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3児の子育てに奮闘するFさんの場合【母親インタビュー #2】

世の中の「母親」に、母・妻・娘・仕事人の4つの顔についてお話を聞く企画、題して
「母親インタビュー」(結局そのままw)

第2回目となる母親は、前職の先輩であり、今は友だちとして仲良くしてもらっているE.Fさん(30代/3児の母)

出会った頃は、母親になる姿が想像できないくらいお互いにガブガブお酒を飲み交わす仲だったのですが、今や3人の子どもを持つ偉大なベテランママ。いつ会っても「大変〜」と言いながら明るいので、天性だなと尊敬していましたが、今回は大変さを掘り下げたいと思います!

ちなみにFさんの子どもは、
7歳(男)
4歳(女)
1歳(男)

と、きれいに3歳ずつ差。

一見理想的な歳の差に見えますが、実際のところどうなんでしょう。
早速聞いてみました!



3児の「母」として


ーちまたでは3人目が一番かわいいと聞きますが、あれって本当ですか?

F うん、本当だと思う。3人目が一番かわいい!かわいいっていうか何でも許せるって感覚かな。

ー1人目のときとは全然ちがいます?

F 全然ちがう!1人目はなにも分からないから心配の塊だったよね。ただでさえ低体重で心配ごとの多い子だから、ずっと心配してた。

ー2人目はどうでした?女の子は育てやすいって聞きます。

F って言うよね!ところがうちの長女は私に性格が似すぎているのか、我が強くて大変(笑)。コロナ禍で生まれたからストレスが溜まってるのかも。

ーそうか、コロナ禍だ。スーパーに子どもを連れて行ったら、知らないおばさんに怒られたって言ってましたよね。あの話はちょっと衝撃的でした。

F そんなのばっかりだったよー。支援センターにも行けないし、外出しても、ちょっと咳したら怒られる雰囲気だった。長男も自我が芽生えてたから、保育園行きたくないって言い出したりして、つい「行け―」って怒っちゃったこともある。長男に怒ったのはこのときがはじめてかも。私もストレスが限界だった。この時期のこと、あんまり覚えてないもん。

ー支援センターも行けないなんて、想像しただけできつい。今いちばん大変なことも聞いていいですか?

F 3人を平等に扱うことかな。きれいに3歳ずつ年が離れてるから、行きたいところや遊びが全員違うんだよね。だからどうバランスを取ればいいのか、誰にどれだけ時間を使えばいいのか、いつも悩んでる。全員「こっち見て」だし、全員「ママがいい」だし。よく上の子が寂しがるから0歳は放っておいていいって言われるけどさ、泣くじゃん。放っておくなんて不可能だよね。

ーそれなりに歳が離れてる方が、育児の大変さは軽減できそうだと思ってました。これだけ情報が出回っていても、産んでみないと分からないことっていっぱいありますね。

F 本当にそう!子どもの性格とかもそれぞれ違うからね。

ー子どもができる前、なりたい母親像ってありました?

F まったくなかった。むしろもっと楽観的に考えてた。みんなやってることだし簡単でしょ、むしろ幸せそう、みたいな。元々子ども好きだし、自分の子どもができたら、それはもう絶対かわいいでしょって。

ー実際はどうですか。

F いやもうめっちゃ難しい。大変。こんなに責任が重いのかって。しょっちゅう母親向いてないって思って落ち込んでる。実は結婚した当初から旦那には言われてたんだよね。どうして子どもが欲しいの?って。

ー旦那さんは欲しくなかったんでしょうか。

F 彼は「欲しい...か?」みたいな感じだったわけ。いらないとは言わないけど、別に欲しいとも思ってないみたいな。

ーえ~。それはちょっと寂しいかもしれない。

F ね!なんだと?離婚するぞ、ってそのときは思ったよね(笑)。だけど今思えば、彼の方が責任の重さを分かってて、ちゃんと考えてたんだと思う。私がなにも考えてなかっただけ。

「妻」として


ー子どもが3人いると夫婦喧嘩も増えたりしますか?

F めっちゃ増えた。今日も喧嘩したし(笑)。

ー今日も(笑)。どんな喧嘩が多いですか?

F 子どものことでイライラして、口喧嘩に発展することが多いかも。私の言い方が悪いんだと思う。「なんで昨日長男の宿題見てないわけ?」とか、「早くして!」とか。忙しすぎてお互い記憶もあいまいだから、言った言わない争いも多い。

ー喧嘩した後ってどうなります?長引くこともありますか?

F 子どもができる前は3日間喋らないとかあったけど、今は忙しすぎるからもはや喧嘩しても普通(笑)。おはよーみたいな(笑)。

ー普通(笑)。子どもができたことで旦那さんとの関係性って変わったりしました?

F めっちゃ喋るようになったかも。出産前の私は残業が多くて、あんまり喋る時間がなかったんだけど、今は家にずっといるからね。

ーどんな会話してるんですか?

F 子どもの話とか、雑談?笑いのツボが似てるから、日常の面白かったこととかかな。仕事の話も時々。

ー旦那さんのこと、今も好きですか?

F え?!うーん、好き、かな。うん、好きだと思う。頼りがいがあるから好きでいられるんだはず。尊敬っていうか。

ーおお~!好きなんですね(ニヤニヤ)。どんなときに頼りがいを感じます?

 なんかね、子どもとめっちゃ遊ぶわけよ。あんなに喋らない人が。親族全員驚いてる(笑)。子どもを子ども扱いせず、対等に接するんだよね。でも考えてみたら、彼は大人に対してもそうなんだよ。男も女も、部下にも上司にも対応を変えない。

ーなるほど!全人類に平等なんですね。なかなかできることじゃないです。どんな父親になって欲しいとかありますか?

F どんな父親だろう...。子どもから尊敬される父親かな。長男が私の仕事を見て、一度「こんな仕事がしたい」って言ってくれたことがあるんだよね。そういう関係性が嬉しい。

ー男としては、どんな夫でいて欲しいとかあります?

F えー。どうだろう。そんなことを言われたのが久しぶりすぎて(笑)。三好さんは?

ー私ですか?(笑)うーん、幸せな人でいて欲しいかなぁ。息子にとっても、一番身近な同性の大人が幸せそうって大事だと思うので。

F あ、すごい分かる!うん、私もそうかも。いま思い出したんだけど、私が彼を好きになった理由って「楽しそう」だからなんだよね。旦那とは前職で知り合ったんだけど、当時私は人生がつまらなくて、つい「人生面白いですか?」って聞いたわけ。そしたら「僕はずっと今の方が楽しいです」って言われて。過去より今がずっと楽しいって。すごくない?

ーすごい!そしてめちゃくちゃ意外です(失礼)。あんまり喋らないイメージがあるので。

F そうそう。あんまり人と話さないし、友だちはそんなに多くないし、全然楽しそうに見えないんだよ(笑)。だけど実は彼はバンドをやってて、音楽作ったり広めたりするコミュニティーを作ってたんだよね。自分が楽しめる世界を持ってることがかっこいいなって思って、好きになった。

ー素敵!(思いがけず馴れ初めを聞けて興奮)今もバンドは続けてるんですか?

F それが今は辞めてるわけ。子どもができて辞めちゃった。本当はやって欲しくて、もう一回バンドやれば?子どもと一緒にやれば?って言ってるんだけど、今はまだやらないみたい。いつか再開して欲しいな~。子どものために自分を犠牲にして欲しくない。私も楽しいことをやり続けたいしね。

ー大事ですよね。子どもの手が離れたら、旦那さんとやりたいことってあります?

F 一緒に飲みに行きたい!元々ふたりで飲むのが好きだから、飲みながら色々話したい。

「娘」として


ーお母さんはどんな人だったんですか?

F びっくりするくらい箱入り娘で専業主婦。私とは真逆だよね(笑)。ほとんどずっと家にいる。怒られた記憶が全然ないから、穏やかな人だったんだと思う。

ー怒られた記憶がないんですか。

F うん。「全部自分で決めなさい」だった。悪く言えば、何かを教えられた記憶もない。だから子どもの頃は、毎日が暇すぎてひたすら寝てた(笑)。社会人になって、吸収することが増えてびっくりしたわけ。大人ってこんなに色々教えてくれるんだって。

ー(笑)。お父さんはどうだったんですか?

F お父さんはずっと仕事してたから、あんまり接する機会がなかったかも。お父さんの方が私に似てる(笑)。

ー親のこんなところを見習いたいとか、反面教師にしようと思ってることってあります?

F もっと色んな世界を教えて欲しかったなって思うから、自分の子どもを色んな場所に連れて行こうとしてるかな。

ーたしかにFさんは好奇心が旺盛なイメージだから、子ども時代ずっと寝てたのは意外です。

F そう!社会人になってから好奇心旺盛だって気づいたんだよね。だから寝るばっかりして時間がもったいなかったなって思う。今は時間が全然足りない。昔はあんなに暇だったのに!(笑)

「仕事人」として


ー仕事はいつから復帰予定ですか?

F 実は来週復帰予定。

ー来週!以前と同じ部署に戻る感じですか?

F ううん。新しい部署ができるらしくて、そこに配属されることになってる。だから何をするのか全然わからない(笑)。

ーなんと(笑)。1回目と2回目の育休明けはどんなでした?

F 1回目は元いた部署に戻れたんだけど、2回目は別会社に出向になったよ。不服でした(笑)。

ーちょっと不安ですよね。2回目が一番大変そうでしたが、実際はどうでしたか?

F うん、2回目が一番大変だった。出向先の会社の出勤時間が朝早かったから、子どもの顔を見ないまま出勤してたしね。だからその時期、旦那のストレスがやばかったらしい。ごはんも保育園もぜんぶ旦那だったから。

ー旦那さん頑張りましたね。新設部署ではやりたいことはできそうですか?

F できないと思う。まだ何も分からないけどね。本当は産休前にやってた編集の仕事に戻りたかったけど、覚悟してたから、やっぱりかって感じかな。

ーもし叶うなら、どんな働き方でどんな仕事がしたいですか?

F 仕事はやっぱり編集がやりたい。働き方は、学童に入れずに働けるのが理想かな。この前、公民館で働いてる人を見てたら、事務所に子どもが「ただいま」って帰ってきて、そのまま子どものそばで仕事してたんだよね。これが理想!って思った。おかえりって言って仕事ができる環境。

ーたしかにいいかも。転職を考えたりします?

F めっちゃ考えるけど、一歩踏み出すことで家庭が壊れないか不安がある。今の会社は約10年働いてるから有休もあるし、在宅で仕事できるからね。求人情報を見てた時期もあるけど、在宅できますって書いてるのはほぼなかったなぁ。

ー仕事は在宅が理想ですか?

F ううん!本当は、子どもがいなかったら在宅なんてしたくない。人と喋りたいし、色んな人と話せる環境の方が仕事にも活かせるって思うし。でも子どもがいると負担が大きすぎて、在宅じゃないと難しいのが現状だよね。1歳児はしょっちゅう熱を出すし。自分の仕事についてちゃんと考えられるのは、一番下の子が3歳になってからじゃないかなぁ。

「今の自分」について


ー最初に、母親が向いてないって言ってたのが気になってます。どんなところが向いてないと思いますか?

F えーなんだろ。全然人間ができてないなって思う。性格が曲がってるんじゃないか私、って。

ーえぇ!どうしてそう思うんですか?

F なんだろう、感情的な発言が止められなくて、言って後悔することが多いかも。子どものためじゃなくて自分のために怒ってるな、性格悪いなって。子どもがいるのにまだ自分優位っていうか。我慢してるけどほんとは飲みにも行きたいし、家庭的なこともあんまり好きになれない。

ー「母親たるもの、こうしないといけない」みたいなのがありますか?家事を好きにならなきゃとか、感情を抑えないといけないとか。

F と思ってるってことだよね。私のいとこは子どもに全然怒らないんだけど、やっぱり穏やかに育ってるなって思う。だから自分の子どもがよくない言葉遣いをしたら、私のせいかもって自分を責めてしまう。ふんわり穏やかな人=いいお母さん、みたいなイメージがあるかもなぁ。私じゃなくて他の人が育てた方がいいのかもって思ったり。

ー他の人が育てた方がいいのかも、って私も思うことあります。共感できるからこそ疑問なんですが、こういうのってどこから来るんですかね?子どもが生まれる前よりはるかに頑張ってるのに、なんで自分に自信がなくなっていくんでしょうか。

F たしかに。なんでだろう。

ーずっと不思議で、ずっと考えてるんですけど全然答えが出ないんです。なにか思いついたらまた教えてください(笑)。

F うん。思いついたら言うね!あ、だけど、子どもがいることで色々考えるきっかけにはなったかも。子どもがいなかったら私、なんにも成長してなかっただろうなって思う。子どもを産まなかったら、飲みすぎて病気になってたかも(笑)。

ー自粛効果が(笑)。今一番楽しいって思うのは、どんなときですか?

F 今かも。今が一番楽しい!慣らし保育がやっと終わって、仕事復帰前のひとり時間。

ーひとり時間は何をして過ごしてますか?

F 勉強してる。図書館司書の資格を取りたくて。あと自分の振り返りかな。やりたいことってなんだろうとか。あと、最近旦那と「月に一度、お互いに好きな映画を観に行く」っていうルールを作ったから、ひとりで映画を観るのも楽しみかな。本当は一緒に行けたらいいんだけど、それは無理だから、交互に行ってる(笑)。

ーいいですね!最後の質問です。今、自分のこと好きですか?

F えーーー。好きで、大丈夫(笑)。

ー大丈夫(笑)。

F 自己嫌悪はいっぱいあるけど、歳を重ねてからの方が、圧倒的に自分のことが分かるから、好きではあると思う。昔は自分のことが分かってなかったから、迷うことも多かったし。前から気付けばよかったって思うけど、そのときはきっと気付けなかったんだよね。

ーああ、分かるかも。年齢を重ねるって、素敵なことですよね。ありがとうございました!



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