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1か月予報(7/3~8/2)

7月1日発表の1か月予報です。

北日本では暑さ、東日本は梅雨末期の大雨に警戒が必要です。

1.一般向け

東日本は梅雨末期の大雨警戒

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向こう1か月の降水量は東日本で平年並みか多く

その他はほぼ平年並みの予想です。

北日本もどちらかと言えば多雨傾向です。

これは太平洋高気圧の西への張り出しが平年より強く

梅雨前線の北上が例年よりやや早まるためです。

前線の影響を受けやすい東日本と北日本は

日照時間も少なく、平年と比べ曇りや雨の日が多くなるでしょう。

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西日本の梅雨明けは7月上旬ごろで

東日本以北は7月後半となりそうです。

梅雨末期の大雨に警戒が必要でしょう。

気温は北ほど高め

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向こう1か月の気温は北日本で平年並みか高い予想です。

7月前半は日本の北側で偏西風が平年より北を流れるため

暖かい空気に覆われやすく

その影響を北日本でも少し受ける見込みです。

熱中症に注意しましょう。

2.専門版

ラニーニャ的

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SST(海面水温)

赤道域のSSTは西部太平洋域で高く、中部~東部で低温偏差。

ラニーニャ的な分布となっている。

また、日本の南海上は負偏差となっているが

前1か月の850hPa流線関数を見ると日本の南は低気圧性循環偏差となっており

エクマン輸送により暖水が外に運ばれ、冷水域が広がったとみられる。

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850hPa流線関数(6/26~7/2)

MJO

熱帯の対流活発域は1週目太平洋西部~中部、2週目太平洋東部

3~4週目に南米~大西洋に達する。

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200hPa速度ポテンシャル(熱帯域、1か月)

PJパターン

前述のラニーニャ的SSTにより、200hPa速度ポテンシャルは

1週目東半球と西半球で負偏差と正偏差のコントラストが非常に明瞭。

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200hPa速度ポテンシャル(1週目)

これはMJOがちょうど太平洋西部を通過することも影響しており

PJパターンが強まることが示唆される。

850hPa流線関数の高気圧性循環偏差は中緯度帯太平洋中部を中心として

中国大陸の華南東岸付近まで伸びており

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850hPa流線関数(1週目)

海面気圧も日本の南で明瞭な正偏差がみられ

太平洋高気圧の西への強い張り出しをあらわしている。

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海面気圧(1週目)

但し、オホーツク海高気圧が例年より強く(指数が正偏差)

太平洋高気圧の北への張り出しは平年並みである。

オホH

西日本の梅雨明け

500hPa高度場では5880m線は九州・四国付近を通っており

7月上旬で梅雨明けするのはサブハイが覆う

西日本が中心であることがこれから読み取れる。

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500hPa高度(1週目)

東日本の梅雨明け平年並みか?

2週目も海面気圧では北日本付近にくびれがみられる。

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海面気圧(2週目)

500hPaのサブハイは1週目と同様の位置で

東日本もまだ完全には覆われていない。

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500hPa高度(2週目)

日本の東にはトラフがみられ、これがサブハイの北への張り出しを抑止している可能性がある。

なんとなく亜熱帯ジェットの波列がみられるように思うがもう少し考えてみる。

蛇行逆転の原因は

200hPa流線関数は1週目日本付近は高気圧性循環偏差だったが

2週目以降低気圧性循環偏差となっている。

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200hPa流線関数(左:1週目、右:2週目)

何が変わったのかをたどると

まず波列を見ると、

1週目はインドの北で低気圧性循環偏差が見られるが

2週目は高気圧性循環偏差となっている。

これにより波列が逆転した可能性が高い。

さらにインド洋の降水量偏差を見ると、

1週目は西インド洋で正偏差、東で負偏差となっているが

2週目はその逆の偏差となっている。

このあたりが対流活動に影響を与え亜熱帯ジェットの蛇行に寄与したのかもしれない。

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降水量偏差(左1週目、右:2週目)

チベット高気圧が弱い

3~4週目の200hPa流線関数は中緯度帯は広く低気圧性循環偏差であり

チベット高気圧の西への張り出しは平年より弱い。

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200hPa流線関数(3~4週目)

この原因はよくわからない。

一方で、850hPa流線関数は日本付近は明瞭な高気圧性循環偏差で

太平洋高気圧の勢力はやや強い。

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850hPa流線関数(3~4週目)

極端な猛暑にはなりそうにない。

850hPa温度場は西~東日本は負偏差域であるが

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850hPa温度(3~4週目)

これは一番最初に書いた日本の南のSST低温偏差が影響していると思われる。

太平洋高気圧の強まりにより湧昇が止まって

次第にSSTは上昇するであろうから

ここは割り引いて平年並みの気温とするのが妥当であると思う。




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