見出し画像

ソーシャルスタートアップ合宿/創業1年目An-Nahalの場合|会社とメンバーのCo-Creationを探る【後半】

こんにちは。
違いに優しい社会を創るAn-Nahal代表の品川優です。

1月に行った合宿について実施の経緯や具体的な内容について2回にわたってお伝えしてきました。特に前回①チームメンバーを「お互いに」よく知り、Give & Giveの関係になることを目的として導入したワークをご紹介しました。

後半となるこの記事では、
②An-NahalとCo-Creationのポイントを探ること
を目的としてどのようなワークを行ったのか紹介していきます。

1.Co-Creationのポイントを探るのは何故重要なのか?

そもそも何故Co-Creation のポイントを探るのが大切なのか、についてですがそれは一人ひとりが会社を自分ごととして捉えるようになるためです。その上で私が意識したのは二つです。An-Nahalの合宿を例に、詳しく紹介していきたいと思います。

【1】私から伝えること:An-Nahalでこれから作っていくストーリーに共感ができるか
【2】一緒に想像/創造すること:自分自身が登場人物になることが想像できるか、ドキドキするか


【1】共感は第一ステップ|An-Nahalでこれから作っていくストーリーに共感ができるか

例えば映画でも好きなジャンル、ストーリーがありますよね。
この映画好き!人にもお勧めしたい!と思うような。いわゆるサポーターやファン。これも大事です。

まずこの「共感」につながるためには情報を開示すること、Transparencyが肝
特に創業期にはリーダーがひたすら走り続けていて、隠すつもりじゃなくてもメンバーからは何が起きているのか全然見えなかったりします。そして、隠されているような気持ちになってしまうことも。
映画でも、これはコメディーですと言われてもどんなキャストなのか、監督は誰なのか、あらすじは…というのがわからないと観たいのかどうか判断できないですよね。

100伝えたつもりが1も伝わっていない。というか真実は1しか伝えていない(伝えたつもりになっている)ことも日常茶飯事。ポイントは受け手の問題ではなく発信側の問題。
これが私のような突っ走り型リーダーの陥りやすい特徴。なのでこれでもかというほど手の内を晒します(笑)

よく恋愛マニュアル本では駆け引きが大事とか言われますが、チームにおいては真逆。不安要素としてのドキドキや緊張感は何も良い結果を生みません。
そこで、私から伝えたのは大きく分けて4つでした。

📍会社のあらゆる情報を自分の言葉で伝え、共有する

(1)設立経緯、ビジョン、ミッション
   知ってると思うけど、改めて伝えました。
   ▶︎大事なポイント:意外と知られていなかった(笑)
(2)プロジェクトについて
   動いているもの、止まっているもの、過去のもの、なしになったもの全て
   ▶︎大事なポイント:意外とチームメンバーにプロジェクトの進捗を
            共有していないことに気づいた。
(3)財務状況 
   ▶︎大事なポイント:納得してもらえる
(4)共同創業者@マレーシアからの現地レポート
   合宿の夜にマレーシアにいる共同創業者とビデオ通話で進捗報告を
   行いました。
   ▶︎大事なポイント(再掲):意外と知られていなかった(笑)

画像1

↑共同創業者@マレーシアから現地リポートの様子
(旧正月のマレーシアなので爆竹の音がスマホ越しに聞こえてきました笑)

ここでの発見は、メンバーに対して会社の状況をよく理解してもらえたことはもちろん、メンバーからのフィードバックも目から鱗なものが多くありました。

あるプロジェクトのクライアントの面白い取り組みについて詳しいメンバーがいてより深くクライアントのことが理解できたり、マレーシアと日本事業とのコラボレーションのアイデアが生まれたり、メンバーの本業にも役立ちそうな情報だったり…。
ここは全員複業の良さが出て、多様な視点からフィードバックや気づきを得ることができました。

本当は1日目に次のステップまで行きたかったのですが、1週間働いて溜まった疲れ、満腹感、心と頭を使ったディスカッションでヘロヘロになっていたのでおとなしく寝ることに。


ーーーーー 就 寝 ーーーーー

午前6時:起床!本場インドから仕入れた美味しいチャイを入れてみんなを起こします(笑)まだ眠い目をこすりながら、いよいよ合宿のラストパートへ💨

【2】共感からその一歩先へ|一緒に想像/創造できるか。

この時点でわくわくでしたが、An-Nahalのチームメンバーとしては
共感だけでなくもう一段踏み込みたい。
それが自分が登場人物になることを想像できるか、なりたいと思うか。
ファンやサポーターにとどまらず、登場人物として役割を持ち、個性を発揮しながら物語を発展させることに貢献してほしいと思っています。

そのために、1日目に取り組んできたメンバーひとりひとりの人生と、An-Nahalがどこで交錯するのかを一緒に考える時間に。具体的にやったことは2つあります。

📍1つ目:グラウンドルールづくり

ここまでの話を踏まえてTeam An-Nahalの現実的にベストな体制を一緒に考えていきます。率直にどんな風に関わっていきたいと思っているのか、コミットメントの度合いや役割、そしてコミュニケーション方法についてそれぞれシェア。

物語に例えるならば桃太郎やオズの魔法使いのように、それぞれのキャラクターの役割や得意なこと必要なサポートなどをシェアしていきます。
ここは遠慮したり、努力目標(実際は難しいこと)になっちゃうとあまり意味がないのでこのワークまでになんでも話しやすい雰囲気や関係性を作ることがとても重要です。

そうすると、大小様々だけどみんなが心地よく働くためのヒントが見えてきます。
ー実はSlackよりもmessengerの方が日常見るからちょっとした連絡は  messengerがいい
ー得意なのは事務局的サポートだけど、もうちょい踏み込んでプログラム開発にも関わりたい
ー3月末までは年度末だから本業が忙しいので4月以降になる(やる気がないわけじゃないけど、キャパが限界)

これは働き方が多様なチームではスタートアップに限らず定期的にチームで話すとお互いの遠慮や罪悪感によるコミュニケーションロス予防になるのでおすすめです。
「Slackが返信なくて忙しいかと思ってたけど、所属するSlackが多すぎて見れてないだけだった。メンション@つければ済む話だった」など気を使って滞っているケースも意外と多いのではないでしょうか。


📍2つ目:2020年の行動計画を全員でブレスト|一人ひとりの関わり方を知る

チームとしての体制が見えてきたら、An-Nahalとして達成したい1年間の計画を立てます。まずは理想の状態をマッピングし、その上で、それぞれがどんな風に関われそうか/関わりたいかを話していきます。

PR専門のメンバーから新しい情報発信ツールを使った取り組みのアクションプランが出たり、コミュニティ形成に関心あるメンバーからはコワーキングオフィス入居の提案が出たり、プログラム開発を得意とするメンバーからは具体的にローンチに向けたタスクの話が出たり、全ての取り組みに全員が関わるわけではないけれど、それぞれが関係するのでスケジュールの重なりや流れを考えたり、全体感を持つことにつながります。

また、やりたいけど今のリソースでは足りないことやそのために取り組むべきタスク(資金調達、パートナー発掘等)も明確になります。

私も一人で考えていた時には優先順位の高いタスクが山積でちゃんと進められるか不安な状態でしたが、達成するまでのステップやそのためのチームメンバーの役割が見えてきたのでポジティブに捉えられるようになりました。

この合宿では、1年間の大まかなアクションプランとメインメンバーが見えたところまでで終わりとなりました。

1ヶ月半ほどたった今は、まさにそこで決めたアクションを遂行するためにさらに具体化したタスクとして日々取り組んでいます。

2. CEOとして合宿を終えて|チームメンバーにとって会社が成長に繋がる場であって欲しい

最後に、合宿全体で意識していたことと私の気づきを紹介したいと思います。

①リラックスした雰囲気作り(緩急をつける)
今回メンバーそれぞれが繁忙期でお疲れモードであることがわかっていたので、ブートキャンプ的な雰囲気ではなくどちらかというとリトリートを意識した時間配分、空気作りを大切にしました。

体に優しい美味しいランチから始め、みんなで一緒に買い物と料理をする、二日目の朝は美味しいチャイを淹れて、お昼は鎌倉名物の茶屋へ。

もともと美味しいものが好きなメンバーなので(私も含めて)、食の楽しみは重要。また、節目節目にはゆったりめの休憩を入れて、それぞれが好きな音楽を流したり、オススメのyoutubeを紹介したり。そして、夜は当初よりも1時間ほど早く終えて、早朝からに変更。割と「ゆるさ」を大事にした合宿だったと思います。

これはメンバーの性格やチームの状況、確保できる時間にもよると思いますが、複業メンバーが多いチームの場合は一種のリフレッシュも兼ねられるような設計ができると暖かい雰囲気作りには繋がると思います。

②合宿を通じた私の学び
私の大きな気づきは、メンバーの想いをより深く知れたことで「それぞれにとってAn-Nahalが成長に繋がる場であって欲しい」と強く実感したことです。
会社のタグラインもUnlock your potentialなので、そりゃそうか、となったのですが私たちがサービスを提供していくクライアントだけでなく、An-Nahalに関わるメンバーやパートナーにとっても才能が開花するような関係性作りを大事にしたいと再認識しました。

自分にとって大切な価値観を思い出させてくれた、個性豊かで才能溢れるメンバーに改めて感謝しています。

”I hope our paths will cross again.” (またどこかでご一緒できる機会を楽しみにしています)

何か仕事を一緒にした相手に送るこの英語表現が好きなのですが、変化の多い時代で新しい課題にチャレンジする事業だからこそ一生このメンバーで一緒に仕事をし続けることはないでしょう。

でも、今一緒にできることに感謝して、またいつかどこかでコラボレーションができる、そんな緩やかだけど確かな絆を作っていきたいです。

ちょっと最後は潮らしくなってしまいましたが、3つの記事に分けてお届けした合宿の内容が少しでも参考になれば嬉しいです。

株式会社An-Nahal 代表
品川優

ー・ー・ー・ー・ー・ー・合宿の他の記事も読みたい方へー・ー・ー・ー・ー・ー

|株式会社An-Nahalが合宿を実施するまで

|合宿において重要なチームビルディング の要素とは何か

株式会社An-Nahalのマガジンフォローも是非よろしくお願いします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?