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お豆腐と麩の話

京都ではお豆腐や湯葉や麩が有名です。それはいろんな条件がそろったからといえるなあと思います。

お豆腐は日本独自のものではなくて二千年以上前に中国で発明されて奈良時代に日本に伝えられたと言われています。豆腐の製造技術は中国から周辺の国に伝えられて、今でもベトナムやミャンマーなどの東南アジアの国ではとうふが食べられています。日本で庶民が広く口にするようになったのは江戸時代からだそうです。畑の肉といわれる大豆を原料にした豆腐は、動物性たんぱく質が摂取できなかったお坊さんたちにとって大切な食品になりました。加工品である雁(がん)もどきは雁の肉に似せて作ったのが始まりとされています。

京都は豆腐作りに欠かせないおいしい水と丹波の豆があり、お寺の多い立地で精進料理と縁の深い豆腐料理が有名になったといわれます。これだけ条件がそろえば当たり前のことに思います。

精進料理の材料で麩もよくつかわれますが、麩は湯葉、凍り豆腐、シイタケと並んで乾物の四天王と言われていますが、一般にはあまり食べられていないように思います。麩は小麦粉を原料として水と食塩を混ぜ十分に練っていき、粘り気が出たら水の中でもみほぐしデンプンを洗い流します。この時に残ったグルテンが麩となります。麩を作る時の上澄み液は麩糊(ふのり)と呼ばれるもので、京都の友禅染を作る際に必要な材料となります。この糊で絵柄を描いておくと、糊が乗っている部分は染料をはじきあの優雅な友禅染ができるというものです。

京料理の材料も地のものが大事に使われて、工夫されてきているのだなあと改めてわかります。いろんなところでつながっていて面白いなあと思います。7/10

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