夜の鍾乳石。

夜の底が降りてきた。
先刻まで見えていた星々も、月だってもう見えない。
空気が、その更に上の空気に圧迫され、人々は動く事ができない。(或いは眠っているか。)
身を割くような酷熱の流動も、張り詰めた空間が気まずかったのか、すっかり逃げ出してしまった。

辺りが、一切の感覚全てが落魄した。
日の出は未だ、遥かに遠い。

自己評価:(良)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?