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【子育て】生きる力を養う「旅」の方法~夏休み「子供と何しよ?」と悩む方へ♯096

「かわいい子には旅をさせよ」という諺がありますが
その通りだなぁ、と思う出来事が夏休みにありました。

我が家には息子(9歳)と娘(4歳)がいますが年齢差や性別の違いもあって好みが全然違います・・・
最近では、お互いが「相手に合わせて我慢している」と訴えるくらい。
ケンカも日常茶飯事。
なかなか私自身、一人ひとりに対応ができず、申し訳なさを感じることもあります。
なので、夏休み、春休み等といった長期休暇には、息子、娘それぞれのやりたいこと、好きなことに1対1で寄り添う日をつくるようにしています(とはいっても1日、2日が限界ですが^^;)。
今年の夏は、『アラジン』が大好きな娘とは、劇団四季を見に東京へ。そして鉄道大好きな息子とは、日帰り鉄道旅行をすることに。

息子は物心ついたときから鉄道が大好きで、これまでも全国各地、そしてイギリスに住んでいた頃は欧州の鉄道に乗り倒してきました。いつもは私が行程を考えるのですが、今回は、自分で行きたいところを決めて、自分で行程を組んでみるよう提案。

息子が選定した場所は福井県の敦賀。北陸新幹線の現在の始発駅です。
(東京からでも一本で行けますよ!)
息子の希望は以下の3点。
①北陸新幹線開業後、敦賀駅の前には行ったのですが、駅の中に入らなかったので、駅の中を見てみたいとのこと。

②私たちが住んでいる京都からは滋賀を経由して敦賀に行きますが、その行き方は、琵琶湖の東側を通る東海道本線経由と、西側を通る湖西線経由、2つの行き方があります。息子曰く、「それぞれの車窓を見たい」そして「琵琶湖を一周したい」といった希望があるようでした。

③敦賀~大阪を結ぶサンダーバード、
敦賀~名古屋を結ぶしらさぎという2つの特急列車に乗車したいとのこと。

この3つの希望を叶えるべく、持っている時刻表と、スマホの時刻表アプリを駆使しながら、娘が幼稚園に行っている時間内で行って帰ってこれる行程を組んでいた息子。

この時間的な制約があることがポイントで、この制約があるからこそ、あれやこれや知恵を絞りながら、自分の希望が叶う行程を考えていました。

私自身、旅行が大好きで、鉄道旅も学生時代から数えきれないほどやってきています。そして何より鉄道会社で営業の仕事をしていたこともあるので、こういう行程を考えるのは、得意。ある程度、頭に入っているノウハウや経験でササっとやれてしまうのですが、これをあえて子どもにやらせてみると、時間はかかるけれど夢中になれるようで、いつも暇な時間を見つけては、「ゲームやっていい??」と聞いてくる息子ですが、そんな言葉一言も発さず、珍しく集中していました。

また、当日も「かわいい子供には旅をさせよ」の諺を実感するような出来事が。
あらかじめ指定席をおさえていた特急列車は、当日、予期せぬ出来事が起きてもいいように、余裕を持った時間にしていました(母の旅の知恵を息子に伝授)。そのため、敦賀の滞在時間は2時間弱・・・
息子の駅見学、特急列車乗車、琵琶湖一周は叶うのですが、
敦賀で昼食を食べ、観光する時間はほとんどとれません。

そんななか、当日の朝、私たちは、予定していた1本前の特急列車が発車する数分前に京都駅に到着。もしかしたら1本前の列車に間に合うかもしれない!!
変更するか、それとも30分後のもともと予約している列車に乗るかといった選択肢が手中に・・・しかしこれを即座に、秒で判断しないと「1本前の列車に変更する」という選択肢は消えてしまいます。
いつもは、このような判断は大人がしますが、この日はあえて息子に・・・
息子は「もうええやん、今の列車で。」と現状維持の発言。
しかし、私は、「ここで列車を変更したら30分、敦賀での滞在時間が増える。いつでも来れる京都駅で30分過ごすか、敦賀で滞在時間を2時間→2時間半にのばすかどっちがいい?この判断を今すぐしないと、敦賀での滞在時間が増える選択肢はなくなるよ」と説明。
すると、息子は「変更する!」と決断。
なんとか急いで変更して、間に合いましたが、旅ってどんなに綿密に行程を組んだとしても、予定通りにはいかないもの。そんなときにこそ、とっさの判断力が鍛えられるんだと思います。
今回は私が誘導した部分も多分にありますが(笑)、子供が主体になって旅をすることで、こうした判断力含め社会で生きる力が身につくと実感した瞬間でもあります。

実際に、今までの家族旅行でも、ネットで調べても出てこないようなことを道行く地元の人に尋ねたり、旅先でたまたま隣になった人と会話が弾んだり、そのような経験を息子もしていたので、息子のコミュニケーション力が鍛えられたのは確か。
特に欧州旅行中は、例えば飛行機で隣のポルトガル人のお兄さんとフライト中、2,3時間ずーっと話をしたり、ナポリのピザ屋のお兄さんと仲良くなって、厨房を案内してもらったり、子供というだけで、親切にしてもらえることがとても沢山あったので、自分と違う国、言語の人に対しても壁をつくらない姿勢が身についたようにも思います。今も京都で道に迷う外国人に自分から話しかけて案内したりも。

こういうことを踏まえても、旅で養われる力って沢山あるな、と思います。
旅といっても、大人がすべてをやる旅ではなく、子供に任せる旅。
小学生でもある程度のことはできるはず。
中学生、高校生になったら、旅の選択肢も増えるんだろうけど、「一緒に行くの嫌」なんて言われるんだろうな。
子供の自立心が芽生えたとき、思い切って「一人旅やってみよう!」という度胸と自信がつけられるように、そのトレーニングを今から家族旅行でしたいと思います。


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