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山ペンギン  36 高い所がすきなのは。

もうすぐクリスマスだ。

去年は南半球をモチーフにしたエンドを組んでいたが、さすがに今年はそれなりの冬イメージのクリスマスエンドを(イマドが)作っている。
「こんばんはー。」
またトリが来た。
最近よく来るせいか扱いがザツに
いやいやいやそんな意識ではいけない。気を引き締めて・・・

「こんばんは」
女神さまも来た。
コンビニ入るたびあいさつするのは、彼らとイマド目当ての女子高生くらいだ。

「いて!」

トリ宇宙人が商品棚にぶつかる。
「夜はやっぱり見にくいな・・・」
すっと黒い眼鏡をかける。
「サングラスですか?」
「へ?これはヨングラスですよ。」ワシさん。
「夜グラスがちょっとなまってヨングラスなんです。」タカさん。
なんで星系が違うのに、しかも日本語でなまるんだよ・・・。

「サングラスですか。似たようなものが地球にもあるんですね。」
「ワシさん、タカさん、それかけたらもっと見にくいのでは?」
「えと・・。夜しかかけないんですが・・暗くて見えにくいから。」
「我々は昼間しかかけませんよ?」
「ぴーっ!!」「きるるる!!」
驚きすぎて自身の星系の言葉が出ている。
「ええええ!!昼間ですか!!」

夜かけるサンじゃなくてヨングラス・・・星を飛び越えてやってくる彼らの科学だ。きっと技術の粋が詰め込まれているに違いない。

「集光グラスなんですけど。」
・・・地球にもありそうな技術だった。
「昼間かけたら目が焼けませんか!!」

「・・・いえ、地球のは遮光のためのグラスなので・・・」
「所変われば違うもんですねえ。」
所以上に違うもんがあるけどな・・・「類」とか・・。

「ご注文ありがとうございます。」
クリスマスチキンの注文が入ったようだ。
近所のマンションの人らしい。

「ところで、隣のタワーマンション、高層階のほうが家賃高いのってなんでですか?」
注文を見ていたトリさんたちからの質問。
「しかも家賃も高さも高い方が人気なんでしょ?」
うーん、分からない。

「あなたたち哺乳類は飛べませんから低層階のほうが便利なのでは。」

女神さまが
「ほら、バカと何とかは高い所が好きって言うじゃないですか。人間はイミのないところに金を使いたがって、回収出来なくなることも多いですから。」
・・・隠すべき所が違います。
しかもとんでもないことを言ってます。
「ああ、分かります。税金素直に払うほうが安いのに、投資して回収出来なくなるとかですね…
バカと何とかは使いようとは言え。」
宇宙人に税金を指摘されるか…

しかもどっちも隠す方を間違っている。

高い所にいると上から「マウント」とかいうものを取れるから?

「ホント猿みたいですよねwww」ちょっと迎合してみる。

「失礼なこと言うんじゃないよ!」

イマドに怒られた…

確かにエテ公に例えたのは…

「サルはマウンティングした相手を守るし、面倒も見る。人間はイミも根拠もなくマウントして、自己陶酔するだけだろ?!」

…サルに失礼だったのか。

だてに「公」ついてないな…。



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