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催涙雨

七夕の日に降る雨のことを催涙雨というそうです。

午前中に降る雨は会えなかった1年分の嘆きの涙、午後に降る雨は再開した喜びの涙、夜から明け方に降る雨は別れの悲しみの涙と言われています。

雨が降って橋が渡れないとき、会えないのだと思っていましたが、かささぎという鳥が沢山飛んできて、羽を広げて橋の代わりを作り渡らさせてくれるそうです。そのため韓国では7月7日にカササギを見かけると、橋をかけに行かない怠け者だとして追い払うことにしているらしいです。毎年会えると知ってちょっと嬉しくなりました。

織姫と彦星はそれぞれまじめにずっと仕事をしていたのに、夫婦になった途端一緒に遊んで仕事をしなくなったことから、一年に一度しか会えなくなったという話だったなあと思いだしていました。機(はた)を織っている織姫から、ちょっと織物の話。

京都には有名な織物屋さんがあって、龍村美術織物というところですが、正倉院の宝物の織物を復元したり、祇園祭の鉾の装飾の織物を織られたり、歌舞伎座の緞帳を作られたり、4代続く伝統工芸織物を守り続けられている会社です。5mの帯を1か月かけて織るのが当たり前で1日10cmしか織り上がらない手織りでのみ製造し、技術と伝統の継承、若手の育成に努力されています。伝統文化にかかわって技術を守り進化させることが出来る数少ない会社だなあと思っています。(糸のコンディションを最適化するため、工房内の湿度も管理されています)

私たちが何とか手がのびそうな帯は高く、中々買って締めるというわけにはいきませんが、その柄などは古来から伝わる伝統と工夫の素晴らしい芸術品で昔からあこがれています。帯の柄の中には正倉院の宝物で見たような柄があったりして、感慨深いものがあります。祇園祭の鉾などの飾りで見るのが一番簡単に見れる方法かもしれません。織物にも色々なものがありますが、素晴らしい芸術品の織物が守られていってほしいなと思います。7/7



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