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【感想・ネタバレ有】『同志少女よ、敵を撃て』|読書感想文|めちゃくちゃ面白かった

先ほどAudibleにて、

『同志少女よ、敵を撃て 』(逢坂冬馬)

を一気読みしました。

まずは感想を一言で…(表せないけど)

登場人物たちに感情移入しすぎて、戦場のシーンは常にハラハラもして、とても面白かったです。読み始めたら止まりません。一気読み。

めちゃくちゃおすすめです。

以下に詳細を記載いたしますので、よければご覧ください!

※ネタバレ有※

①あらすじ

第二次世界大戦の独ソ戦で、女性狙撃兵を描いた戦争小説。

1942年、独ソ戦争の中、少女セラフィマの住む農村にドイツ軍が現れ、母親はドイツ軍の狙撃兵イェーガー殺され、村の人々も皆惨殺される。セラフィマも銃口を向けられ殺されかけた時、ソ連軍のイリーナが現れ、命を救われる。そこでイリーナは、亡くなった村人たちを村ごと焼き払う。それを見たセラフィマが『母を殺したイェーガー・村を焼き払ったイリーナ』に対し、復讐をすることを心に決める。その後セラフィマは狙撃兵訓練学校に入校し、訓練学校で出会った仲間と共に、地獄と化している戦場へ足を運ぶ。

②登場人物

・セラフィマ(主人公)

母を殺したイェーガーと村を焼き払ったイリーナに復讐をするために狙撃訓練学校へ入校する。「セラフィマの『敵』とは何なのか」というのが重要なテーマ。

・イリーナ

セラフィマを助けた元狙撃兵教官。セラフィマを助けた後、村人を焼き払った。かつては、狙撃兵として100人近く殺している。とても厳しいが、その裏には優しさが垣間見える。

・シャルロッタ

狙撃訓練学校のセラフィマと同級生の少女。はじめセラフィマとは仲違いするが、後に同志として戦場を共にする。普段は明るい性格。

・ヤーナ

狙撃訓練学校のセラフィマと同級生であるが、年は10個程上。周りの同級生からは「ママ」と呼ばれ、親しまれている。

・オリガ

狙撃訓練学校のセラフィマと同級生の少女。初めはシャルロッタたち同級生に優しく、訓練を共にしていた。しかし実はNKVD(ソ連の内務人民委員部)であり、スパイで皆を監視しているのであった。

・アヤ

狙撃訓練学校のセラフィマと同級生の少女。狙撃の腕は誰よりも抜群であるが、仲間と馴れ合うことを好まない。

・ターニャ

看護士。途中からセラフィマたちと合流し、仲間の狙撃兵たちの看病をする。

・ユリアン(男)

途中からセラフィマたちと合流し、狙撃兵として戦況を共にする。初めはセラフィマたちに対し「女かよ」と侮辱するが、共に協力して戦うことになる。

・イェーガー(男)

セラフィマの母を殺したドイツ軍の狙撃兵。狙撃の腕は抜群で、セラフィマの復讐に燃えている相手。腕は確かだが、気が弱いところが妙にリアル。

・ミハイル(男)

セラフィマの幼馴染で、将来結婚するものだと思われていた。セラフィマは狙撃兵へ、ミハイルはソ連軍へ。そんな戦中、奇跡的に二人は再開する。

③感想

私が印象に残ったところについて、簡単に書いていきます。

・セラフィマの「敵」について

この本のテーマの1つ。ラスト「敵」に対してセラフィマが銃を放つのですが…これは本当に衝撃的でした。まさかの展開。

まぁ…綺麗事ばかりのクソ野郎でったので仕方ない。か。

・イリーナについて

戦時中イリーナが皆んなを率いている姿がとてもカッコよかったです。ただ、振り返ると戦時中のイリーナが辛すぎました。

・セラフィマたちに狙撃兵として生きる意味を教えた
・しかし教え子がだんだんと殺人鬼と化してしまう
・さらには教え子が戦争で命を落としてしまう
・最後は自分も死ぬつもりだった

「厳しさの中に優しさあり」
という言葉だけでは表せられないような感じ。

ラストはセラフィマと結ばれた?みたいで本当に良かったです。

・狙撃訓練学校の同級生について

セラフィマ、シャルロッタ、ヤーナ、オリガ、アヤ

同級生のこの5人、感情移入しちゃうくらい皆んな大好きでした。みんな生きててほしかった〜。

まず、アヤが序盤に死んでしまったのは残念でした。もし生きていれば、最強の女性狙撃兵となっていたかもしれません。

オリガのラストも悲しかったです。
途中から心を閉ざしている描写ばかりでしたが、命懸けでセラフィマを守ってくれる姿には感動しました。

まとめると、(次に記載するミハイルと違って)
ヤーナが男の子を助けるところや、オリガがセラフィマを助けるところ、セラフィマとイリーナが味方のミハイルを殺そうとするところなど、

皆信念があり、本当に素敵でした。

このように本作は、イリーナも含め、
女性陣が美しく輝いていた印象です。

・男性陣について

イェーガーは、ラストのかなり重要なところで登場した割には、なんだかパッとしなかったですね。

そしてミハイルは何を考えていたのか…謎すぎます。

【ミハイルへの怒り】
・なぜドイツ人女性に暴行したの?
・セラフィマに話したことは全部嘘だったの?
・序盤から伏線のあったセラフィマと結婚するラストはどこへ行ったの?
・女性を犯すことを正当化しようとしているところが見苦しい。
・ラストを知るとただの綺麗事ばかりの言い訳のようにしか聞こえない。
【問題の場面】

セラフィマ
「何があっても女性を暴行しない?」

ミハイル
「もちろんだとも。そんなことするくらいなら死んだ方がマシさ。」

どの口が言ってるんや!!!!笑
お前の信念はどこへ行った。

④おわりに

いや〜本当に面白かったです。

撃ち合う場面は、
自分が戦場にいるようで常にハラハラしましたし…。

読み終わった後は心が重たくなりますね。

アニメ化とかしてくれたらとっても嬉しい。
絶対に観に行きます。

めちゃくちゃおすすめの作品なので、
興味のある方は是非一度読んでみてください!

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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