英語が話せるようになるための5つのコツ:勉強の基本編
(写真はロンドンのトラファルガー広場です)
今日も、「英語が話せるようになりたい!」や「英語で会話をしたい!」くて一生懸命勉強しているけど、「どうやったら出来るようになるの?」と困っている方へのメッセージです。
前回に記事で、「英語がはなせるようになるためのコツ:心構え編」について書きました。その記事で書いた心構えは、私の日本での英語学習からイギリスでの英語生活で感じた絶対大切!と思うことなので、よろしかったら、その記事も是非読んでみてください。
今回は、私なりに「どう日本で英語を勉強したらよいか」を基本編としてアドバイスできればと思います。
まず、語学学習で直面する問題は、「単語を覚えたけど忘れる」「覚えた単語が、いざ使おうとしたら出てこない」ではないでしょうか?これは、「記憶」と「忘却」に関係しています。
覚えた情報を脳はどう記憶してるの?
情報を短期記憶から長期記憶に移行させる
記憶は、長期記憶と短期記憶の大きく2種類に分類することができます。
長期記憶は「膨大な情報を保存できる、非常に長い期間覚えていられる記憶」
短期記憶は「一定の短い時間だけ、一定の範囲の情報を保存する記憶」
つまり、私たちが覚えた英単語や英文法の情報は、「短期記憶」となります。残念ながら、短期記憶は、数分から数時間といった非常に短い期間しか保持されません。短期記憶をもとにある作業をした場合、その記憶はすぐ忘れてしまうケースがほとんどなのです。
短期記憶というのは、意識的に維持しようと努力しなければ一瞬にして忘却されてしまいます。だから、忘れないために、短期記憶から長期的に移行することが、暗記作業において一番重要なことであると言えます。
では、勉強した単語や文法を忘れないためにはどうすればいいのでしょうか?
コツ1 必ず毎日英語に触れる!
言語学習は、楽器の練習や、スポーツの練習に似ている性格があります。言語学習は、知識を詰め込むだけの教科ではありません。その得た知識でパフォーマンスをする教科です。
例えば、楽器を練習するのは、「その技術を使って音を奏でる」こと、スポーツを練習するのは、「その技術で試合に出たり、仲間とプレイをする」ように。
英語も同じです。「その技術を使って、表現する」こと。
何か楽器やスポーツをしたことがある方は、練習をしばらくしなかったら、指が上手く動かなかったりなど、感覚が鈍った経験はありませんか?
英語も同じです。勉強や練習の間を空けてしまうと、せっかく到達していたレベルから後戻りしてしまいます。
「繰り返し勉強したり、練習したりしないと、得た知識や技術を忘れてしまう」のです。
だから、一日10分間でもいいから、英語に必ず触れてください。
イギリスに住んでいると、物理的に寝ている以外は英語に触れられるでしょう。ただ、自分の部屋にこもって、日本語のコンテンツだけを見ていたら、英語の接触はゼロですが。
日本の環境だと、睡眠時間以外は英語という環境は非現実的でしょう。だから、自分でその環境をなるべく長い時間作る努力が必要ですよね。
これが、まず「日本に住んでいて、英語が話せるようになる必要条件の一つだ」と思います。
コツ2 まとめノートをつくる!
イギリスの大学で日本語を教えいて、日本語の上達が速い学生たちには、ある共通点があります。
これは、日本語を勉強している教え子たちのお話です。
①フランス語専攻のイギリス人女子学生たちの例
彼女たちは、初めて日本語を勉強しているにも関わらず、日本語の文法の理解がとても速い傾向があります。
言語専攻なので、もともと言語の学習能力や言語分析能力が高いのかもしれませんが、彼女たちは、必ず、自分の言葉で、学んだをノートにまとめています。そのノートは紙ベースで手書きでした。
②生物学専攻のイギリス人とオランダ人男子学生の例
彼らは理系専攻で、日本語能力もとても高かったです。教えたことをドンドン覚え、それを使える応用力がありました。
彼らに共通していたのは、上記のフランス語専攻の女子同様、紙媒体のノートに学んだことをメモし、それらを使って、兎に角文章を沢山作って、手書きで書いていました。
学習した文法を、自分の言葉でノートにまとめていくと、それが復習の一環となり、ただ文法書を読むだけより、頭に定着していきます。しかし、残念ながら、一回復習しただけでは、時間が経ったらすぐ忘れてしまいます。
あと、彼らがキーボードでタイプするのではなく、手書きにしたのは、「実際自分で書くことで、漢字などの文字を覚える」目的もあったと思います。
コツ3 新しく勉強した文法は必ず翌日復習する!
授業で文法の説明を聞いたり、教科書でそれらを読んだ直後は理解して、分かった気になっています。しかし、時間が経てば、文法を忘れてしまうのです。
これは、私がイタリア語を独学していた話です。欧州言語を学んだことがなかったので、イタリア語の文法の複雑さ(動詞の活用や定冠詞や男性名詞と女性名詞の概念など)で、理解するのがとても大変でした。なんて、英語はシンプルなんだろうと思いました。
勉強した直後は理解して動詞の活用など覚えているのですが、時間がたつとすっかり忘れているのです。忘れないようにするために、繰り返し繰り返し復習しながら、新しい文法も勉強していました。
一度勉強したからって、その情報を記憶し、表現できるのは、まれだと思います。これは、日本語を学んでいる教え子たちを見てもそう思うのです。
コツ4 新しく覚えた単語をメモる!
上達が早い教え子とそうではない教え子の学習時の態度の大きな違いの一つは、新しい単語や表現を教わるとすぐに「(自作の)単語ノートにメモる」ことです。
上達が遅い教え子たちにありがちなのは、授業中習ったことをあちらこちらに書いて、いざ復習をしようとした時、どこに書いたか覚えていなかったりり、書いた紙を無くしたり、つまり、情報の整理整頓できていないのです。
単語ノートを作っていれば、何時でもどこでもそのメモを見ることで、反復練習することができます。徐々に単語や表現が記憶されていきます。
私は英語圏の大学院進学したかったので、日本で働きながら、TOEFLやIELTSの試験勉強もしました。これらの試験は英語論文などを読める能力を試す試験だったので、難しい学術単語を覚えて使える必要がありました。日本で生活していて、この様な英単語に自然に出会う機会なんてありませんよね。だから、小さいノートで単語帳をつくり、いつも持ち歩いて覚えていました。
コツ5 勉強した文法と単語を使って簡単な文をつくる!
英文法や単語を覚えるのは繰り返し復習すれば、自然と覚えていきます。でも、その先にある「それらを使って実際表現する」これが、至難の業なのです。特に、スピーキングは、話しながら、自分の頭で英文を組み立てていかなければいけません。話す訓練をしていないと、どんなに文法や単語を知っていたとしても、無理でしょう。
常に英語で話す相手がいる環境であれば、その訓練ができますよね。でも、日本に住んでいたら、自分で積極的にその環境を作らなければいけません。
イギリスで日本語を学んでいる学生たちには、授業で常に自己表現の時間があります。初めは、単文から始まって、徐々に長い文章を話したり、書いたりして、訓練する中で、話すスピードが速くなります。
授業外では、留学している日本人の学生たちと友だちになったり、大学の「日本サークル」に参加したりと、自分たちができる「日本語の環境」を作っているようです。
コツ6 自分の英語を録音して聞く!
自分の声を聴くのはなんだか恥ずかしいですが、自分の英語を録音してみるのも良いのではと思います。自分の発音を客観的に聞いたりできるし、どれだけ長い英語を話せるようになっているか、知ることもできますよね。
テクノロジーの進化のお陰で、AIアプリを使って、自分の発音のチェックもできるのでなないでしょうか?
来年度の日本語の授業で、学生たちのスピーキングを伸ばすために、この方法を宿題のひとつをして考えています。
まとめ
言語習得は、「近道」はありません。「継続する」ことです。たとえ、英語圏に留学してその土地にいるだけでは、英語は決して上達しません。日本で英語の先生をしている外国人の中で、何年も日本に住んでいても、日本語を話せない方もいるでしょう?それと同じです。
英語が上手に話せるようになるコツは、
学び、復習し、練習し、表現しつづけるのみです!頑張りましょう!
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