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【Vol.3】インスパイヤ⑩:嫌になったら、やめてもいい

さて、ここまでイケイケドンドンな勢いで、世界の第一線で活躍するグロ女になることをひたすらお勧めしてきましたが、1点、声を大にしてお伝えしたいことがあります。

嫌になったら、やめてもいい。

そうです、やめてもいいんです。

慣れない海外生活は、気づかないうちに、あなたが思うよりもずっと大きなストレスを引き起こします。

文化や生活習慣の違い、言語の問題、対人関係、治安に関する不安など、日本にいた頃には考えられなかった環境の変化がどっと押し寄せてきます。自分でも気づかないうちに、健康面・特にメンタル面に大きな負担がかかることも大いにあるのです。

私は過去に、海外でうつ病や適応障害を発症してしまった日本人の方々を、何度も見てきました。

何をするにも、健康第一。自分の心と身体をいたわってあげましょう。頑張りすぎず、あくまで自分のペースで楽しんで、海外生活を進めていけるといいですね



自分を追い込んでいるのは自分?

「私がいないとうちの部署が回らないから」
「この書類を明日までに提出しないとダメだから」

こんな声、よく聞きます。
確かに予定通りにこなさないと、支障が出てしまうのかもしれません。

でも、そう思い込むがあまりに自分自身を追い込んで、心や身体が病んでしまっては本末転倒です。

責任感のある真面目な日本人。「頑張らなきゃ」「私がやらなきゃ」と、自分で自分を追い込んでしまいがちですが、大丈夫!いったん手を止めて、深呼吸してみましょう。

正直、周りを見てみると、そこまで精魂込めて、自分の命を削ってまでやっている外国人、あまりいないものです。(まあ、ここまで言ってしまうと若干語弊があるかもですが…。あくまで私見ということで。)

Work Smart, Not Hard

といっても、彼らは決して不真面目とか手抜きというわけではありません。やるべきことはきちんとやっています

この、「やるべきことをやっている」がミソ。

日本人がやりがちな、地道で「きっと努力は報われる」的なマインドよりも、いかに要領よく、いかにわかりやすく、そしていかに自分の頑張り度がすごいのかをアピールするセルフ・プロデュース術が、海外では物を言うのです。

私はテキサス大学ダラス校のビジネススクールで、キャップストーン・シニア・プロジェクトという授業を教えています。このクラスでは、大学4年生が5人1組のチームになり、企業が持ち込んできたプロジェクトをチーム単位で遂行しようというのが趣旨になっています。

クラス全体で50名の生徒がいるのですが、その学生一人一人を見ているたびに、面白いなーと思います。というのは、一番努力して裏方作業を頑張っている学生よりも、プロジェクトのでき映えをうまーくプレゼンする話術を持った学生の方が、どうしても「THE・デキる学生!」という感じで目立ってしまうのです。

目立つ子ばかりを高評価してはよくないと思い、私はなるべく意識的にまんべんなく学生一人一人の成果を見るようにしていますが、悲しいかな、現実の社会では、そこまで意識的に全体を見て、私達の頑張りを公平に評価してくれる人は少ないのです。

決して、「真面目に働くな」ということではありません。

私が言いたいのは、真面目に働くがあまり、自分で自分を追い込んでしまい、心や身体の健康を害してしまうといったことがないようにしたいですね、ということです。

あなたがいなくても🌎は回る

世界的に有名なApple社の創業者であるスティーブ・ジョブス氏が亡くなられたとき、会社は終焉しましたか?してませんよね。次のティム・クック氏にバトンが渡され、会社は今でも成長し続けています。

正直なところ、私が死んで今の会社からいなくなったとしても、何事もなかったようにビジネスは淡々と継続していくでしょう。Apple社の創業者、スティーブ・ジョブスがいなくなっても会社は継続するんだもん、私なんて微々たるもんです。

「自分がいなくなったら、うちの部署がダメになる」

このような強い責任感を持つことは素晴らしいと思いますが、果たして本当にそうかな?

部署の心配をする前に、まずは自分の心と身体の健康があってこそ。頑張りすぎず、あくまで自分のペースで楽しみながら、海外生活を進めていけるといいですね。

海外でのメンタルヘルス

ニューヨーク日本国総領事館のホームページに、海外生活におけるメンタルヘルスの重要さが事細かに書かれています。

こちらによると、海外生活において精神面で適応していく段階は、以下の5段階に分けられるそうです。

1) 移住期(数週間から数か月)
  →精神的な問題は少ない

2) 不満期(数週間から数か月以降)
  →心身の不調を来しやすい

3) 諦観期(数か月から1年以降)
  →肯定的な認識

4) 適応期(1年以降)
  →生活をエンジョイ

5) 望郷期(2~3年以降)
  →メランコリックな気分

出典:ニューヨーク日本国総領事館ホームページ

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1) 移住期:生活立上げに追われる時期です。この作業に必死で精神的な問題は起こりません。見かけ上は適応しているように見えます。しかしこの時期にがんばり過ぎると後で心身の疲労をひきずる事になります。この時期こそ余裕をもってマイペースで進めなければなりません。

2) 不満期:生活立上げが終わり、ほっと一息つく時期です。その一方現地や赴任地の欠点やストレス源が眼に付いてきます。この時期に心身の不調や精神障害による自殺といった問題がおこりがちです。辛いときは十分に休養をとる必要があります。

3) 諦観期:別名、諦めの時期です。現地の良いところも悪いところも、概ね肯定的に認識できるようになります。心理的にも落ち着きます。

4) 適応期:現地に無理なくとけ込み、生活をエンジョイできる時期です。通常はこのステージに来るまで約1年ほどかかります。

5) 望郷期:2~3年以降。現地に慣れてくると、日本が懐かしく、メランコリックな気分になります。引越し準備や日本再適応への不安が引き金になり心身に不調をきたす事もあります。

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あれ、私、いつもと何か違うかも。
そう思ったら、自らの状況を振り返ってみましょう。

海外生活は決して楽しいだけではありません。毎日やっていけているだけで100点満点!

ホームシックになったら、ちょっと日本に帰ってみるのもありかも?

私が初めてアメリカに留学した時は、渡米後たった半年で日本が恋しくなり、大学の冬休みに2週間ほど日本に帰省しました。「留学生活、このまま続けられるのかな」と不安だったのですが、日本に帰って一度気持ちを入れ替えたら、自分の心のモヤモヤもスッキリ。

その後、アメリカに住んで26年になりますが、深刻なホームシックになったことは一度もありません。自分の置かれている状況が不安になったら、一時帰国してみるのも大いにあり。何か軌道修正する糸口が見えてくるかもしれません。

グローバル女子(グロ女)の皆さん、無理は禁物です。
嫌になったら、やめてもいいんです。

あなたという資本があってこそ、相手をインスパイヤできる、ステキなグロ女になれるのですから。



次はいよいよ、Vol.4のエンパワー編!新しいページを開いてみよう↓↓


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