キャンバスの歪みと木の生命力
展示中、知らぬ間に絵が歪んでいった。紙に大きくシワが寄り、背を丸めてちぢこまるようになっていった。理由はおそらく、絵の土台にしている木材、50年越えの古民家から出た廃材だ。50年越えの木材でさえ、自らの在りように戻ろうとしているのだろうか。
この歪んだ絵を展示している企画は、アーティスト・イン・レジデンスというANA企画の地方滞在型のアートプロジェクト。わたしは長野県塩尻市という豊かな山と川に恵まれた地域に滞在させてもらい、そこで古民家から出た廃棄予定の床材をいただき、制作