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オリーブの木々と向き合ってみる

雨の多い日々。

週末のみ滞在するオリーブ畑で、雨の降らない合間に、今、最も時間をかけているのは、広がった根から生えている小さな枝を切り落としていくこと。
この枝をイタリア語では「pollone」と言う。
ここを借りつけるまで、もう何年も放置され、2年前に収穫隊にお願いして一斉に剪定したものの、足下から生えているこの「pollone」は、残されたままの木が点在していた。

320本
この一本一本をじっくり見ていく…となると、気が遠くなる。
けれど、やるしかない。
というより、やっていきたい。

手前の方にある木は、割と目が届きやすいけれど、
オリーブ畑の向こう側にある木々たちは、ほとんど手つかずになってしまっていた。
だから、今年は、一番向こう側から手をつけていく事に決めた。

これがなかなかの重労働である。
古くからある幹の太い木は比較的安定していて、「pollone」は少ないけれど、小さな若い木は、成長しすぎたpolloneに覆われて、もはや、どれが本体なのか、見た目では判断できないほどに成長してしまっている。
栄養分がpolloneに吸い取られ、本体に栄養が行き渡っていないのがわかるほどに。
コンディションは最悪。
Youtubeやネットで見た、理想の樹形には程遠い。

果たして、どう手をつけていいのやら。
目の前の木に呆然と立ち尽くしてしまう。

この状況ですら、10月ごろに美味しい果実を身につける。
その事を不思議に思う。
自然は、多分、私たちの想像を超えた世界の法則で生きているのだと思う。

自然は本当に偉大。

学ぶ事が本当に沢山あることをありがたく思って、
剪定の日々はまだまだ続いている。

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