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【生物基礎】顕微鏡観察【授業実践備忘録】

「YUM先生は普段どんな授業をされてるんですか?」
こういった質問を同僚から、あるいはSNS上でされることが増えて参りました。
そこで、僭越ながら私がこれまで高校で行ってきた授業内容の覚え書きを綴っていきたいと思います。
今回は1学期期末テスト終了後、夏休み開始直前に行った顕微鏡観察の実験についてつらつらと。


対象

高校1年生5クラス(各クラスとも38〜39人いる)

生徒観

正直なところ学力はあまり高くはないが、授業に対しては前向きに取り組んでいる。
授業では挙手により積極的に発言したり、活発に話し合いをしている。

顕微鏡操作についてはどの生徒も中学校で経験があり、6月の段階で顕微鏡操作の復習課題にも取り組み、事前に学習している。

教材

教科書・自作の実験プリント

この授業の目的

ユリの花粉・オオカナダモ・シアノバクテリア(イシクラゲ)のプレパラートを観察しながらスケッチし、原核細胞と真核細胞の構造を比較した。

顕微鏡を使う前に確認

授業の冒頭、顕微鏡のレンズの光軸がぶれるのを防ぐため、片手でアーム、もう片方の手で鏡台をもって浮かせて顕微鏡を持ち運ぶように指示した。
今回の実験で行うことを一通り説明した後、実際に顕微鏡で観察する前に、次の課題に取り組んでもらった。

1.プレパラートを右上に動かした際、レンズから見た像はどの方向に動いて見えるか?
(答え:左下・・・レンズから見た像は実像と上下反転する)

2.接眼レンズが10倍、対物レンズが10倍だとすると、全体の倍率はいくらになるか。
(答え:100倍)

3.対物レンズの倍率を10倍から40倍に変えた時
(1) 視野はどのようになるか?(狭くなる・・・もとの1/16になる)
(2) 明るさはどのようになるか?(暗くなる)
(3) 対物レンズとプレパラートの距離はどうなるか?(近くなる)

いざ観察

シアノバクテリアとユリの花粉については、事前に実験助手の方にプレパラートを作成していただいていた。
授業の中では、生徒にはオオカナダモの葉を2枚ちぎり、プレパラートを2個作成してもらった。
4人1班となり、これらのプレパラートを回しながら観察した。
また、生徒は常時個々にiPadを携帯しているので、iPadのカメラ機能を使って、顕微鏡のレンズの映る像を写真で撮ることも許可した。

ユリの花粉

米粒ではありません(笑)

オオカナダモの葉

緑色の粒の葉緑体が見かけ上動いて見える「細胞質流動」を観察できたところもあった。

シアノバクテリア

小さな細胞が数珠のようにつながっているのが特徴的。

ここで振り返り

事前学習をしていたこともあって、操作でわからないことが出てきたら、教科書や事前学習の課題プリントを調べたり、生徒たちの間で協力して解決する姿が見られた。
また、実験レポートを見てみると、正確にスケッチをするだけでなく、特徴を自分の言葉で書き込んでいた生徒もいた。
今回の実験は45分授業という中ではあったが、非常にスムーズだった。
特に、助手の方がしっかりと準備をされていたことが非常に大きい。
助手の方に深く感謝。

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