6月のオリーブ畑

5月の中頃に咲いた花が
その翌々週には、チリチリとした茶色に変わっていた。

一瞬、焦る。

今年は思っていたより雨が多く、
そのおかげで、いろんな花が咲き、
雑草もグングン背を伸ばし、
凄い勢いだなぁ…と圧倒されるのとは裏腹、
オリーブの花が茶色く枯れたような姿になっているのを見たら、
枯れてしまったのかと思い、
その原因を探ろうとも、わからず
なんとも解せない気持ちになる。

よく見ると、
花ビラが落ちた後のガクの奥の方に、
黄緑色の小さな小さな丸いモノがある。
これがきっと、実になるのだろうと思った。

昨年は、花が咲いた翌週には、
緑の実が着き始めていたから、考えもしなかったけれど
花が咲いた後の具体的な状態を
そういえば、この仕事を始めてから
見たことがなかったのだった。

昨年と同じ時期に花が咲き始めた割に、
その後の成長が遅かったのは、
思ったよりも気温が上がらなかったせいかもしれない。

自然が織りなす成長具合は、
同じことがひとつもない。
だいたい、この時期、
だいたい、これくらい。

花が咲いてから1ヶ月経った先日、
草刈りをして歩きやすくなったオリーブ畑を
くまなく歩いてみた。

ああ、ついてる、ついてる。
小さいけれど、黄緑色に輝く小さな実が
あちらこちらで、風に揺れていた。

昨年は、少なかった収穫率。
何をどう頑張ろうとも
自然のチカラで育っているオリーブに
ただただ、願いをかけるしか出来ないけれど
今年は少しは量が取れそうな気がしている。

変わりやすい天候に
翻弄されませんように。