プログラマが難易度1の論理クイズに苦戦するなど。 ABCの犯人探し - 書籍「論理的思考問題」より
自分は仕事がプログラマなので、論理的思考力が自然と磨かれていると思っている。言ってみたらロジカルシンキングにはちょっと自信がある。
だが書籍「論理的思考問題」の難易度1の問題がすんなり解けなかった。これはとても悔しい。
問題
認知トラップ1
社員C,Dが「ある発言をした」と書かれたそのすぐ次にイラストが描かれており、全員が「犯人はBです」と言ったかのように誤認させられた。
実はイラストでもB,Cの発言は伏せられていることに気づくのに少しかかった。
これは問題のイラストの描き方が悪かったのか、もしくは意図的なトラップかもしれない。
認知トラップ2
社員B,Cも「ある発言をした」と書かれているが、Aが犯人が誰かを発言した事実に引っ張られて、B,Cも誰かが犯人だと述べたかのように誤認されられる。
もしくはB,Cの発言が問題の鍵であるように誤認させられる。
だがあくまでB,Cが何を言ったかは分からないし、発言内容が全く分からない以上は、発言が問題の鍵になるとは考えにくい。
つまり問題の鍵は
Aの発言内容
犯人が1人だという情報
犯人だけが真実を言っているという情報
に限られることになる。
認知トラップ3
「犯人だけが真実を言う」ということに惑わされる。なぜから通常、犯人は嘘をつくものだからだ。
この常識に反する事態に論理矛盾を感じ、真実に辿り着くのを邪魔される。
認知トラップ4
A,B,Cの発言の結果として、以下の事実が分かったかのように誤認させるが、実はそうではない。
よく読むと問題文には単に「その後、分かった」としか書かれていない。
つまりB,Cの発言内容が何であったのかを考えさせるようにミスリードさせられている。
解答への道
Aが「Bが犯人だ」と言っているが、もしこれが真実であるとすれば、Aが犯人だということになる。
なぜなら、この中で真実を言っているのは犯人だけだからだ。
これは矛盾している。
もしAの発言が真実なのであれば、その発言内容は「私が犯人だ」でなければならない。もしくは犯人が複数存在しなければいけない。
つまりAの発言は嘘。
認知トラップ5
ここにもまた認知トラップがある。
Aが犯人でもないにも関わらず嘘をついているということだ。これもまた現実世界の常識、あるいは引っ掛けのない一般的問題の常識のイメージとは異なる。
そのため「Aが嘘をついている」という事実を心理的に受け入れづらい。つまり常識が論理を邪魔している。
続 解答への道
さて本題に戻ると、Aの発言が嘘であるということは、Bは犯人ではないことになる。
なぜなら「犯人はBである」という発言が嘘であると先ほど分かったからだ。
AもBも犯人ではないので消去法で犯人はCということになる。
だがスッキリとしない。
解答にはたどり着いたがなんとなく腑に落ちない。この感覚は何故なのだろう。
普段生きている世界の常識と違いすぎる設問だからなのかもしれない。
もしくは解答にたどり着いたその道筋、論理を自分でうまく噛み砕いて説明しづらいからなのかもしれない。理屈は分かるが論理の根本が理解できないというかなんというか。
自分はふだん人の話を聞くときに、
自分なりに理解した内容で言い換えることが多い。「つまりこういうことですよね」「要するにこういうことですよね」的な聞き返し、反復をして、話が噛み違っていないかを確認し、自分向けにも理解の要約を染み込ませるのだ。
だかいつもやっているこの方法が、この論理クイズは効かない。だから答えが分かってももどかしく感じるのかもしれない。
そういえば有名なモンティ・ホール問題も何度も聞いてもなんだか腑に落ちないんだよな。
だけど頑張ってこの問題を要約するならば、
つまり
Aの発言内容と証拠二個の矛盾によって、Aの発言が嘘であることが分かる ( 発言の信憑性判断 )
Aの発言が嘘であることによって、A,B両方が犯人でないことが同時に分かる
の二段構えだと言えるだろうか。
ここまで書いてもなんだか腑に落ちない。自分がちゃんと理解できている気がしない。
だがしかし、こんな風に論理問題を分析して根本理解まで降りていこうとするあたり、いかにも
プログラマらしくてロジカルな気質がある
と思って自分を慰める。少なくともしなやかなマインドセットならびに、やり抜く力GRITはあると思っておこう。
こういう純粋なIF THEN の抽象問題も得意になりたいものだ。
これが解ける能力がいわば数学的思考力ということなのかもしれない。
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