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読売新聞社書評委員会経験者の本当にお勧めしたい本

はいどーも、ユーマです。

本日1月10日にAPU(立命館アジア太平洋大学)にて出口学長の呼びかけのもと、読売新聞社書評委員会経験者の7名の方に来学していただき、推薦図書について私たちAPUの学生に是非読んでほしい一冊と、お気に入りの一冊を紹介していただきました!!

本記事では<Part.1>と題して私たち大学生に読んでほしい本7冊を紹介し、次回<Part.2>として皆さんのお気に入りの一冊を紹介させていただきます!


出口学長推薦図書


今年現天皇が退位されますが、現代の医療の発展で長寿社会が生まれている中、次の天皇の退位に立ち会えるのは何年後なのか?そんなことを考えると、日本の天皇制について今一度考えるきっかけが今年あります。

天皇が行なっている行事・儀式はたくさんありますが、そのほとんどが明治以降に作られたものばかりです。

なんでそんなものを作ったかは、この本を読んでからのお楽しみでございますが、明治維新後それらの儀式のほとんどは儒教の教えから借りてきたものばかりだそうです。

というのも、日本の宗教である神道はそこまで強い宗教ではないため、ありがたい儀式を作る能力があまりないそうです。

この本には現行の天皇制を理解する上で最も分かりやすく纏まった本であると同時に、天皇が何をやっているか理解するのに最適だそうです!!

ちなみに、皇后陛下は蚕(かいこ)を飼っているらしいですよ!
『めちゃおもろい』とのことなので、是非





清水克行氏推薦図書



手塚治虫が亡くなったのが平成元年なので、今年で30年も経ちました。当時はマンガ論なんていう学問はありませんでしたが、今では大学の講義にもなるような学問に発展してきました。もしかしたらゲームなどもそのうち学問になるかもしれませんね。笑

マンガが学問に発展するきっかけとなったのがこの本と言っても過言ではないのがこの本です。本書では手塚治虫の書いた絵から手塚治虫論を解いているのですが、皆さんマンガに”描線”というものがあるのはご存知でしょうか?

日本のマンガが世界よりも発展している理由の一つがこの描線の発展でもあります。例えば、何かを投げた時にスピード感を表す”シュッ”みたいな記号や何かに気づいた時に、”ハッ”となる記号です。

そう言った暗黙知的記号を発展させたのが、手塚治虫なのです。この本は手塚治虫の描線の革命を紐解いています。

それまでは作者が作品についての思いを語った後にそれに対する書評・批評を出していましたが、この本ではそんなことは置いておいて、ただ絵のみを学術的に評価したものだそうです。

手塚治虫に追いつけ追い越せで発展して言ったマンガ技術に彼自身が追いつけなくなりながらも、必死に食らいついていくドラマチックな一面もあるそんな面白い本となっています。

学術と言ってももっと幅広い視野で楽しく学んでもいいんだ、という意味を込めて学生にはおすすめしたい一冊です!!


清水克行氏
明治大学商学部教授。専門は日本中世史。NHK「タイムスクープハンター」など歴史番組の時代考証も担当。著書に『室町社会の騒擾と秩序』『喧嘩両成敗の誕生』など





宮部みゆき氏推薦図書



この本は小学校4年生から中学生くらいまでを対象として出版されている岩波書店さんから出されています。『そんな本を大学生にお勧めするのもおかしいかもしれませんが、私は今でもこの作品を目標にして書いている。』と仰られてました。

私はサスペンスを書いているのですが、この本では他の少年文庫には描かれていないような”壊されてしまった幸せの価値”や、”そのあとに人間に残る善”だったりと、いろいろ描かれており、宮部みゆきの原点となっている本です。

いつかこんな本を書いてみたいな〜だそうです!!
宮部さんが目標にしている本だと思うと、読みたくなりますね!!


宮部みゆき
OL、法律事務所、東京ガス集金課勤務の後、小説家になる。1987年「我らが隣人の犯罪」でデビューする。以後『龍は眠る』(日本推理作家協会賞受賞)『火車』(山本周五郎賞受賞)『理由』(直木賞受賞)『模倣犯』(毎日出版文化賞特別賞受賞)などのミステリー小説や、『本所深川ふしぎ草紙』(吉川英治文学新人賞受賞)『ぼんくら』などの時代小説で人気作家となる。最近では『ソロモンの偽証』が映画化された。





松木武彦氏推薦図書



私はご飯を食べながら本を読む癖があるんです。あんまりお勧めできるような癖じゃなくて、、、だからたまに溢れた醤油がついてる本とかもあるのですが笑。 要はこの本が私のご飯に無数の回数立ち会った本でございます。

高校時代は人の不幸は楽しいやないですか笑
最初はそんな興味で読んでいたけど、この本にはポジティブな人間関係でいたいけど、どうしてもネガティブな関係性を作ってしまった人たちがいっぱい出てくる。

生きていく中には、性格や運のせいでネガティブな関係ばかり作ってしまう人もいる。そんなことが書かれていたりする。

今私60歳くらいなんですけど、これくらいになってくると、このネガティブな人たちに引かれてしまう自分がいるんです。必ずしも、ポジティブな関係性ばかりではない。それが人生なんだと、ポジティブとネガティブが合わさって人生。その比率は人それぞれやねんけど、そーゆうのが面白い。

まぁとりあえず、私の大好きな本ということでございます。

年齢と共に感じ方が変わってくる人生とともに歩める本みたいです。
僕も是非今のうちに読んでおいて、10年後とかに読み返してみたいものでございます!


松木武彦
国立歴史民俗博物館教授。専攻は日本考古学。「全集日本の歴史1 列島創世記」でサントリー学芸賞受賞。






柴田文隆氏推薦図書



ファインマンさんというのは、量子電磁力学の発展に大きく寄与したことにより、ジュリアン・S・シュウィンガーや朝永振一郎とともにノーベル物理学賞を共同受賞したようなすごい人なんですが、

私がこの本を読み始める前、”俺なんか天才なんだぜ!”みたいなことが書いてあると思いきや、自分の信じる道をただ突き進む面白い人で、”ただ”首から上にスパコンが入っている人だったってゆう話なんですけど、面白いの


知識ってなんだろう。知ってるってなんだろう


私たちは早押しクイズみたいなのが知識だと思いがちだが、本当にものが落下するというのはどういうことなんだろう?と言った今まで証明されてきたことに疑問視している人なんですよね。

ある一つのことを知ろうとする根源的な欲望に忠実な人だったんですけど、私は一つ言葉が忘れられないのですが、それは彼の死後研究室を整理している時に見つかった言葉なんですが、

What I can not create,  I didn't understand.

という言葉が印象に残っています。

私が気持ちが萎えている時にこういう本を読むんですが、今までこの本を読んだ日付を書いているしおりをみてみると、14回も読んだみたいです。笑

そのくらい元気になれる本なので皆さんも是非!!


柴田文隆氏
透子湯農業大学応用生物科学部教授。著書に「戦後70年 日本の記憶」「ノーベル賞10人の日本人ー創造の瞬間」など





奈良岡聰智氏推薦図書



APUが国際関係に興味を持っている人が多いということでこの本をお勧めさせてもらいます。

北方領土問題の現状ですが、ロシアのプーチンさん、日本の安倍さんという長期政権が成り立っている今でないと解決しないとのことで、現在頑張って進められているのですが、皆さんはどんな形で決着すると思いますか?


4島全部帰ってくる
2島だけ帰ってくる
2島先に帰ってきて、そのあともう2島返してもらう
2島返してもらって、領土以外の何かをプラスで返してもらう

どれだと思いますか?

会場では「2島を先に返してもらって、そのあともう2島返してもらう」が一番多かったのですが、この結果を見て奈良岡さんは日本の政府が進めてきたプロバガンダの成功を感じてました笑

結果として、この本は2島+Aになるのじゃないか?という論点を書いた本

日ソ共同宣言では2島だけ返してもらうことしか書かれておらず、日本政府は後の2島はこれから決めていきましょう。という口約束を結んでいたが、結局は口約束だけであったようです。

日本も諦めていたその時、アメリカから2島だけで妥協したら沖縄返さんぞ!と威圧を受けたので残りの2島も頑張って取り返します!!っていうプロバガンダを埋め込んできた。

この本は長年北方領土問題について研究してきた東郷さんが独自に仕入れた情報などを元に政府に語られていない話を盛り込んだ本となっていて面白い。


奈良岡聰智
京都大学大学院法学研究科教授。専門は日本近代政治外交史。著書に「加藤高明と政党政治」で吉田茂賞受賞。「対華二十一ケ条要求とはなんだったのか」(サントリー学芸賞、アジア・太平洋賞大賞)





稲泉連氏推薦図書


最近ZOZOの前澤さんが月に行くと言って話題になりましたが、この本はアポロ計画などで宇宙に出た人たちを立花さんという当時日本で一番有名なジャーナリストが取材した内容を本にしたものになってます。

その人たちの宇宙体験がどういうものだったのか宇宙飛行士たちが語る地球の美しさがいろんな言葉で書かれており、月から見る地球が宇宙飛行士たちにどんな意識の変化を生み出したのか?軍人やエンジニアが持っている言葉では地球の美しさを表す言葉が見つからない。立花さんがその言葉を見つけていく過程も描かれている。

平地でくらいしていると、私たち人間の違いばかりに目が行くが、宇宙から地球をみてみると、そこに違いなんてなくて、人間みんな一緒じゃないか!と思えてくる。

1983年の本だけど、その時から人間は月に行ってないので、今読んでもめちゃくちゃ新鮮な読書体験になるんじゃないかなと思ってお勧めします。

前澤さんに月に連れて行ってもらうために、この本を読んでみるのも一つかもしれません!笑


稲泉連
ノンフィクション作家。『僕が学校を辞めると言った日』により、第59回文藝春秋読者賞受賞。『僕の高校中退マニュアル』で単行本デビュー『ぼくもいくさに征くのだけれど―竹内浩三の詩と死』で大宅壮一ノンフィクション賞受賞



どうでしょう?読んでみたいと思える本はありましたでしょうか?
<Part.2>では今回お越し下さった皆さんのお気に入りの一冊を紹介いたします!!

お楽しみに!



ps. 私もいつか誰かに紹介されるような書き手になれるよう努力したいと思います!よかったら私の過去記事読んで見てください!


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