ゆくゆく

少しでも現実と寄り添えますように。

ゆくゆく

少しでも現実と寄り添えますように。

記事一覧

温泉の短歌

露天風呂どんぐりさんに注意する。「帽子は脱いで温まろうね」

ゆくゆく
7か月前
2

別れと訪れの短歌。

熾きる木と 去る白鷺と 胡桃の木 もう戻れないと 知らされて寝る

ゆくゆく
10か月前
2

心情と掛詞の短歌。

人生を潰したら楽しんじゃうの私のよ生活花枯れる

ゆくゆく
10か月前
1

私達の為の短歌。

敬虔なオクシモロンが狂おしい返しの付いたサボテン達よ

ゆくゆく
10か月前
1

都会での生き方の短歌。

都会に生きて、落ち葉や雪がないのなら、洗濯物に飛び込もう。

ゆくゆく
11か月前
2

割れた硝子の短歌。

割れた硝子も愛するわたしは、きっと別れることなんてできない。

ゆくゆく
11か月前
2

虚しさの短歌。

生き返らせたい人がいるなら、死んだ蝶に風を当ててやるといい。

ゆくゆく
11か月前
2

私とことばの短歌。

一度は捨てた文字たちを、今抱きしめてるのは浮気性だから?

ゆくゆく
11か月前
2

融けた氷と夜の短歌。

夜が青を飲み切り、空の器に細かな氷晶と混じり月浮く。

ゆくゆく
11か月前
2

100点中、26点の短歌。

数学の模試で気付けば、私のマークシートがメロディーを奏でていました。 余談:模試の詩ってことは模詩…ってコト?! …ごめん。 数学の模試、分からなすぎてとりあえ…

ゆくゆく
11か月前
2

四季の短歌。

森の静寂に風がさし、生命が歌い出したらそれは春だ。 お湯を沸かして紅茶を淹れ、冷めるのを待ったならそれが夏だ。 夕方が伸びはじめ、山が茜色のコートを羽織れば秋に…

ゆくゆく
11か月前
7

夏は。

夏は祈るべきである。 スーパーの夏休みコーナーに、この季節は詰まっている。漂う浮き輪の人工的な香り、あれは夏だ。 子供達が、鉄橋の錆に気付いた時、それも夏だ。 …

ゆくゆく
11か月前
3

鈍い輝きを持った存在の表現練習。

電球と埃が降ってくる。私に積もる。 天井が割れる。二階梁が露出する。 露出した二階梁に生えた釘達が、怪訝な目で私を見る。 私は何も言い返せなかった。 あとがき(…

ゆくゆく
11か月前
1

聴覚以外を使う音の表現練習。

ぶら下がり、緑に染まった硝子の花瓶。大地を求め、抵抗もせず引き寄せられる。 直後私の耳を、鋭い緑風が吹き抜けた。

ゆくゆく
11か月前
3

ふたりで一緒に。

桜色は枯れてしまった。 こんなにも恋しいから、貴方の視界も枯れていて欲しいの。 少しでも、私∩貴方でありたいのだ。 私=貴方の世界でいたいのだ。 今までの思い出は全…

ゆくゆく
11か月前
3

夜の鍾乳石。

夜の底が降りてきた。 先刻まで見えていた星々も、月だってもう見えない。 空気が、その更に上の空気に圧迫され、人々は動く事ができない。(或いは眠っているか。) 身を…

ゆくゆく
11か月前
3

温泉の短歌

露天風呂どんぐりさんに注意する。「帽子は脱いで温まろうね」

別れと訪れの短歌。

熾きる木と 去る白鷺と 胡桃の木 もう戻れないと 知らされて寝る

心情と掛詞の短歌。

人生を潰したら楽しんじゃうの私のよ生活花枯れる

私達の為の短歌。

敬虔なオクシモロンが狂おしい返しの付いたサボテン達よ

都会での生き方の短歌。

都会に生きて、落ち葉や雪がないのなら、洗濯物に飛び込もう。

割れた硝子の短歌。

割れた硝子も愛するわたしは、きっと別れることなんてできない。

虚しさの短歌。

生き返らせたい人がいるなら、死んだ蝶に風を当ててやるといい。

私とことばの短歌。

一度は捨てた文字たちを、今抱きしめてるのは浮気性だから?

融けた氷と夜の短歌。

夜が青を飲み切り、空の器に細かな氷晶と混じり月浮く。

100点中、26点の短歌。

数学の模試で気付けば、私のマークシートがメロディーを奏でていました。

余談:模試の詩ってことは模詩…ってコト?!
…ごめん。

数学の模試、分からなすぎてとりあえず2とか3とか入れとけばたまに合うよね。

四季の短歌。

森の静寂に風がさし、生命が歌い出したらそれは春だ。

お湯を沸かして紅茶を淹れ、冷めるのを待ったならそれが夏だ。

夕方が伸びはじめ、山が茜色のコートを羽織れば秋になる。

紅茶を飲み、この詩を読み終えた時に感じた寂しさが冬だ。

夏は。

夏は祈るべきである。

スーパーの夏休みコーナーに、この季節は詰まっている。漂う浮き輪の人工的な香り、あれは夏だ。

子供達が、鉄橋の錆に気付いた時、それも夏だ。

私達は夏に冷却を求める。それはなぜか。

実は、四色で構成された美しい硝子玉を作るために、溶けたのが夏だ。

だから、私達は祈るべきだ。冷却の到来を。四季の循環を。
熱されて不安定な夏が、歪んでしまわないように。

自己評価:(可)

鈍い輝きを持った存在の表現練習。

電球と埃が降ってくる。私に積もる。

天井が割れる。二階梁が露出する。

露出した二階梁に生えた釘達が、怪訝な目で私を見る。

私は何も言い返せなかった。

あとがき(?)
主人公君怠惰ね。死んじゃうよ?

聴覚以外を使う音の表現練習。

ぶら下がり、緑に染まった硝子の花瓶。大地を求め、抵抗もせず引き寄せられる。
直後私の耳を、鋭い緑風が吹き抜けた。

ふたりで一緒に。

桜色は枯れてしまった。
こんなにも恋しいから、貴方の視界も枯れていて欲しいの。
少しでも、私∩貴方でありたいのだ。
私=貴方の世界でいたいのだ。

今までの思い出は全て感光させよう。
シュガーシャックに閉じ込もろう。

貴方と私以外、みーんなみんな生き続ければいい。

自己評価:(良)

夜の鍾乳石。

夜の底が降りてきた。
先刻まで見えていた星々も、月だってもう見えない。
空気が、その更に上の空気に圧迫され、人々は動く事ができない。(或いは眠っているか。)
身を割くような酷熱の流動も、張り詰めた空間が気まずかったのか、すっかり逃げ出してしまった。

辺りが、一切の感覚全てが落魄した。
日の出は未だ、遥かに遠い。

自己評価:(良)