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『みんなの夢AWARD11』 ファイナリストインタビュー 【グランプリ受賞】 夏目シンゴさん

みんなの夢AWARD事務局です。

今回から6回に渡り、
「みんなの夢AWARD11」のファイナリストインタビューをお届けします。

今回はグランプリを受賞した、夏目シンゴさんです。

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1、夏目シンゴさん 夢のミッション

『湘南・鎌倉ぶどうの里』の実現 (鎌倉版CCRC構想)


日本有数の観光地である「鎌倉」。
その鎌倉で、水田・野菜栽培に適さない農地をぶどう畑として再生しています。収穫したぶどうで、神奈川県鎌倉産ぶどう100%を使った『鎌倉ワイン』の製造と販売をします。

農作業やワイン醸造を通じて、子供からアクティブシニア世代までが、
交流しながら暮らす、地域コミュニティづくりにも貢献しています。

地域住⺠だけでなく、移住者も、安心して安全に健康⻑寿を伸ばすことができる、「鎌倉版CCRC」 (Continuing Care Retirement Community)の実現を目指しています。

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【CCRCとは】
退職後の自立可能な高齢者が、必要に応じて介護・医療などのケアサービスを受けながら持続的に共同で生活する仕組みをいいます。
アメリカで始まったもので、英語のContinuing Care Retirement Communityの略語です。
健康な段階から共同生活を始め、地域活動などに参加し、健康長寿を目指すことが特徴であるとされます。また、地方移住の方法としても有効だと考えられています。


2、夏目シンゴさん インタビュー

ー「みんなの夢AWARD11」が終わって、今の心境をお聞かせください。

正直、グランプリをいただけるとは、夢にも思っていなかったです。

私は2013年に決意をして活動を開始しました。
覚悟を持って、長くやってきたことを評価していただいたと思っています。

渡邉審査員長をはじめ、審査員の皆様から激励をいただき、感謝の気持ちしかありません。今まで以上に責任を持って、夢の実現に取り組みます。

私の夢は、みんなの夢でもあります。
その夢を達成した時に、みんなで喜びを分かち合うことを目指し、
これからが勝負だと思って、精進していきます。

実は、みんなの夢AWARDが終わった後に、妻と相談をしました。
そこで、農業法人として起業をすることを決意しました。

もし、グランプリをとっていなかったら、この決断は来年か再来年になっていたのかもしれません。みなさんからエールをもらい、決意をしました。

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ー「みんなの夢AWARD11」へ、エントリーしたきっかけをお聞かせください。

私は3年前、クラウドサービスを提供する事業の責任者をしていました。

その当時、ワタミさんが社内のシステムに、このクラウドサービスを導入してくれていました。

ワタミさんのご担当者様との打ち合わせの際に、
私がぶどう栽培をしていることを、私の同僚が話しました。

その時に、ご担当者様から、「みんなの夢AWARD」をご紹介していただきました。

当時、私はぶどうの栽培をしていましたが、ワインは作っていませんでした。
すごく熱心に勧めていただたのですが、まだまだエントリーはできないと思っていまいした。

ただ、ずっと「みんなの夢AWARD」が心の中に残っていました。

2020年。しっかりとした、ぶどうとワインができました。

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このぶどうとワインなら、自信を持って「みんなの夢AWARD」に挑戦できると思い、エントリーを決めました。

もし、ご担当者様の声がなかったら、応募はしていませんでした。

ご担当者様には、ファイナリストになるまでエントリーをしたことを内緒にしていました。ファイナリストなり、そのことを伝えると、すごく喜んでくださいました。グランプリの受賞を伝えると、さらに喜んでくださいました。

「みんなの夢AWARD」を勧めてくれたご担当者様には、心から感謝しています。


ーエントリーからファイナルに進む過程で、夏目さんご自身やビジネスモデルに変化は生まれましたか?

エントリー直後の私の志は、「自分の第2の人生をどういうふうに歩むか」というものでした。

会社員をやっていると、役職定年などががあって、50代を迎えると色々と考えることがあります。人生100年時代を思うと、農業は良いビジネスモデルであると思っていました。
農業に主体に取り組み、ワインを売っていこうと決めて、現在の取り組みをスタートしました。

「みんなの夢AWARD11」にエントリーして、この志をより深く考えるようになりました。「自分はどういう志で始めたのか」「この取り組みをどういうふうに広めたいのか」を改めて考えるようになりました。

ビジネスモデルは、昔から考えていたものがグッと固まりました。
2019年までは、友達や知人、出資を申し出てくれる方に、同じ話を口頭で伝伝えるだけでした。

「みんなの夢AWARD11」にエントリーして、
私の思いやアイデアが具現化しました。これは大きなことでした。

ファイナリストになった直後、
私のビジネスモデルにおける対象者は、関東にお住まいの人でした。
このことに対して、プレゼンテーションを指導していただいた長倉先生からこのようなアドバイスをいただきました。

「みんなの夢AWARDは全国の人が見ているんだよ。全国の人を対象をしたビジネスモデルを考えたらどうかな。」

このアドバイスで、私の視野が広がりました。

エントリーからファイナルまでの過程で、
ブラッシュアップしていった事業計画と、人を動かすプレゼンテーションが私の手元にあります。
これから、投資家や銀行の方に事業の説明をする機会では、きちんとしたプレゼンテーションができます。

渡邊美樹代表理事や長倉先生をはじめ、たくさんの方にご指導いただいたことは、私にとって財産です。

ーファイナリストサポートの中で、渡邉美樹代表理事からアドバイスを受ける機会がありました。アドバイスを受けての感想と、ビジネスモデルはどう変化したのかをお聞かせください。

渡邉代表理事にアドバイスをいただくのは、非常に貴重な機会でした。

私のビジネスモデルは、農業・物販・飲食・不動産にまで多岐に渡っています。
渡邉代表理事からは、その中でも、「ぶどう苗木の会」が最も重要であることをアドバイスしていただきました。
実は、私はそこを見落としていました。ビジネスを進めていく中で、どこが重要であるかを教えていただいたのは、何ものにも変えがたいものでした。今後は「ぶどう苗木の会」に注力してやっていきたいと思っています。

販路の確保と拡大、ビジネスを広げていく時のフックにもなる。その部分を的確に指導していただいたのがすごいと思いました。


ー「みんなの夢AWARD」のファイナルを終えて、何か進捗や変化はありましたか。

2021年夏に農業法人として起業を決めたことが大きな進捗です。
農地の拡大も決まりました。農地は現在の1.5倍になります。
来年の春に1500本のぶどうの苗木を植える予定です。
農地を譲りたいという方が現れたり、鎌倉市役所の方からも応援したいということで物件をご紹介していただけました。


ー今後1年間、事業がどのように進んでいくのかをお聞かせください。

まずは、農地拡大、開墾、ぶどうの苗木の作付、ぶどうの収穫量を増やすことに取り組みます。
ワイナリーの設立に向けても動きます。場所や物件の選定。資金計画の立案、醸造免許取得などに取り組みます。
この1年で一気にアクセルを踏んでいきます。形になるのは2022年なので、今年は夢の仕込みの時期になります。

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ーこれまで夢のミッションに取り組んできた中で、嬉しかった出来事をお聞かせください。

嬉しかったことは2つあります。


1つめは、「ぶどう苗木の会」にまつわることです。

実は、2017年にお金が底をつき、困ってしまったことがありました。
様々な策を考え動きましたが、なかなかうまくいかず、困り果てていました。

その時に、地域住民の方にチラシを配るなどして、支援を募りました。
それが「ぶどう苗木の会」の原型です。1口1万円で支援を募りました。

ある日、畑で作業をしていると、高齢のご夫婦が、チラシと2万円を持って畑に来られました。

奥様から、「ぶどう苗木の会はなにができるの?」と聞かれました。
私が「ぶどうの収穫体験と、ワインをお渡しできます。」と答えると、
「毎年、収穫できるんだよね。これで長生きしようと思った。」と言ってくださいました。その言葉を聞き、私は心から感謝しました。

そのご夫婦は、毎年収穫に来てくださっています。ご夫婦のお子様、お知り合いの人など、沢山の人に「ぶどう苗木の会」をご紹介してくださり、会員さんになっていただきました。

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2つめは、「ぶどう苗木の会」の会員のみなさんにワインを配った時のことです。

今年、ワインが100本できました。初めて会員のみなさんにワインを配ることができました。

「ぶどう苗木の会」は2017年に会員を募集して、支援金額の目標を300万円にしました。半年で300万円を達成したため、そこからは、会員を募集していませんでした。

2017年のスタート以来、初めてワインをお渡しできることになったのですが、中には支援したことを忘れている人もいました。

私は、お一人お一人、家を尋ねて手渡しでワインを渡しにいきました。

すると、まさかワインができると思っていなかった人が結構たくさんいました。

私が畑を重機で開墾している姿を見て、応援してくれた人ばかりですので、ワインができたことを伝えると「よく本当にできたね」と泣いてくれる人とが沢山いました。

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「あの時、重機で開墾していたよね」「本当にできると思わなかったけど、本当にできたんだよね」と、労いの言葉をかけてくださいました。その声に私も感動しました。

本当に奇跡が起きたと、私は思っています。

「鎌倉でワインを作るのは無理だ」という声は沢山ありました。

でも、ワインが誕生して、そのワインを飲んでくれて、
「よくやった」「美味しかった」という声を沢山いただきました。

だからこそ、ワインをお渡した時の反応は、忘れられません。

会員のみなさんが喜ぶ顔を見た時、コミュニティが作れることを確信しました。

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ー夢のミッションに取り組んでいる中で、今一番ワクワクすることはなんですか?

私が今一番ワクワクしていることは、樽の中に入っているワインの試飲です。

私のワインは、ワイン酵母を使っておらず、自然酵母です。酸化防止剤もほとんど使っていません。
なので、味は、神様が決める味です。まさしくナチュラルなワインです。

味見するまで味がわからないので、試飲の度にワクワクしています。

ぶどうを収穫の日も楽しみです。

ぶどうを収穫する日は、1年間の成果の日です。会員のみなさんが喜んでくれる日です。

収穫の日は、みんなでワイワイ盛り上がって収穫します。
ぶどうも食べ放題なので、みんなでぶどうを摘みながら収穫します。

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ー最後に「みんなの夢AWARD」へのエントリーをお勧めするなら、どんな人にお勧めしますか?

私が思うには、これから起業をする人にお勧めします。
起業後だと、自分の事業に引きずられて、色んなアドバイスをもらった時に柔軟に対応ができないかもしれません。起業前であれば、色々なバイアスがかかっていないので、自由にビジネスを描けるのではないかと思います。

なので、ある程度、ビジネスモデルが形になっていて、起業直前の人がいいかもしれません。形になっていないと、夢物語に終わってしまいます。

私も、3年の私なら、グランプリになれていないと思います。「鎌倉でワインなんて無理でしょ」と言われて終わっていたと思います。形になってきて、リリースの直前だから、評価されたのではないかと思います。
確度が高くて、自信が持てる人。あともう一押ししてもらうことで、ビジネスが動き始める人にお勧めしたいです。
そのような人にとっては、大きなチャンスを得られる機会になると思います。

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【インタビュー後記】

柔らかな雰囲気の内側に、熱い情熱をお持ちの夏目シンゴさん。

インタビュー中も、語りは柔らかですが、言葉の端々に情熱を感じました。

普段、日中は会社員としてお仕事をされているので、
ぶどう畑での作業をされる時間は早朝だそうです。

夏目さんのぶどう畑は、鎌倉の農業振興地域にあります。

朝日がのぼる中、夜明けを感じ、
自然にしかない音と香りを味わいながら、作業をするそうです。

街には街ごとの香りがある。畑にも畑ごとの香りがある。
それぞれの香りを楽しむ。

ソムリエをされていた、夏目さんらしい言葉です。

都内にいると、触れる機会がない経験。

このようなことも、農業を通じて感じてもらいたい。
特に若い人に伝えていきたいと仰っていました。

グランプリを受賞し、6月から農業法人として新たなスタートを切られる
夏目さんの活動をこれからも追ってまいります。







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