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収穫の「時」をいつに見る…

10月の初め。
いよいよ、その実が
黒く熟し始めてきた。

そんな頃になると、
「今年のオリーブオイルは、どんな感じですか?」
とか
「いつごろ搾りとられますか?」
なんて質問を受け始めるようになる。

昨年始めた、オリーブ栽培を
今年もこうして
楽しみにしてくれる人たちがいるのは
とても嬉しい事でもあり、
ちゃんとしたカタチでお届けしたいと
気を引き締められる。

昨年は、収穫隊と世話係フランコに
お世話になりっぱなしだったから、
今年は、実の少ない木は、
手摘みをしようと考えている。

今年の収穫隊も、経験のあるモハメッドが率いるモロッコ人グループにお願いする事にしている。

いろんな収穫隊がいて、
イタリア人グループは、値段が高い割に働きにムラがあり、
アルバニア人グループは、まあまあ、そこそこらしく、
バングラデシュ人グループは、真面目だけれどきめ細かく、扱いが難しい。

いろいろなバランスを考えると、
モロッコ人グループが一番安定しているのだと、フランコが言っていた。

もともと、トスカーナでは有名なワイナリーで何年も働いていた経験があり、
そこから独立したモハメッド。
この時期はイタリアで収穫を手伝い、
それが終わると
自国に帰って、農業をしているのだそうだ。
「年柄年中、働いているよ!」と屈託のない笑顔で言う。

近年、オリーブの出来が少なくなっていることから
「出来高制ではなく、時給でお願いします。」と言われる。

世の中は、どんどん、厳しくなっている。

上がり続ける電気代やらガス代、
ガソリン代も安くはないから、
経費が上がり続け、
せっかく育っているオリーブの実を
全部は収穫しないのだと決めているところもあるのだそうだ。

「今年は剪定したから、絶対、美味しいオリーブオイルが出来るよ!」

モハメッドが言う。

まだまだ緑のオリーブの実がある今、搾れば
ポリフェノールがふんだんだけれど
もう少し、味に濃厚さが出てくれるといいなぁとも思う。

収穫の「時」をいつに見る…

自然の力に任せっぱなしの、
唯一、考える「時」を今まさに迎えている。

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