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子育てに失敗も成功もない

「子育てに失敗した」「子育てに成功する秘訣」「○人の子育てに成功したママ」
こんな風に、子育てに関して「失敗」とか「成功」という言葉を使っているのをよく聞く。

私はそれに違和感を感じてきた。

子育ての失敗と成功って、どうやって判断するのだろう。

いい学校へ行って、就職に成功したら子育て成功?
健康に育ったら?
優しい子に育ったら?

受験に失敗したら子育て失敗?
親子喧嘩して、家から出ていってしまったら失敗?

やはりどれも違和感を覚える。

どういう風に育ったとしても、子どもは親の「作品」ではない。

子育てに「失敗」「成功」という言葉を使うことは、その子の今の状態を成功とか失敗だと決めてしまうことではないだろうか。

「私は子育てに失敗したのよ~。」
なんて、自分の親が人に話すのを聞いたらすごく傷つくと思う。
「私の親は、自分のことを失敗作だと思っているんだ…。」
そんな風に感じるだろう。

逆に、希望通りの進路に進んだ我が子のことを親が
「私の育て方が良かったからうちの子は成功したのよ。」
と言うのも、自分で試行錯誤しながら努力してきた子どもから見たら納得できないかもしれない。
例えば、自分で努力を重ねて合格した入学試験や就職試験なのに、「親のおかげ」で合格したと言われたら、達成感が急に萎んでしまいかねない。

いろいろ上手くいかないことがあったとしても、際立った成功があったとしても、人生全体を失敗や成功でくくってしまうことなんてできないと私は考える。

失敗続きに見えても、その中に成功も隠れている。
順風満帆に見えても、その中に失敗も隠れている。

それをひとつずつ乗り越えてきたのは子ども自身。
親も、多くの場面で子どもと一緒に乗り越えるような気持ちでいる。それでも、親が子どもの人生を生きられるわけじゃない。どんなに望んだとしても。

生まれ落ちた赤ちゃんはひとりでは育つことが出来ないから、大人のお世話が必要だ。けれど、親ができるのはサポートだけ。

実際に感じて、考えて、行動するのは子ども自身だし、その結果を引き受けるのも子ども自身だ。

だから私は、子どもがどう育ったかを判断基準にするならば、子育てに成功とか失敗という言葉は使わない。


もしも「自分の人生に子育てがどう影響したか」という観点で言うならば、子育てが私に多くのことを与えてくれた、今の私を形成するものを与えてくれた、と言えると思う。
そういう意味ならば、子育ては私にとって大成功と言えるかもしれない。間違いなく、子どもを育てたことが私の人生を豊かにしてくれたから。

でもそれは私の問題であって、子どもがどう育ったかということではないのだ。

子どもたちは失敗とか成功とかとは無関係に、ただ存在してくれるだけでいい。
上手くいっていても、そうでなくても、そこにいてくれるということが何よりも大切だ。

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