見出し画像

認知症にやさしい健康まちづくりガイドブック 地域共生社会に向けた15の視点

「認知症にやさしいまち=全世代の健康と幸福を支えるまち」という考えから社会のフレームワークをつくる。そんな構想で取り組む京都大学を中心とした学際研究プロジェクトのチームメンバーが執筆。共に生きる社会の実現に必要なハード・ソフトのインフラについて、政策や制度設計の観点から俯瞰的にアプローチしたい人におすすめ。

内容紹介

認知症の当事者やその周辺で支える人たちにとって安心なまちは、どうすれば実現できるだろうか。本書では、医療や介護の視点にとどまらず、人権や年金などの社会保障、ICTや都市計画・交通サービスといったインフラまで幅広い角度から、全世代にやさしく健康な“地域共生社会”を構想するためのキーポイントを解説する。

目次

はじめに――なぜ「地域共生社会」が必要か

Section 1 当事者と支える人、それぞれへのアプローチ:人づくり・場づくり・機会づくり

Chapter 1 当事者の不安を和らげる
――認知症カフェの実践

●認知症になっても心豊かに過ごせる社会へ
●認知症カフェの課題とその解決に向けて
●認知症を理解するため一歩ずつ積み重ねを

Chapter 2 家族の負担に向き合う
――認知症の人と家族の葛藤を予防するために

●認知症の人と家族が歩んできた道
●認知症の人の新しい生き方を求めて
●認知症の人と家族の孤立・介護を巡る葛藤
●認知症の人と家族をとりまく環境と認知症カフェの可能性
●認知症カフェの利用により本人と家族の相互理解が進展したM.S さんの事例

Chapter 3 コミュニティの中で支え合う
――認知症サポーターの可能性

●まちにおける市民参加・認知症サポーターのいま
●支え合うまちづくりに向けた課題
●支えあうまちの実現に向けて求められるアクション

Chapter 4 社会参加の活動をつくる
――社会的バリアフリーと世代間交流

●認知症の人の「社会的健康」の向上としての社会参加
●みんなのための社会参加への課題
●世代間交流プログラムやICT 活用を実施した事例

Chapter 5 差別と偏見を予防する
――マスメディアと教育の活用

●認知症に対する差別と偏見
●情報を伝え、イメージを形成するマスメディア
●認知症を理解し、高齢者との交流の場を持つ学校教育
●人生100 年時代における生涯学習と地域の活性化
●全ての人が認知症を正しく理解し、寄り添う社会へ

Section 2 社会保障・制度へのアプローチ:福祉・年金・医療・介護

Chapter 6 “なる前の備え”を促す
――成年後見制度の視点から

●誰もが認知症になる可能性がある
●認知症になったときの困りごと
●認知症になったときに使える事業や制度
●認知症と意思決定支援
●「なる前の備え」とは
●認知症とともに生きる社会は、理解と支え合いが鍵

Chapter 7 年金リテラシーを育む
――低年金の予防の重要性

●健康長寿社会と老後生活資金確保の重要性
●老後生活資金不足と乏しい年金リテラシーの問題
●年金リテラシーを高める3 つの方策

Chapter 8 医療からのサポート
――病型の理解と環境整備

●認知症の医学的背景・医学的動向
●予防未解明のアルツハイマー型認知症
●診療の環境整備
●受療しやすい地域のために

Chapter 9 介護と介護予防に取り組む
――暮らし続けられる地域に向けて

●住み慣れた地域で安心して生活を継続するための取組
●介護の担い手の負担と介護予防への取組
●認知症対策事業や介護予防事業の実例

Chapter 10 地域包括ケアシステムをひろげる
――コミュニティレベルの互助

●地域共生社会を実現するための地域包括ケアシステム
●どのような人々にとって、どのように制度が利用しにくいのか
●事例から考える望ましい支援と社会のあり方~地域での「共生」に向けて~

Section 3 まちづくりへのアプローチ:誰も取り残さない社会へ

Chapter 11 情報をやさしく伝える
――コミュニケーションのためのポイント

●我が国の情報化の流れ
●情報化のための課題
●認知症への対応をめぐる情報化の具体的な取組の例

Chapter 12 健康のインフラを整備する
――ウェルビーイング・レジリエンス・データ活用

●健康を支えるまちの条件
●認知症の人とその家族を取り残さない
●支えあう活動がひろがるまちの仕組み

Chapter 13 交通サービスを立て直す
――認知症の人も含む利用者目線のユニバーサルデザイン

●真に豊かな地域を目指して
●求められる弱者への配慮
●新しい時代の交通まちづくり
●認知症患者に寄りそう空間整備の事例

Chapter 14 ウォーカブルなまちをつくる
――医療・福祉と都市・交通の統合に向けて

●認知症に優しいまちづくりを考える視点
●日本の都市・まちづくりの何が課題か
●国内外の事例からみるコミュニティ空間とウォーカブルなまちづくり

Chapter 15 全世代にやさしいまちづくりへ
――健康・ウェルビーイングを目指す社会経済活性化フレームワーク

●認知症にやさしいまちは、全世代にやさしいまち
●人々が健康になるまちづくりに向けたフレームワークをつくる

書誌情報

体 裁 A5・188頁・定価 本体3000円+税
ISBN 978-4-7615-3290-1
発行日 2023-03-31
装 丁 中川未子(紙とえんぴつ舎)

詳細

https://book.gakugei-pub.co.jp/gakugei-book/9784761532901/

Amazon


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?