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自治体財政よもやま話

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地方自治体の財政担当者としての経験をもとに,自治体財政の仕組みや現状,課題,財政健全化の方策などについて,拙著「自治体の“台所”事情 “財政が厳しい”ってどういうこと?」で書きき… もっと読む
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2020年7月の記事一覧

人件費の一律削減に反対します

昨日の投稿でも少し触れましたが,各自治体の来年度の予算編成はとても厳しくなりそうですね。…

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ない袖は振れないけれど

昨日「騙しあうのではなく」という記事を書きましたが,予算要求する側が財政課を騙そうとして…

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騙しあうのではなく

先日の投稿へのコメントで「財政課を騙すのが仕事」とうそぶく輩の話題が出ました。 自課の予…

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毎年予算が削られるわけ

200627オンライン対話会で寄せられた質問の回答です。 問:マイナスシーリングをすると、一律…

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それってホントにうまくいく?

優先順位の話に派生して、自治体の施策事業がどんな風に選択されていくか、その過程や自治体組…

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誰のために何のために

先日「優先順位の話」で,地方自治体の行う施策事業の優先順位づけについて紹介しましたが,優…

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アクセルとブレーキ

財政と企画って一緒のほうがいいのでしょうか?別々のほうがいいのでしょうか? 福岡市では,政策の推進をつかさどるのは総務企画局企画調整部,財政運営は財政局財政部です。 よくこの二者は対立する機能として「アクセル」と「ブレーキ」に例えられます。 自治体の現状,課題,方向性を踏まえ,今やりたいこと,やるべきことを政策として企画し,それを実行に移していくことは,車の運転に例えるとアクセル,自治体経営の「攻め」の部分にあたり,一方で財政運営は,支出を精査し,個々の事業の必要性や緊急性

続・優先順位の話

財政課は、予算編成の中で、具体的には予算要求調書を受け取って以降は個々の施策事業の優先順…

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優先順位の話

全国を巡る出張財政出前講座で「今日聞きたいことは何ですか」と会場に問いかけると必ず出てく…

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積算根拠の迷宮

自治体の現場では「予算が余ると怒られる」と合わせて「予算は決まった通りに使わないと怒られ…

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稼ぐ自治体と言うけれど

少子高齢化,人口減少による税収の減,社会保障費の増加や公共施設の老朽化による経常的支出の…

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財政課をぶっ潰す

1年前にfacebook に投稿した記事をご紹介します。 私がなぜ出張財政出前講座の活動に血道を上…

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貯金はどのくらいあればいい?

新型コロナウイルスの対策費に充てるため,多くの自治体が,過去の決算剰余金を貯めている「財…

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続・予算が余るのは悪いこと?

昨日の続きです。 自治体の職員は「予算が余る」ことを嫌いますが,その大きな理由は二つ。 「財政課に怒られるから」と「議会に怒られるから」です(笑) 福岡市ではさすがに最近そういう議論にならなくなってほっとしていますが,未だに決算の説明では歳入歳出ともに最終予算額に対する「執行率」というものを説明することになっています。 これは「予算が使われた」=「その事業規模に見合う成果が市民にもたらされた」と判断できていた時代の名残なのです。 高度経済成長期からバブル経済期くらいまでは