フライング

10月22日。収穫を始めた。自分の気持ち的には20日に始めたかったけれど、安定しない天気と、収穫隊の都合とで、結局、23日の月曜日から…と言う話になっていた。オリーブはいい感じで成長し、天気が良ければ、最高な感じなのだけど、読めない天気。これが、ズレ込んだ理由である。周りの様子を見ると、今年はなぜか、いつもより早めに収穫し始めるところばかりで、成長が遅いように見えるのに、何故だろうと思ったのだけど、おそらく、天気が崩れることを予測しての決断だったのであろうと思う。シトシトと降る雨なら良いのだけれど、強風をともなう雨は、熟した実を落としてしまう。トスカーナは北のフィレンツェ辺りになると、オリーブ自体の数が少ないらしいから、必至の決断と言えるのかもしれない。収穫の前々日、我がオリーブ畑も強風に煽られ、雨が降った。これで実が落ちてしまっていたら…と心配にはなったけど、オリーブのチカラを信じてみようと思った。お天気に左右されながらも、オリーブの成熟具合は、ここ1週間ほどで、グンと増している。収穫を先延ばしするのにも、限界がある。だから、フライングをした。知り合いと共に、収穫は素人。過去2年の収穫隊の薄っすらした記憶と手探りを頼りに、道具を使ってみる。当たり前だけど、なかなか上手くはいかない。野球で言うなら、空振り三振アウト！といった感じ。なるべくリスクを負わないよう、小さめの木を選んで、最終的には、手が届くところ、全て手摘み。かえって、その方が、オリーブの木には優しい気がした。オリーブも衝撃で傷む事もない。オリーブ用の小さな箱、3箱がいっぱいになった。これらが搾り取られるのが、大きな楽しみ。翌日から、いよいよ本格的な収穫が始まった。