2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響から通常形態での開催は中止となったが、オンライン上映など新たな取り組みを行う「ロカルノ2020:For the Future of Films」として開催された。
"

GALACOLLECTION より引用 
https://www.galacollection.com/?pid=19767863




公式ツイッターには、紹介ビデオもアップされていた。
ツイートの中に"16日間の開催期間の中で、300箇所以上のスクリーンで209本の映画を上映"とあるが、さすが世界最大の収容人数を誇る映画祭だけあって、約二週間の開催期間で凄まじい上映本数である。


ロカルノ国際映画祭のメイン会場"ピアッツァ・グランデ"に行ってみた

ここからは、筆者が実際に映画祭開催中に足を運んだロカルノの街の様子と、メイン会場"ピアッツァ・グランデ"について、写真を交えながら紹介していく。

まずは、ロカルノ駅に到着後、バスに乗って会場近くまで移動。本当にマッジョーレ湖のすぐ近くでの開催で、バケーションの時期ということもあり、リラックスした雰囲気が漂っていた。

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世界のトヨタ社もスポンサー企業。日本人としては、なんだか嬉しくなる。

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映画祭で、毎年最も優れた映画に送られる"金豹賞"の豹をモチーフにした装飾が、街の所々に見られ、それらを見つけるのが楽しかったし、街全体の盛り上がりを感じた。

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映画上映会の会場としても使用されるカジノ劇場。エレガントなレッドカーペットが目を惹く。

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このロカルノでは、先にも書いた通り、一般公開が大規模にされているため、会場の受付ではチケット販売が行われていた。今回筆者は時間の関係で、上映の参加は叶わなかったのだが、次回はぜひ訪れたい。夏の夜に野外で観る映画、想像しただけでワクワクする。

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その他、記者会見テレビ中継などが行われるのであろうスペースや

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豹をモチーフにした様々なグッズが販売されているショップを抜けていくと、

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レッドカーペットが登場。これがよく見るアレか!となったのは、筆者だけではなかっただろう。

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思わず記念にパシャり。


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そしてそのすぐ近くにインフォメーションセンターとメディアデスクがあり、さらに


そこを抜けると、

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メイン会場の"ピアッツァ・グランデ"が見えてくる。
雨が上がったばかりのあいにくの天気ではあったが、映画祭開催中に会場を訪れることができ、とても貴重な体験になった。



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今年の受賞作品


ここまで来ると、今年の"金豹賞"はどんな映画が受賞したか気になり、会場を訪れた数日後にサイトをチェック。



今年の"金豹賞"は、インドネシアのエドウィン監督の「Vengeance is Mine, All Others Pay Cash 」に贈られた。

エカ・クルニアワンの同名の小説を映画化した作品で、インドネシアとシンガポール、ドイツの共同制作だったそう。


そしてなんと日本からは、今年新設されたキッズ賞に、アニメで大ヒット作を生み出し続ける細田守監督「竜とそばかすの姫が選ばれた。




詳しくは、SWI swissinfo.ch (スイス公共放送協会(SBC)の国際部) の日本語版サイトに映画祭についてまとめがあったので、参照してもらいたい。




最後に


以上、今回の記事では、世界で最も重要な国際映画祭の一つである"ロカルノ国際映画祭"について取り上げた。


ヨーロッパでは、夏に野外イベント(映画祭や音楽祭など)が多く行われる印象があるので、今後色々調べたいと思うようになった。コロナ禍で、イベントなどに足を運びづらい状況ではあるのだが、これからも注目していきたい。




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