見出し画像

自分の仕事はけっこう、レアな仕事らしい、と気づいた。

私のように医療系インタビューだけをやっているモデレーターは、結構レアらしい。
それって何?という人も多いと思うので、自分なりに説明してみます。

インタビュアーとモデレーターの違いって何なのか

企業がマーケティング調査として、あるいは治験の一環でおこなうインタビュー調査(定性調査)は基本的に半構造化インタビューでおこなわれる。つまり、ある程度質問項目を用意し、それに基づいてインタビューを進めていく。

モデレーターとは、依頼者に与えられた調査課題にそってインタビューフローをつくり、それを用いて6~8人のグループインタビューを進行したり、1対1の面接調査でより深く話を聞きだしたりして、調査課題に対して何らかのサジェッションを出すのが仕事だ。もちろん、作業としては結果をレポートにまとめるところまで依頼されることもある。

で、モデレーターとインタビュアーの違いは?といわれると、正直なところよくわからない。
ただ、モデレーターとしての業務範囲から考えると、おそらく単純な「インタビュー」以上の範囲を受け持つのがモデレーターなのだろうと解釈している。聞きっぱなしでよいなら、そんなラクなことはないのだけど、そうはいかないのが日常業務である。

じゃあ、なぜこのnoteのタイトルは「医療インタビュアー」にしたか、というと。
そりゃまあ、わかりやすいからですね。

一般の調査モデレーターさんには尊敬しかない

さて、いわゆるマーケティング調査会社は、皆それぞれのモデレーターを育成したり、専属で抱えていたりする。私のようなフリーランス(いずれかの組織に属さないという意味で)ももちろんいる。

優秀なモデレーターは「インタビュー」という技術を武器に、ジャンルを問わず日々、インタビューをおこなっている。極端な話、先週は「銀行の金融商品についてのインタビュー」、今週は「車のディーラーのサービスについてのインタビュー」、来週は「アイスクリームの新製品試食後のインタビュー」てな具合だ。

すごい…。想像しただけでも大変だ…。
だって、インタビューするにはその市場の周辺知識を入れておく必要があるわけですよ。銀行も車にも縁のない私ができるはずがない(かろうじて、アイスクリームについてならやれるかもしれないが、でもやっぱりやめておく)。

ついでながら、以前は夜間19時からのインタビューには、スタッフに調査会社さんからお弁当が出されることが多かった。モデレーターさんによっては、「私、週5日、夕ご飯はお弁当なの」という兵がいた。食事をいただけるのはありがたいのだが、それもなかなかきついような気もする。

コロナで変わった調査方法

コロナ前までは、調査会社やインタビュー専門施設に出向いて、対面でインタビューをおこなっていた。
それが、2020年初頭からオンライン調査一色になった。

新型コロナウイルス感染症の流行中、あまり換気がよいとは言えないインタビュー会場での対面調査は、依頼も減り、調査会社自身も一時期自粛した。その代わりにオンライン調査が増えた。

オンラインなら、患者さんの調査はむしろやりやすくなるではないか。
正直、私は小躍りした。

重い疾患を抱えながら、銀座や青山など都心部に多いインタビュー専用ルームまで出向ける人はごく一部だ。
ステージ4のがんでありながら、会社に仕事に行ったあと夕方からインタビューに参加してくれる人もいて、恐れいったことも少なくない。でもそれはやはりレアケースで、遠方から高齢者に参加してもらうことは難しい。

それが、自宅から参加してもらえるのですよ。

オンライン会議に参加できる程度のリテラシーがあるかどうかがバイアスになると言えばなるが、それでも対面調査の参加バイアスに比べたらはるかに低いはずだ。
インタビュー調査に参加される患者さんは、自分の思いや、医療への提言など、何か伝えたいことがあって参加される方が多い。伝えたいことがある患者さんに、より多くの場を提供できるようになる。

コロナ禍に入ってから始まった1対1のオンラインデプスインタビューは、200件を超えた。医療ライターとしてやっているオンライン取材を含めると、300件近い。
3年半と考えるとそう多くはないかもしれないけど、医療系の調査のみ、という前提では少なくもないだろう。だいたい私一人の受けられる仕事量の限界もあるし。
そしてありがたいことに、少なくとも、現在の時点で8ヶ月ほど先の予約もいただいている。

レアな業種だから、同業者とつながりたい

冒頭に話は戻るが、医療・医薬品業界を専門とするモデレーターは、あまり多くないらしい。
たまに依頼が重なってしまい、どうしてもお断りしなければいけない事態が起こったとき、「じゃあどなたかこの仕事をお願いできる人を知りませんか」と聞かれるのだが、本当に知らない。聞いたこともない。「医療やれます」な人はいるとは思うが。

ホントにいないんでしょうか?
フリーランスで、どこかに専属契約していない方がいらしたら、連絡ください。
困ったときに融通しあえる、横のつながりが出来たらいいなあ、と思ったりしている今日この頃です。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?